IBPプログラム

アートとコミュニケーション」をテーマに
芸術の街・ロンドンで送った留学生活

留学期間:2006年4月〜2007年3月
参加コース:IBPプログラム・ウエストミンスター大学コース
インターン先:国際交流基金ロンドン事務所、英国ニュースダイジェスト

1983年生まれ。東京学芸大学教育学部(芸術文化課程表現コミュニケーション専攻)卒業。大学在学中にIBPのウエストミンスター大学コースでロンドンに留学。帰国後は、あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)アートマネジメント研修生、(株)ジャパン・アーツ宣伝部アシスタントを経験。現在は文化庁非常勤職員、およびNPO法人シアタープランニングネットワーク事務局アシスタント。個人で「Arts & Education Management Group」を立ち上げ、国内外のアートマネジメントや教育関係者とのネットワーク作りを模索している。

多文化共生の街で知った「アートは価値観の違いをつなげるもの」


















Q:留学のきっかけを教えてください。

A:大学でパフォーマンス研究ゼミに所属し、社会の中における芸術の役割というものを学んでいました。そのうち、芸術が生活に根ざしているところに身を置きたいと思い、留学を考えました。

Q:大学3年が終わってから留学されてますが、なぜそのタイミングに?

A:大学の単位を取り終わって卒業までの期間に留学したいと思っていたのですが、その理由は、まず見聞を広めてから、自分のやりたいことは何なのかという視点で卒業論文を書きたかったということがひとつ。あとは就職活動をする上でも、海外での経験をもとに自分がどんなことができるかを伝えたかったという戦略的な部分もあります。

Q:なぜIBPを選んだのでしょう?

A:大学のプログラムでもよかったのですが、芸術が生活に根ざしているところに身を置きたいという私の希望に合うものがなかったので。もともと語学だけの留学をするつもりはなく、勉強した上でインターンやボランティアができ、しかもいろいろなコミュニティに顔を出せるという私のどん欲な希望に合致したのがIBPプログラムだったんです。 ウェストミンスター大学にしたのは、イギリスは伝統的なアートとコンテンポラリーアートの両方があって、芸術をその両面から学べると思ったからです。それに高校生の時にイギリスでホームステイをしたことがあり、また行ってみたいと思っていました。

Q:1年間の留学で身に付いたことは?

A:IBPでは、アカデミックとビジネスの両方の英語を学びました。今の仕事に役立っているのはビジネス英語の方ですが、今後、自分の専攻分野で研究して行く時、その分野の研究者たちと話をする時にはアカデミックが役立つと思います。なので、両方を学ぶことができて、本当によかったと思っています。

Q:留学中に「これをやった!」と言えるものは?

A:とにかくいろんなところに顔を出して、いろんな人と話をしました。それからインターンを2つ体験しました。ひとつは国際交流基金で日本文化を伝え、もうひとつはニュースダイジェストという新聞社でイギリス文化を日本に伝えたり、イギリスで日本文化がどのように紹介されているかをピックアップしたり。ひとつのことだけやるのではなく、複数のことをやることで両方の視点が学べて、今までやってきたことが違うように見えてきたりしました。

Q:2つのインターンという話が出ましたが、具体的な仕事内容を教えてください。

A:国際交流基金は日本にいる時から興味があって、以前からインターンしたいと思っていたのですが、ICCの現地アドバイザーの方が紹介してくださり、インターンが実現しました。ここでの仕事は、アートプログラムを担当している方の補佐。最初にやった仕事は、イギリスにあるアート系大学のジャンル別データベースを作ることでした。これは自分にとってもすごくプラスになりましたね。 あとは、インターン中に「コンドルズ」という日本のパフォーマンスグループの公演がロンドンで行われ、そのお手伝いをさせていただいたこともありました。彼らが来る前に必要なものを準備したり、メディアでどう紹介されているかを調べたり。舞台関係のお手伝いをさせていただけたことも、とてもありがたかったです。

Q:ニュースダイジェストの方はどうやって決まったのですか?

A:誌面に出ていたスタッフ募集広告を見て、私の知り合いがインターンを始めたんです。そうしたら編集長がICC出身の方だということがわかり、お話する機会が何度かあったんです。メディアに興味があることを伝えると「じゃ授業が終わったらインターンしてみる?」と言われて、働かせていただくことになりました。最初はイギリスの新聞の要約をしたり、写真の手配をしました。映画「ミス・ポター」の特集をした時に、作品に関連する場所に行って写真を撮ったり、ミュージカル「アベニューQ」の女優さんのインタビュー取材について行ったこともおもしろかったですね。

Q:ロンドン暮らしについて教えてください。

A:イギリス文化を学ぼうと思っていたのですが、暮らしてみると「こんなに日本文化を受け入れているところだったんだ」と驚きました。日本のコミュニティが発達していることもありますが、日本のデパートや日本の食材や本屋やカラオケがあって。でも、日本だけでなくて他のアジア諸国のコミュニティもいろいろあって、多文化共生の街だと感じました。そうした環境で、アートの役割というのは、いろいろな価値観をつなぐためのものだと思ったんです。これは日本とは違う点です。日本ではアートというと高尚なもので、生活に余裕がある人のためのもの、アーティストは特殊な人、という価値観ですよね。

Q:その思いが今、澤野さんがやっている活動とつながるんですね。

A:そうなんです。その思いがあって、アートマネジメントとエデュケーションプログラムを専門にしたグループ「Arts & Education Management Group」を立ち上げました。まだ実績はありませんが、長期的なスパンで活動していく予定です。

Q:留学中から就職活動をしていたそうですが、具体的には?

A:テレビ局や新聞社などのメディア関係を視野に入れていたので、8月から企業研究を始め、10月からは週に何本もエントリーシートを送っていました。面接のために一時帰国もしました。イギリス在住のメディア関係の日本人ビジネスマンに話を聞いたり、エントリーシートを見てもらったりしました。メディア希望でない人たちの就職活動はもっと遅かったですね。帰国してから活動する人もいました。

Q:現在の勤務先に決めた経緯を教えてください。

A:メディア関連企業から内定をもらったのですが、その後も劇場でのインターンと、音楽事務所でのアルバイトを掛け持ちしていました。そうしたら、音楽事務所の正社員の可能性が出てきて、そちらにも興味があったし、大学院に進むことも考えていました。とりあえず内定先は辞退しようと思って電話し、迷っていることを正直に話したところ、担当の方が「迷っているなら保留にさせてください」と言ってくださったんです。12月までその状態のままでしたが、その時には気持ちはアートの道にかなり傾いていて、内定先には申し訳なかったのですがお断りしました。その後、現在の勤務先の募集があって、そこに決まりました。

Q:現在の仕事では、主に英語でコミュニケ−ションしているのですか?

A:仕事内容としては、主に、コンテンツの海賊版対策をオーガナイズしています。日常の仕事では、英語の文書に触れることが多いです。IBPで身につけたビジネス英語のフォーマットが頭に入っているので、翻訳をする時でも時間はかからずにできますね。

Q:最後に、これから留学する人に向けてアドバイスをお願いします。

A:私の場合、留学前に「あれをやろう、これもやろう」と思い描いていたことがたくさんあったのですが、それってかなり重要なことだと思います。留学してから現場で調べることも大事ですが、事前にやりたいことを調べてまわりに伝えておくと、それが実現する可能性が高まると思います。


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IBPプログラム

米英の名門大学で学び、働く1年間。

大学での英語研修やビジネストレーニング、学部授業受講によって9ヶ月間、基礎力を身につけた上で、約3ヵ月欧米企業でのインターンシップに臨みます。「学ぶこと」と「働くこと」の最適なバランスを追求し、これまでに累計2700名を輩出したビジネス留学。「大学+インターン」留学でなりたい自分がみつかります。

対 象:社会人・大学生
渡航国:アメリカ(シアトル)、イギリス(ロンドン)
期 間:1年間