【休学留学インタビューvol.6】日本の大学では得られない経験をしたい


休学留学インタビューの6回目は、IBP留学プログラムを利用して現在アメリカに留学中の増渕さんに登場して頂きます。

増渕さんにとって、IBPプログラムの魅力はなんでしたか?


僕はもともとアメリカの大学を卒業するつもりでしたので、IBPプログラムでBellevue Collegeのトランスファー制度(大学編入制度)を使って大学に通うか、成績を出して受験するかの二通りで悩んでいました。IBPは英語力がつくのとインターンが組み込まれているのでトランスファーにも有利かな、と感じました。


つまり、増渕さんのIBPプログラムは3月で修了しますが、そのあとは同じ大学で勉強を続けるのですか?


はい、そうです。このままワシントン州に残り、何年かカレッジに通い、単位を修得し終えたら別の州の大学を受験し編入しようと考えています。

 

日本でできないことをしたい。そしていつかシンガポールに帰りたい。


増渕さんは高校を卒業してすぐに留学したんですよね。大きな決断するのは大変だったと思いますが、日本を選ばなかったのは何故ですか?


「日本ではできないことをしたい」、というのと「日本の大学に通っている人が得られない経験をしたい」というのが留学の目的でした。僕はシンガポールに住んでいたのですが、多くの高校時代の友人が日本に帰国しているのをみて、自分は何か別のことをしたいと思っていたんです。だから迷いはなかったです。そして何より、いつかシンガポールに帰りたいという思いが強いからですね。

 

長期休みを使って、車での旅に挑戦


長期休みはどんなことをしましたか?


夏休みの期間を使って、ルート66というアメリカ中で愛される道路(アメリカを横断する)があるのですが、車で友人とともに旅しました。


具体的にはどんなところを回ったのですか?


シカゴからカルフォルニア、ラスベガスまでを5日間で行きました。それも一度も止まることなくノンストップで。誰かが運転して、誰かが眠る、というように交代で運転しました。


車旅を経験した人によると、辛いと聞くのですが、増渕さんはどうでした?


ルート66に乗っているときは悪夢でしかなかったですね(笑)。でも旅としてはとても楽しかったです。ハプニングも含めて。


何が起きたのですか?


僕たちはシカゴから借りて、ラスベガスで返すレンタカーをしていたのですが、なんとシカゴで借りてすぐにタイヤがパンクしました。そのまま野宿をみんなでしたりして。


もう一度ルート66を周りたいと思いますか?


正直、もうやらないですね。笑 でも人生で一度はやっておくべきだと思います!アメリカ内部の地域を見ることもできますし、初めてのことを経験することばかりで成長できると思います。僕たちは無計画で行きましたが、なんとかなりました!

 

模擬国連の授業で奮闘


もうすぐ一年のIBPプログラムが終わりますが、どんな気持ちですか?


一年間とても早かったです!僕の場合は同期が年上ばかりで、出会いに恵まれてとても楽しかったです。


授業はどうでしたか?


僕は1学期目から学部授業が取れたので、いろいろな科目をとりました。スペイン語、心理学、広告学、演説学などです。中でも模擬国連の授業がおすすめです。


模擬国連ですか?


はい、3学期連続でとるのですが、メンバーはだいたい同じなので仲良くなれますし、なによりアメリカでしかできない経験ができるのでとても新鮮です。僕は3月にニューヨークで開かれる会議に行ってきます。以前経験したシアトル会議では、質問を受けて前に立って答えるのですが、緊張してしまいどこかに閉じこもっていようかと思うくらいでした(笑)。


受け答えが大変でしたか?


どちらかというと、言っていることを理解するのに苦労しました。難しい用語が飛び交うので。その時はホットな話題でシリアが中心だったのもありましたね。なんで攻撃したのか!と聞かれてしまい…わからない!といった具合でした。でもとても勉強になりました。

 

学生団体SEAでリーダーとして活動


学生団体に参加しているとのことですが、どんな団体ですか?


SEA(Seattle evangelist association)という団体で活動しています。シアトル近郊の大学に通う日本人学生が中心で、この夏くらいから本格的に始動しました。シアトルへ留学を考えている人に対して有力な情報を発信する、というのがこの団体の目的です。


増渕さんが立ち上げメンバーということですね。立ち上げの背景は?


政府奨学金のトビタテ留学を使って留学している人たちがまず、将来留学を考えている人にむけて何か発信していきたい、こんな人が留学していますよ、というのを伝えたいと考えたのがきっかけですね。


実際に活動されてみて、どうですか?


思っていたよりも大変でした。大きく分けて二つのチームで活動しています。僕はそのイベントチームの担当なのですが、もともとこちらはインターンシップやボランティアの情報を発信するというチームだったのです。ただ発信の仕方にすごく悩みました。それからイベントの運営中心へとシフトしていき、現在の形になりました。


苦労はありますか?


今でこそイベントを企画して、実行するというのが主な内容ですが、それまでは企業へのアプローチなどさまざまな仕事がありました。僕は自らリーダーを志願したのですが、メンバーをまとめるうえでは大変なことも多かったです。


いままでにどんなイベントを企画されたのですか?


ちょうど2月末に女子限定イベント「IT×女子」というコンセプトでAmazonやMicrosoftで活躍されている日本人女性のお話を聞くという会を開きました。また、4月にはMicrosoftの本社ツアーを計画しています。


活動を通してどのようなことを学びましたか?


人との出会いが大事」というのがこの団体のモットーなのですが、自分自身も社会人との出会いを求めて、まさにその通りであるなと感じました。これからは参加してくださった社会人の方にもインタビューをしていきたいと考えています。

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最後に…自分の留学を振り返ってみて


一年振り返ってみて思うことはありますか?


学生団体などの活動を通して、いろいろな人に出会うことができました。そのなかで、将来に対する目標を持ってアメリカに来ている人も多いと実感しました。僕は留学中の活動目標がなかったので、自分のなかでどういう留学にするか考える機会になりました。どんなにいい大学に通っていても、家との往復では何も生まれない。残りの4年間を人との出会いを中心に生活していきたいと考えています。


増渕さんはこのままアメリカに残りますが、他の同期と異なる道に対して、抵抗感を感じたことはありますか?


高校の時もそうでしたけれど、みんなは日本の大学に進学する、でも僕は逆に一人だけだったから、みんなと違う道もいいかなと思っていました。外国の大学で生活がしたかったから。


一度は日本で生活することも考えたのですか?


はい、実は大学の推薦をもらっていました。でも僕自身、外国人として異国で過ごす方が向いていると感じていました。それに、外国で会う日本人とも仲良くなれますし。必ずしも一人ぼっちなわけじゃないので。


外国で暮らした経験がなかったら、日本にとどまっていたと思いますか?


そうだと思います。同じように大学へいって就職していたかもしれません。

 

インタビューを終えて


まだ大学に入学したばかりだというのに、しっかりとした物腰でお話をしてくださった増渕さん。読んでくれている人へのメメッセージをお願いしたところ、「どんな選択肢でもいいと思いますが、僕は常に10年後くらいに笑えていられるかという基準で考えています。」と笑顔で答えてくれました。私自身の経験からも、自分の人生の選択肢を広げる手段としての留学、良いと思います。留学先では増渕さんのように様々なで人との出逢いがあります。そんな、一つ一つの出会いを大切にしていけたら将来の可能性も広がっていくと思います。