IBPプログラム・ワシントン大学コース

新聞社でインターンを経験し、指示を待つのではなく、
自分から提案していく姿勢が身につきました

留学期間:2008年4月〜2009年3月(UW38期)
留学先:IBPプログラム・ワシントン大学コース
インターン先:Real Change News(NPO)、ジャングルシティネットワーク、北米報知(マスコミ)

1985年生まれ、京都府出身。早稲田大学卒業後にテンプグループ・ユース・インターナショナル・スカラシップで、IBPワシントン大学へ留学。ワシントン大学在学中は、早くからメディア業界を中心に複数のインターンシップを行い、新聞記事を執筆するなどして活躍。プログラム終了後は、インターンシップ先のジャングルシティーネットワークに就職。


留学を経験して、人生が180度変わりました

ショート・フィルムを撮影しているところです。演技も全て自分たちで行います

現地の小学校で、日本文化を紹介するプレゼンテーションを行ったときのものです

現地の KOMO TVの見学ツアーに行きました。日本のテレビ局でインターンをしていたことがありますが、雰囲気が全く違っていて驚きました。特に女性スタッフが、現場でワンピースにヒール姿で働いているのが印象的でした

シアトル・マラソンの開始前。北米報知の方に応援に来ていただいたので、腕に会社名を書いてアピールしています

夫です。いつも本当によく支えてくれています

Q:スカラシップ応募のきっかけを教えて下さい。

A:もともと海外留学に行きたいと思っていたのですが、費用がかかるので、大学時代は親が賛同してくれませんでした。その後、就職活動で希望していた記者職に就けず、落ち込んでいた時に、偶然母親が新聞で広告を発見して、スカラシップへの応募を勧めてくれました。

Q:留学の目的は何だったのでしょう?

A:英語を身につけるというよりも、弱点を鍛えたいと思っていました。私の弱点は、人前で意見をうまく言葉にまとめるのが下手なことです。発表や討論も苦手でしたので、場数を踏む必要がありました。後は、書くことです。記者になる夢を諦めきれなかったので、将来に結びつくようスキルを磨きたいと思いました。

Q:日本の大学と比べて、違いを感じたことはどんなことでしたか?

A:日本では受動的に授業を受けることが多かったですが、IBP留学中は、他の生徒が積極的に意見する様子にとても刺激を受けました。先生は同じ場所に立って講義するというのではなく、あちこち動き回ったり、ワークショップを取り入れたり、生徒を能動的にさせるよう指導してくれます。人前で発表する機会が多いので、課題点だった人前でのプレゼンテーションにも慣れました。

Q:なかでも特に印象に残っている授業は?

A:BUSIPの期間中にあったNegotiationの授業です。大企業、ベンチャー企業、政府などの小チームに分かれて、それぞれが利益や社会状況を考えながらビジネス戦略を立て、合併や業務提携などを経ながらビジネス交渉を実践的に学びます。さまざまな社会的要素がビジネス交渉に関わることを学び、ニュースも多角的に読むようになりました。

Q:留学中、勉強以外に熱中していたことは?

A:趣味がランニングなので、地元のランニングクラブに参加していました。趣味が同じだと共通の話題も多いので、とても居心地が良かったです。シアトルはサイクリングコースが充実しているので、走り甲斐があります。11月にはシアトルマラソンにも参加しました。

Q:1学期目にExperimental CollegeのFilmmakingのクラスを取ったり、新聞社でインターンを始めたり、早い段階から精力的に活動されたそうですね。

A:Experimental CollegeのFilmmaking Classを受講したのは、アメリカ人と授業を受けてみたかったからです。実際に授業を受けてみると、先生の話すスピードがとても速くて何を言っているかさっぱり分からず、IBPのクラスで、先生がいかに分かりやすい言葉を選んで話しているかを思い知って、初日は本当に愕然としました。
 ただこのクラスはショートフィルムを製作するという授業で、ほとんどが実習だったため、同じものをつくり上げる達成感を通して、他の生徒ととても仲良くなれました。英語に関しては、正しい言い回しや表現方法を、一番実践的に学んだクラスだったと思います。
 新聞社(北米報知)は、偶然知り合った人が元社員で、紹介して頂きました。英語と日本語の紙面があるので、記事も両方で書かせてもらうことができて、これは後のインターン先での仕事にもつながりました。英語の記事を日本語に翻訳する作業では、英語の記事と日本語の記事の違いを学びました。

Q:NPOでのインターン体験についても教えて下さい。

A:Real Change NewsというNPO団体で、低所得者層にReal Changeという新聞を路上で売る仕事を与え、彼らが自立して生活するための援助をしています。私はReal Change Newsを路上で知りましたが、日本でも The Big Issueという同様の雑誌を読んでいたので、とても興味を持って「具体的に仕組みを知りたい、ここでインターンをしたい!」と思いました。今まで外国人留学生のインターンを受け入れたことのない団体でしたが、先生に頼んで自分でメールを送り、いかに自分がReal Change Newsに興味があるか、またインターンの経験を将来にどう結びつけたいかを伝え、面接にも、北米報知で書いた英語の記事を持参してアピールしました。その結果、編集アシスタントとして受け入れていただけました。

Q:そのインターン体験で得たものはどんなことでしたか?

A:自分で仕事を探すことです。編集アシスタントとしてインターンを始めたものの、初めに任されたのは、データ入力や過去の新聞整理などでした。特に新聞の整理を任された時は「このままインターン期間が終わったらどうしよう」と不安になりましたが、新聞を読むうちに、何が記事になっているか、英語の記事はどういう風に構成されているか、などを学びました。そこで、今度は自分で取材対象を探し、仕事の合間に取材して原稿を書いてはスーパーバイザーに持って行くようにしました。最後には私の記事が新聞に載って、本当に嬉しかったです。指示を待つのではなく、自分から提案していく姿勢を身につける大きなきっかけになりました。

Q:ほかにボランティアやインターンをされましたか?

A:ノースウェストの日本語情報サイトを運営しているウェブ製作会社のジャングルシティ・ネットワーク社で、半年間、映画レビューのインターンをしました。他には、地元の小学校を訪れて日本文化を紹介するプレゼンテーションを行ったり、地元の高校の日本語クラスを訪れて、日本語教師のアシスタントをするボランティアをしたりしました。

Q:IBP修了後、ジャングルシティ・ネットワーク社に就職されたそうですが、経緯を教えて下さい。

A:IBPプログラム修了時に、声をかけていただきました。本当に嬉しかったです。現在は、地元のイベントや人を取材したり、映画や舞台のレビューを書いたりしています。インターンの時より責任もやりがいも大きくなりました。思い通りに行かなくて悩むことも多いですが、頑張った甲斐があった時の喜びは大きいです。留学していた時よりももっとシアトルが好きになりました。

Q:IBPの経験は、宮本さんの価値観やキャリア形成にどう影響したとお考えですか?

A:留学前に就職活動をして失敗したという経験があったので、留学中は、とにかく自分に「今後どうなりたいか、今、何が必要か」を徹底的に問いかけていました。その結果、スキルを磨くことに集中できて、今のキャリアに繋がったのではないかと思っています。

Q:留学中に経験した印象深いエピソードは?

A:結婚でしょうか。留学する前は全く想像していなかったことなので、私だけでなく日本にいる親も友人も驚いていました。夫はアメリカ人ですが、出会ったのは私がシアトルへ来て1カ月後です。彼はFimmakingのクラスメイトでした。その頃、私は英語がほとんど話せなかったので、うまくコミュニケーションが取れずに悩んだことも多かったのですが、結果的に英語をもっと話したいという動機づけにもなりました。彼は今も毎日、私の間違った英語を訂正してくれています。

Q:今後の展望や将来の夢を教えてください。

A:プロのライターとして信頼されるよう、もっとスキルを磨かなければなりません。シアトルには魅力が多いので、シアトルで暮らす人がもっと居心地よくなれるよう、一生懸命社会に貢献していきたいと思っています。

Q:ICCへの感想やサポートなどで印象に残っていることは?

A:クリスマスに、カードをいただいたことがとても嬉しかったです。私はあまり相談などをしたことがなかったのですが、メッセージを読んで「ちゃんと見てくれているんだ」と思い、とても心強くなりました。

Q:IBP参加を希望している方々に向けて、アドバイスをお願いします。

A:留学前、人から「留学してもあまり意味がないのではないか」と言われたことがありましたが、結果的に、留学を経験して人生が180度変わりました。大事なことは、人によって留学する目的が違うので、他の人に流されないことです。目的があれば、きっと留学は役に立つと思います。

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