IBPプログラム・ウエストミンスター大学コース

「自分の仕事は自分で作る」仕事の基本を実感しました

留学期間:2008年4月〜2009年3月(UK38期)
留学先:IBPプログラム・ウエストミンスター大学コース
インターン先:brook(NPO)

1986年生まれ、第17回テンプスタッフの奨学生に応募し、東京大学教養学部3年次に休学してIBP英国コースに参加。帰国後は復学し、1年後に国家公務員採用I種試験の法律職区分に合格。厚生労働省への採用が内定している。


大学の研究テーマに沿ったインターン先を探した

ブラジル、韓国の友人たちと開いたホームパーティ

東京大学で「若者と性」をテーマに社会学を専攻していた金子さんは、インターンシップ先を決める際も、NHS(国営医療サービス)など、自分の研究テーマに直接関係するような職場を希望していたそうです。粘り強く交渉を続けた結果、brookという若者の性に関する健康クリニックをイギリス全土で展開する組織のヘッドオフィスを紹介されました。
ちょうどその時期に、若者と性をテーマにしたシンポジウムが開催されることになっており、金子さんは準備スタッフとして関わることになりました。brookが提供するヘルプラインを、シンポジウム会場でPRするためのリーフレットなどの作成を担当。「企画を練るところから任され、広告業界の優秀なスタッフとともに仕事ができ、とてもやりがいのある毎日だったのですが、ふと、与えられた仕事しかしていないことに気がついたんです」。

自分の仕事は自分で作る

休みを利用して国内外を旅行した

自分で仕事を作ることが大切だと気づいた金子さんは、予算の関係であきらめていたPR動画を自分で制作することを思い立ちました。ボランティアの俳優やスタッフを募り、ヘルプラインに電話をかける若者を主人公にしたドラマの脚本を依頼し、撮影や編集を自らこなして、約10分の作品を完成させたのです。「この経験を通して、仕事観が変わりました。留学生活の中で一番悩み、苦労した末に得た実感です」。
シンポジウムでの活発な意見のやりとりや、若者たちの生き生きとした主張に触れたことも、「日本はどうなのだろう?」という問題意識を高めることになりました。こうした貴重な経験を通して、社会人として働く意味や姿勢を体得したそうです。

留学、インターンの経験を、日本で生かしたい

イタリアから来ていた55歳のクリスティーナとは親友になった

金子さんが企画から制作までを担当したPRツール

日本に帰国し、大学に復学した金子さんは、卒業後は、厚生労働省に入って働きたいと考え始めました。
「国の仕組みや地盤を作る仕事に関わりたい、その動きを目の当たりにできる職業に就きたいという気持ちから、国家公務員を目指すことを決心しました。せっかく留学して学んだものがあるのだから、持ち帰って生かさなければもったいないという気持ちもありました」。
インターンシップ先の選択から帰国後の就職まで、一貫して自分のテーマを追求した金子さん。
留学では、ものごとに動じず、現状を打開する力も身に付けたと言います。
「ハプニングに遭遇したり、孤立感にさいなまれた時にもへこたれず、新しい局面を切り開いていく力や、どうにかなると考える明るさを身に付けました」。

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