IBPプログラム・ワシントン大学コース

インターン先のコンサルティング会社に就職し、
プロジェクトマネジメントを担当

留学期間:2009年4月〜2010年3月(UW40期)
留学先:IBPプログラム・ワシントン大学コース
インターン先:The Pacific Institute(コンサルティング)

1985年生まれ、岡山県出身。京都大学文学部(美学美術史学専攻)卒業後、株式会社帝国ホテル入社。退職してIBPに参加し、ワシントン大学に留学。インターンシップ先の会社では翻訳業務に従事し、プログラム修了後もビザのステイタスを変えてインターンシップ先に就職した。


インターンでの仕事を通して、アジア人としての自覚が強くなった

定期的に開かれる会社主催のセミナー。ダウンタウンのウェスティンホテルにて

セミナー後に開かれるCEOのホームパーティー。同僚のShuming、スーパーバイザーのBarbie、Mike、娘さんのJaclynと

ルームメイトのLeq、Nobuko、Youngjae、友人のYasuo、Carloと自宅にて

シアトルシンフォニーの本拠地べナロヤホール。大学時代にオーケストラでオーボエを吹いていたこともあり、シアトルシンフォニーのコンサートにはよく行きました

シアトルマリナーズの本拠地セーフコフィールド。イチローのいるマリナーズの試合観戦は楽しみのひとつ

サンフランシスコマラソンに参加し、人生初のハーフマラソンを完走しました。IBP41期のAki、Shogoと

会社のあるウェストシアトルからダウンタウンを臨んで

会社への通勤に使う水上タクシーのクルーFrank、Alexと

Q:留学前はホテルにお勤めだったそうですね。

A:大学卒業後、帝国ホテルに就職しました。現場の理解を深めるため、バーやVIP客のアテンダントなど多様な部署に配属されて、カスタマーサービスとホテルマネジメントを実地で学び、一流ソムリエの教示のもとワインエキスパートの試験を受けるという面白い経験もしました。航空会社のクルーをはじめ、外国からのゲストや外資系ホテルの役員と話すこともあり、仕事で英語を使う機会がありました。

Q:休職して、留学しようと思われたのはなぜですか?

A:若いうちに、好きな英語の運用能力をもっと伸ばしたいというのが一番の理由です。コミュニケーションを取るのに困ることはありませんでしたが、英語圏で生活することで、その文化や価値観を経験し、言語の運用能力の幅を広げたいと思いました。

Q:それまでに留学の経験はありましたか?

A:卒業論文をフランス美術について書いたので、大学4年生の夏休みに、美術館巡りを兼ねて1ヶ月間、パリ第4大学が提供するフランス語のサマーコースに参加しました。英語圏への留学は、IBPが初めてです。

Q:なぜIBPプログラムを選ばれたのでしょうか?

A:インターンシップが含まれていることが大きな魅力でした。学生として留学するだけでは得られない経験とコネクションを期待しました。アメリカのプラグマティックな文化を存分に味わいたいと思い、ワシントン大学を選びました。

Q:1年間の留学で達成しようと思っていた目標は?

A:通訳翻訳業務に興味があり、その技術を専門的に勉強したいと思っていました。そのために必要な英語力の土台を築き、文化を吸収すること、インターンシップを足がかりとしてアメリカでのネットワークを築くことが目標でした。

Q:印象に残っている授業はどんな内容でしたか?

A:ELPの中では「Film」という映画が観られる授業が楽しかったです。課外活動で、先生やクラスメイトと一緒に映画館へも観に行きました。IBEPのビジネスレターやメールを添削してくれる授業は、ビジネスライティングに自信を持たせてくれました。BUSIPは、講師が外部からの企業人という点が面白かったです。

Q:授業などで、日本の大学と違いを感じたことはありましたか?

A:日本の大学では、ゼミなど少人数のクラスでは学生と教授が同じレベルで議論を重ねることがありますが、大人数の講義ではあまり見られません。アメリカでは人数にかかわらず質問や発言があり、授業がより双方向的で一体感があるように思います。
また、美術史の授業をとっていた友人は、何という画派の誰が、何を主題として何年に描いた、何という題名の絵かを熱心に暗記していました。日本の大学の美術史の試験では、主題や作家、社会情勢や他の作品との比較などを絡めて小論文を書く場合が多かったので、そのようなアプローチの仕方の違いは面白かったです。

Q:現地での滞在方法は?

A:最初の3ヵ月はショアラインというところでホームステイをしました。その後、大学近くにアパートを借り、ルームシェアを始めました。契約期間の下限のために住む場所が見つかりにくい短期滞在者を受け入れて来たので、これまで一緒に住んだルームメイトの数、総勢10人。アパートのマネージャーが神経質な人だったので、テナントとして精神的にきつい時もありましたが、ルームメイトと家具を買いに行ったり、一緒にお鍋をつついたり、とてもいい思い出ができました。

Q:インターンシップではどのような仕事を体験しましたか?

A:インターン先は、The Pacific Instituteという、認知心理学に基づくビジネスコンサルティングや教育プログラムを提供する会社です。この会社のプログラムは、ボーイングをはじめ、フォーチュン500社の60%以上が採用しており、国防総省やオリンピックの水泳チーム、ワシントン大学も顧客です。IBEPのEntrepreneurshipクラスが、授業の一環で会社見学に来ました。
また、教育制度が十分に確立していない地域へ無償で教育プログラムの提供を行うなど、人間開発にも力を入れています。世界各地にプロジェクトディレクターがいるのですが、私はプロジェクトディレクターをまとめるプロジェクトマネージャーとして、主に日本でのプロジェクトの統括、報告、必要な書類や書籍の翻訳業務を担当しました。

Q:インターン体験でどんなスキルが身に付いたと思いますか?

A:プロジェクトマネージャーを対象としたミーティングが定期的に行われますが、世界各地にいるプロジェクトディレクターやビジネスパートナーをどのようにまとめるか、遠く離れていてもチームとしてより近く感じられるようにするにはどのようにしたらいいか、などを学びました。基礎的な英語でのコミュニケーションスキルやマネジメントスキルはもとより、人材開発や人的ネットワークなど、「人」に重点を置く会社の前向きな気風は、今後どのような分野で働くにしても生かせるものだと思います。

Q:プログラム修了後、インターン先へ就職されたそうですね。

A:3クォーター目からインターンシップを始めたので、プログラムが終了する頃には半年働いていたことになります。もともと大学院進学を考えていたのですが、だんだんと任される仕事の量も増えていき、内容も充実していたので「進学を少し先に延ばして仕事を続けたい」と思っていたところ、会社から「もう少し働かないか」とオファーをいただきました。FビザからJビザに切り替えるために一度帰国して大使館面接を受け、シアトルに帰ってきました。

Q:今後のキャリアビジョンを教えて下さい。

A:業務の一環で翻訳をする機会が多く、もっと効率よく、的確で美しい訳ができればと思うことはよくあります。近い将来の目標としては、大学院で通訳翻訳の技術を専門的に勉強しようと思っています。長いスパンでの将来の夢は、アジア地域の格差是正と発展につながることができればと思います。

Q:IBP留学やインターンシップの経験は、ご自身にどんな変化をもたらしましたか?

A:人は価値観が共有できると居心地がよいので、半ば無意識に価値観の似通った者同士で固まって、その結果、視野が狭くなってしまうことがあります。アメリカという多様な価値観が共存している社会で生活したことで、以前より寛容でたくましくなったかもしれません。当たり前のように母国語と英語を操るマルチリンガルの移民の友人との出会いは、第2外国語として英語を学んでいる日本人の私が、どのように英語を社会で生かしていけるか、何が私の強みなのか、どうすれば社会の役に立てるのかといったことも考えさせてくれました。
インターンでは、グローバルに展開する企業の数少ないアジア人社員としてアジア地域のプロジェクトに関わることができ、一アジア人としての意識をいい意味で強めてくれました。

Q:IBP参加希望者へのメッセージ、アドバイスをお願いします。

A:大学の授業とインターンシップの両方を経験できるのは、知り合う人のバラエティーも広がり魅力的です。これをきっかけにして、自分の行動次第でいくらでもチャンスを広げることができるプログラムだと思います。

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