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恋に落ちたシェイクスピア(Shakespear in Love)
(1997年/イギリス/監督:John Madden/脚本:Marc Norman, Tom Stoppard)

You will never age for me, nor fade, nor die.
君は、僕の中では、老いない、消えない、死なない。   □                    
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1998年アカデミー7部門に受賞した作品。「ロミオとジュリエット」を作成中に作者自身も「禁断の恋」に悩まされるというお話し。真偽は、別として、ユニークな観点が評価されたのかも知れません。この映画での注目点は、やはり、あの「女王」の存在です。Judi Denchが「女王」を演じているのですが、その存在感といったら素晴らしい。この映画で、助演女優賞を獲得するのですが、ほんの数10分の演技で受賞した役者さんも珍しいのではないでしょうか。特に、シェークスピアが恋する女性が女王の前で紹介されるシーン。女王は、彼女がよく劇場に劇を観に来ていることを指摘し、その理由を問い出そうとします。

Viola: Your majesty
女王陛下   □                               
Queen: Stand up straight girl
まっすぐ(きちんと)立ちなさい   □                    
Queen: I have seen you. You are the one who comes to all the plays at Whithall, at Richmond.
お前を、劇という劇に観に来ているのをWhithall, Richimondなどの劇場でよくみかけるが。   □                               
Viola: Your majesty
女王陛下   □                               
Queen: What do you love so much?
何がそんなに気にいっているのか?   □                   
Viola: Your majesty
女王陛下   □                               
Queen: Speak out! I know who I am.
声をお上げ、私は自分が誰か承知している。   □               

 最初は、静かなやり取りでも徐々にきつい流れになっていくのと、それをDenchが見事に演じていますし、その後のシーンにおいても存在感を十分にアピールしています。女王が立ち上がって、去るまでのシーンは、実に圧巻です。
 そして、映画のラストシーンに近いところで、恋中の二人が別れるシーンがあります。その時に使われたのが、You will never age for me, nor fade, nor die.(君は、僕の中では、老いない、消えない、死なない)。日本語にするとニュアンスがかなり違ってきますが、会えなくなる二人。しかも、別れなくてはいけない二人の心情をI will never forget you.とかよりは、見事に時代にあわせて表現しています。中世という時代的に難しい台詞が多く、ややもすると退屈になりがちな設定になる映画が多い中、テンポよく流れていく映画です。

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