オーストラリア高校留学プログラム

オーストラリアの高校留学で学んだ、「国際社会で生きていくために大切なこと」

参加コース:オーストラリア高校留学プログラム
留学期間:2005年4月〜2007年12月
留学先:Carine senior high school(パース)

1989年生まれ、大阪府出身。2005年4月からオーストラリアに留学。2007年12月にCarine senior high schoolを卒業し、上智大学外国語学部英語学科に進学。去年の夏から今年の夏までの1年間、大学から派遣されてアメリカの大学に1年間留学した。


将来は外交の分野で働きたい!

アメリカ留学中の1枚。留学生クラブです

先日パースへ帰った時に、高校の同級生とプチ同窓会をしました

ハリウッドにて、マイケルジャクソンのそっくりさんと

ハロウィンの衣装選び

友達と一緒に、サーフィンにチャレンジ

高校時代のホストファミリーと

高校の同級生と

去年のハロウィンです

オーストラリア留学当時の1枚

アラスカにオーロラを見に行ったときの写真です

Q:高校留学を決めたきっかけは?

A:中学2年生の夏休みに、オーストラリアのサンシャインコーストへ約2週間の短期留学をしたことが高校留学のきっかけです。約1週間、ホストシスターが通う学校(中学校・高校)へ一緒に通いました。

Q:短期留学で、何かカルチャーショックを受けましたか?

A:生徒たちが親の運転する車で登下校をすること、リセス(昼休み前の中休みのような時間)があること、さまざまな肌の色や髪の色をした生徒がいること…。このようなことだけでも日本の学校と異なり、かなり驚いたのですが、中学2年生の私が一番驚かされたのは、現地で出会った日本人留学生たちが英語でオージーの先生方や生徒さんたちと会話をしていたことです。
私の地元では外国人の方と出会うことはなかったので「日本人が英語で外国人と会話をしている!」ということに大きな衝撃を受けました。しかも彼らは高校生! 現地の生徒と同じ制服を着て、ひるむことなく英語で堂々とコミュニケーションをとっている彼らの姿を見て、中学2年生の私は純粋に「かっこいい!」と思ったのです。その時から「こんな学生生活の送り方もあるんだ!」と、新しい世界が私の目の前に広がりました。

Q:留学先にオーストラリアを選んだ理由は?

A:留学前にオーストラリアに2回行ったことがあったので、留学先はオーストラリアに即決でした。一応他の英語圏も考慮してみたのですが、暖かい気候と自然の美しい環境が好きなこともあり、「オーストラリアしかない!」と強く思い、オーストラリアに決めました。短期留学へ行った際にのんびりしてフレンドリーなオーストラリアのお国柄に惹かれたのも理由のひとつです。

Q:パースはどんな町?

A:一言でいうと、のんびりしている町です。時間の流れものんびり、人ものんびり、動物ものんびり、景色ものんびり。シティを少し離れると高い建物はほとんどなく、青く澄んだ美しい大きな空が広がります。気候も暖かく穏やかで、とにかく住みやすい町です。大都市が好きな方には少し退屈かもしれませんが、自然が好きな方にはぴったりだと思います。オージーはフレンドリーで有名ですが、パースの方たちはとても気さくで優しい方たちばかりでした。知らない人とでも道ですれ違えば「ハイ!」と挨拶を交わしますし、外国人に対してもとても寛容だと感じました。
特に好きだった場所は、ロットネスアイランドです。パースの町からフェリーで30分くらいのところにある、インド洋に浮かぶ小さなホリデーアイランドです。自然保護が徹底していて、ロットネスアイランドにしか生殖しないクウォッカという(小さなネズミのようなカンガルーのような)可愛い生き物も見ることができます。一番のハイライトは真っ青で美しいインド洋ですね。夏はダイビングやスノーケリングが大人気で、沢山の地元の方や観光客が訪れます。パースに滞在中、ロットネスアイランドには3回行きました。何度訪れても飽きません。パースへ行く予定の方はぜひ足を運んでみてください。

Q:留学先の学校の特徴を教えてください。

A:留学先のCarine Senior High Schoolは、パースの町から電車で20分くらいの場所にある中規模の公立高校でした。学校の紋章がイルカであることからもわかる通り、ビーチにも近く、サーフィンのクラスもありました。美術や体育にも力を入れており、文武両道を実現しやすい学校であったと思います。生徒も明るく元気いっぱいの生徒さんたちが多く、先生方も親切でした。他校に比べて留学生の数はあまり多くはなかったと思います。留学生のための英語のクラスでは同じ学年に私を含め日本人が4人、ドイツ人が3人、韓国人が2人、南アフリカ人が2人、スイス人が1人、香港人が1人、インド人が1人の計14人でした。現地の生徒さんたちも、留学生を特別扱いすることなく、輪の中に入れてくれたので、現地の生活を楽しむのにはとても良い環境だったと思います。

Q:英語力アップのために、どのような努力をしましたか?

A:現地に行ってからは「英語が聞き取れない!伝わらない!」の連続で、今考えるとよくあんな英語力で生活できていたなと思います(笑)。やはり現地に行って、日本で習った中学生の語彙力じゃ理解できることが少ないなと実感し、ホストファミリーが発した言葉でわからないことがあれば、ゆっくり話してもらったり、説明をしてもらうようにしたりしていました。最初はどこに行くにも電子辞書は必須でしたね。毎晩夕食の際にも辞書を片手にテーブルについていたのを覚えています。ゆっくり質問ができる雰囲気ではないときは、聞いた音をカタカナでパパっとメモをし(スペルもわからないので)、後で自分なりにカタカナをアルファベットのスペルに書き換えてみて、電子辞書で日本語訳を探しました。
でも、一番の勉強法はとにかく「話す」ことだと今でも思います。どんどん聞いて、どんどん話して、どんどん間違えて、いろんな人の英語を聞き、自分の英語も直してもらいましょう! 間違いを恐れず、相手に「あなたとお話がしたい」という意思が伝わるようにすれば、聞き手も一生懸命話を聞いてくれます。

Q:オーストラリアと日本の学校には、どんな違いがありましたか?

A:一番の違いは「個性」だと思います。日本の学校は校則が厳しく、みんなと違うことをするのは勇気がいること、できればみんなと違うことをして目立ちたくない、といった考えを持った人が多いと思います。反対にオーストラリアでは、みんなと同じで個性がない、ということはどちらかというとネガティブに捉えられていると思います。オーストラリアでは同じように制服はあっても、みな授業中に発言をしたり、特技をどんどんみんなに披露したり、「自分はこうゆう人です!」という個性を恥ずかしがらずに、オープンに話せる環境があると思いました。先生方も生徒の多様性を寛容に受け入れてくれます。生徒がどんなに的の外れた(変な)質問をしても、否定せず、勇気を出して質問をしたという行為そのものを褒めてくれるので、自分という個性を恐れずに出していくことができる環境があると思いました。

Q:学校やホームステイ先で、カルチャーショックを受けたことはありますか?

A:一番はオーストラリアの水事情です。日本ではきれいで清潔な水が温水でも冷水でも、好きなだけ使えるのが当たり前ですよね。でもオーストラリアでは違います。暖かく、晴れの天気が多い代わりに、降水量が少ないのです。水不足は彼らにとって大きな問題であり、水は彼らにとってとても貴重な資源です。シャワーは5分以内、水は毎回止める、庭の水やりにも制限あり。どんな理由であっても、出しっぱなしなんてもってのほかです。以前、私が日本にいる感覚でりんごを洗っていると「水がもったいない」と言われたことがありました。そこで「農薬がついてて体に良くないよ。食べる前に洗わなきゃ」と言うと「水を使わなくてもきれいにできる方法もあるよ」と言って、着ている服を使って、りんごをキュッキュと拭いて見せてくれた人もいました。そんな少しの量の水でももったいないと言うの?と驚きましたが、布を使って農薬を落とせばいい、というエコな考えに「なるほど!」と新たな発見をした気分になったことを覚えています。

Q:留学先で好きだった科目は?

A:ESL(留学生のための英語の授業)とダンスの授業です。ESLは参加生徒全員が、英語が第2言語という子ばかりなので、文法がおかしかろうが、アクセントが強かろうが、安心して授業中に質問や発言ができました。授業内容もオーストラリアのことについてだったり、時事問題であったり、自分の興味のあることについてのプレゼンテーションであったり、比較的興味のそそられる授業内容だったので楽しかったです。留学生同士は苦労もわかり合えますし、自分と同じように英語が母国語でない人が近くにいる、ということだけでかなり落ち着きましたね。
ダンスの授業は、英語がネイティブのように話せないということに劣等感を持たなくてよかったので、純粋に楽しめました。普段取っている授業では会うことのできない友達もでき、とても楽しかったです。運動不足になりがちだったので、ダンスのクラスは良い運動、気分転換でした。

Q:苦労した科目は何でしたか?

A:オーストラリアの高校では自分の好きな授業を選べるので、嫌いな科目はありませんでしたが、苦労したのは地理学です。オーストラリアの地形や気候などについて学ぶのですが、出てくる単語がバラエティに富んでいて、自分の単語力の無さを常に実感していた授業でした。単語の意味がわかっても、オーストラリアの地理事情に現地の子たちに比べあまり詳しくなかったので、点と点が繋がらず「?」となってしまうことも時々ありました。でもオーストラリアに関する知識が増えて、ためになる授業でもありました。

Q:日本の高校にはないユニークな学校行事や習慣を教えてください。

A:なんといってもSchool Ballです。高校3年生が参加するダンスパーティなのですが、男の子はスーツで、女の子はドレスで、めいいっぱいおめかしをして会場へ向かいます。ドレス選びから当日の髪型、メイク、一緒に行くパートナー、リムジンの手配など、数ヶ月前から女の子の話題はSchool Ball一色になります。パーティー自体も楽しかったですが、当日までの過程が一番ワクワクして楽しかったです。友達と週末にドレスやアクセサリーを探しまわって試着をしたり、ホストブラザーにSchool Ballの写真を見せてもらったり。当日はガーディアンさんや近所の方が家に来て、私の写真を撮ってくれました。今でも考えるだけで笑顔になれる良い思い出です。

Q:ホームステイ先の家族構成は?

A:ホストファザー、ホストマザー、同い年のホストブラザー、4歳年下のホストシスター、猫2匹でした。とても明るく元気なファミリーで、留学生の受け入れは私が初めてで戸惑うことも多かったと思うのですが、いつも優しく接してくれました。
私が高校を卒業して日本に帰国する前日は、全員で写真を撮った後、ホストファザーが「奈央佳の部屋はいつもここにあるからね」と言ってくれました。どんな時でも味方でいてくれ、いつも笑顔で暖かい心で接してくれたこと、いろいろな思い出が蘇って、この時ばかりは涙が止まりませんでした。
日本に帰国してからも、メールで連絡を取りあったり、毎年クリスマスにはプレゼントを交換し合います。いつか私が自分の家族を持つことになった時、パースのホストファミリーに紹介することができたら素敵だなと思います。

Q:日本の大学に進学されましたが、留学先での受験準備はどのように進めましたか?

A:帰国子女受験過去問を解くことをメインに対策をしていました。日本語の小論文と英語のエッセイが苦手だったので、小論文は添削をしてくれる通信教育を利用し、英語のエッセイは過去問に出題されたトピックを1日1つ、試験と同じ時間配分の約30分で書き上げる対策をしました。

Q:大学に進学して、高校留学体験が活きていると思うのはどんな時ですか?

A:帰国子女や海外に興味を持っている学生が多い大学なので、高校留学体験が特別だなと日々の生活の中で実感をすることはありませんが、英語関係の授業には不自由することはありませんし、ほとんどの大学で必修とされている第3言語の学習も比較的スムーズにこなすことができます。大学にはさまざまな国から来た留学生がたくさんいるので、彼らの大変さも解ってあげられますし、英語が話せるとお友達も作りやすいですね。

Q:アメリカの大学に1年間留学されたそうですね。

A:大学の交換留学で、大学3年生の秋から4年生の夏まで、アメリカカリフォルニア州にあるSanta Clara Universityに留学しました。アメリカでの大学生活で高校留学とまず違ったのは、ルームメイトがいたことです。アメリカの大学では大半の生徒がキャンパス内の寮に住みます。私は誰かと同じ部屋に住むということが初めての経験で、最初にルームメイト同意書という契約書のようなものをルームメイトと一緒にチェックし、2人の中で問題が起こったらどうするかなど、さまざまな項目について、担当の方を交えて話をするシステムに驚きました。大学寮に住むといっても、門限などは全くなく基本的に自由な生活です。しかし、自由の中には必ず責任が生じます。同じ部屋に住むルームメイトだからこそお互いを尊重し合う、2人の部屋なのだから物は大事に扱うなどの責任感を常に持つことが重要だと寮生活を通じて感じました。

Q:将来の夢について教えて下さい。

A:将来は外交の分野で働きたいと思っています。日本とオーストラリアを繋ぐ仕事ができれば最高です。

Q:振り返ってみて、高校留学によって何を得たと思いますか?

A:高校留学によって、広い視野を得ることができたと思っています。異なる文化や考え方に触れることによって、「物事に正解なんてない」と考えるようになりました。生まれた国も、話す言葉も、口にしてきた食事も、育ってきた文化的背景も違えば、解り合えないことがあっても当たり前です。自分と異なる考えや価値観を持つ人を良いか悪いかと思うのは個人の自由ですが、否定をするようなことは決してしてはいけないと、私は高校留学を通じて学びました。

Q:オーストラリア高校留学を目指す人たちへ、アドバイスをお願いします。

A:高校留学は、高校生だけが体験できる貴重な体験です。外国の学生と同じ学校で、同じ制服を着て、同じ教室で机を並べ、対等に意見を言い合える環境なんてなかなかありません! ぜひ勇気を出して新しい世界へ飛び込んでみてください。辛いこともあるかもしれませんが、留学先での新しい発見や喜びが、いつか「人生の宝物」の時間になります。一生付き合っていける友達を得たり、好奇心を刺激し続ける醍醐味が高校留学にはあります。高校生でいられる3年間の素敵な時間を、ぜひ海外で過ごしてみてください! Good Luck and Have Fun!!

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