IBPプログラム・ウエストミンスター大学コース

就活に必要なのは「自己分析」
IBPは1年かけて自分を見つめ直すいい機会でした

インターン期間:2008年9月〜2009年8月
参加コース:IBPプログラム・ウエストミンスター大学コース(IBP UK 39期)
インターン先:CPRE London(環境保護団体)

1987年横浜生まれ、札幌育ち。北海道大学法学部法学課程3年生。大学3年の前期が終わったところで、休学してIBPに参加し渡英。留学後は大学3年に 復学し、大手商社から内定を獲得。


ロンドンのど真ん中、ピカデリーサーカス

インターン先のオフィスの近く

無料イベントの野外劇。気軽にアートに触れられるのもロンドンの魅力です

リージェント運河。晴れた日の運河沿いの散歩は最高!

ブルガリアで訪れた山にはローマ時代の城壁が残っていました

ビルケナウ(アウシュヴィッツ第二強制収容所)では、現地で知り合った人たちと一緒に見て回りました

Q:IBP参加の動機を教えて下さい。

A:高校の時から留学に興味があったのですが、大学の交換留学にはTOEFLのスコアが足りず、あきらめかけていました。就職活動に動き出さんとしていた大学3年春、なんとなく「このまま社会に出ていいのだろうか?」と思っていた時に、IBPの奨学金応募のポスターに出くわし、思い切って飛び込んでみようと決めました。インターンまで経験できる内容だったので、就職する前の就業体験になればいいという気持ちもありました。

Q:ウエストミンスター大学を選んだ理由は?

A:当時のブッシュ政権の外交姿勢からアメリカに反感があったのと、NGOの本場であるイギリスでインターンをやりたかったからです。あとは、それまで勉強していたのはアメリカ英語だったのでQueen's Englishに触れてみたかったから。それから、アメリカよりは食べ物がマシかもしれないという幻想もありました。

Q:特に興味深かった授業は何でしたか?

A:企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)の授業が面白かったです。効率性や機械化ばかりを追求する現代の企業活動に警鐘をならすものでした。たとえば、かさ増しした鶏肉をスーパーで安く売ることについて、安くて手を出しやすいものを提供することもある程度必要だし、食べる人の健康も考えなくてはいけないし、バランスをどうするか?というような内容でした。イギリスのスーパーの活動なども垣間見ることができ、興味深い授業でした。

Q:苦労した授業は?

A:「Introduction to Third World Studies」という開発経済の授業は、ゼミもあったのでプレッシャーがありました。課題にプレゼンもあり、準備のために1週間くらい図書館に通いました。

Q:留学前と後で、語学力はどれくらい伸びましたか?

A:TOEIC895→980。在英中に英検1級の1次(筆記)を、帰国後に2次(面接)を合格しました。英検はICCロンドンの方にエッセイの書き方などを見ていただきました。

Q:留学中の滞在方法は?

A:寮で生活しました。大学院生がほとんどの寮だったので比較的落ち着いた雰囲気で、試験前にはみんなかなり勉強していて刺激になりました。寮生活で印象的だったエピソードは、日曜日の朝7時、物音に目覚めると、ナイジェリア人のフラットメイトがバスルームでラジオを大音量でかけながら、これまた大音量で歌っていました。脱力しました。

Q:留学中、どのように生活を楽しみましたか?

A:ヨーロッパをあちこち一人旅しました。アウシュヴィッツ強制収容所跡を訪れた後に、夜行列車でポーランド人の同年代の女の子と乗り合わせ、朝4時頃から彼女が列車を降りる朝7時まで、お互いの文化について話したのが印象に残っています。彼女が持っていたゲイシャについての誤解を解きました。

Q:インターン体験について教えてください。

A:CPRE Londonという環境保護チャリティをする団体でインターンしました。大ロンドンと周辺の環境保護運動を行い、寄付を募りながらイベントやニュースレターで情報を発信しています。私の担当はWebサイトのコンテンツをメインに、イベントで集めたアンケートの集計(手書きだったので判読にひと苦労…)、メンバー向けセミナーでの雑用をやりました。
また、私が食糧生産に関心があることをボスが気にかけてくれ、「地産地消」をテーマにロンドン周辺でどんな取り組みがされているかのレポートを書くようすすめてくれました。レポートを書くにあたって、ロンドンで関係者向けに開かれるセミナーにも参加させてもらうことができ、実際にイギリスのスーパーの人や学識者の話を聞く機会をいただきました。

Q:インターン体験で何を得ましたか?

A:ロンドン人が環境保護にどんな思いを持っているかに触れられたのが良かったです。食や環境保護に対して、ロンドン市やNGOがどんなことがしているかという知識を得ることができました。おもしろかったのは、イギリスでもお茶を淹れてあげることが職場の大切なコミュニケーションになっていること。たまたまタイミングが合わなくて、ずっと自分でお茶を淹れていたら、ボスから「次に飲む時は僕が淹れるから!」と言われました。

Q:現在は就活進行中とのことですが、どんな状況ですか?

A:就職活動は、帰国後、大学3年に復学した9月からすぐに始めました。「世の中の仕組みづくりに関わる」ということを軸に、総合商社と金融機関を中心に行っています。面接などでは、留学中のエピソードは話のタネにもなるし、話していて自分でも楽しいです。留学先でさまざまな価値観に触れて広い視野を持てるようになった、相手を受け容れる姿勢が養われた、というようなアピールをしています。

Q:大学3年時に留学したのは、就活スケジュールを考慮してのことですか?

A:大学3年前期終了時に渡英しましたが、完全に就職活動のためです。休学せずにロンドンから日本の就職活動をしている子たちは、スケジュール管理など本当に大変そうでした。留学している学生の都合を考慮してくれる企業ばかりでもないようでしたし、面接のために一時帰国などが続くと体力的にもきついと思います。私の場合は留学後、すぐに切り替えて就職活動に入れたのがよかったです。また、日本の大学で同期の友人たちは就活を終えていたので、アドバイスを聞けたこともよかったです。

Q:花田さんの実体験を踏まえ、留学生の就活についてアドバイスをお願いします。

A:留学中に、並行して日本の就活を進めるのは相当覚悟がいるので、私はおすすめしません。それよりも、留学を自分を見つめなおす機会ととらえて「自分はどんな人間なのか」「どんなことに興味があり、どういうことに価値を見出すのか」ということをじっくり考えるのがいいと思います。私は人との出会いによって、人とのつながりの中での自分や、世界の中での日本など、それまでになかった視点を得られたので、自分という人を多角的に見つめるにはとてもいい機会でした。就活をしていて、企業研究や小手先の技術よりも結局は自己分析が大切なんだなぁと感じるので、1年かけてそれをやるくらいの気持ちで良いのでは。

Q:留学体験は、花田さんの価値観やキャリア形成にどのように影響しましたか?

A:留学前は「大学を出たら普通に就職して、その企業で一生働くことになるのかなぁ」と漠然と思っていましたが、ロンドンで出会った社会人の友人たちは次々に転職するのが当たり前だと考えていて、新鮮でした。実際、私がいる間に新しい職に就いた人や、勉強のために休職に入った人がいて、もっと自由に考えていいんだと気付きました。また、人と人の距離感が絶妙で、移民や階級社会、目まぐるしい人の移動などを抱えて、ロンドンはこうしてバランスをとっているのだなぁと感じました。

Q:今後の展望や将来の夢を教えてください。

A:せっかくイギリス英語を少し身に付けたので、これからも私の英語のベースはイギリス英語にしたいなと思います。就職は、何か世の中に「仕組み」を作り出していけるようなことがしたいなぁと漠然と考えています。

Q:IBP参加を希望している方々に向けて、メッセージを。

A:「1年間はあっという間だから積極的に楽しんでね!」とは、私がIBPに行く前にあちこちで言われたことですが、本当にあっという間でした。その「あっ」がからっぽに終わるか、人生を変える発見や出会いであふれるかは本当に自分次第なので、ぜひ目的意識を持って楽しんでください!

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IBPプログラム

米英の名門大学で学び、働く1年間。

大学での英語研修やビジネストレーニング、学部授業受講によって9ヶ月間、基礎力を身につけた上で、約3ヵ月欧米企業でのインターンシップに臨みます。「学ぶこと」と「働くこと」の最適なバランスを追求し、これまでに累計2700名を輩出したビジネス留学。「大学+インターン」留学でなりたい自分がみつかります。

対 象:社会人・大学生
渡航国:アメリカ(シアトル)、イギリス(ロンドン)
期 間:1年間