アメリカ大学留学

大学3年次に、専攻を経営学から変更
マーケティングと広告マネジメントを学ぶ

留学期間:2007年9月〜2011年12月
参加プログラム:アメリカ大学留学
留学先:ポートランド州立大学(オレゴン州)

1987年生まれ、兵庫県出身。オーストラリアへ高校留学し、卒業後に渡米してポートランド州立大学に進学。マーケティングとアドバタイジング マネジメントの2つを専攻した。卒業後日本に帰国し、2012年4月会社より国内メーカーに勤務。


苦手な科目を克服するため、週末にクラスメイトと勉強会を開催

学校敷地内の生徒の憩いの場であるパークブロック

パークブロックで毎週末行われるファーマーズマーケット

大学のフットボールチームの試合を応援しているチアリーダー

1年生時にルームメイトと住んでいた寮の部屋

毎週土曜日に大学の敷地内で開かれるファーマーズマーケット。地元の人たちで賑わいます

パワースポットとして有名なセドナ。旅行で訪れ、大地のエネルギーに癒されました

Q:オーストラリアから渡米して進学した理由を教えてください。

A:大学を選ぶ際、オーストラリアに残って大学進学する、帰国して日本の大学に進学する、新しい場所で進学する、という3つの選択肢がありました。私の大学進学の目的が「人間としての幅(行動、人脈、思考など)を広げること」だったのと、大学ではビジネスを学びたいと思っていたので、ビジネスの本場であるアメリカに決めました。

Q:奨学金を受けられたそうですが、どんな条件でしたか?

A:President’s International Scholar Awardという名称(現在はInternational Achievement Scholarship)で、留学生(学士)対象の奨学金です。毎年約30名ほどに、年$4,500が授与されています。返さなくてもいいタイプの奨学金で、高校時の成績(GPA)が最低でも3.5というのが条件です。場合によっては、修士や博士課程の学生も選ばれる可能性があるそうです。

Q:進学した大学の特徴を教えてください。

A:ポートランド州立大学(以下PSU)は1946年創立のオレゴン州内最大の総合大学で、120を超える学位プログラムがあります。学生数は約27,000人で、その内の約1,500名が世界97ヵ国から集まった留学生です。オレゴン州の最大都市の中心地に位置し、働きながら大学に通う学生が多いため、学生の年齢層が一般よりも高めで自立した学生が多いですね。ビジネススクールは州内最大で、都市計画や環境学のクラスが近年注目されています。

Q:大学では2つの専攻を取っているそうですね。

A:もともとの専攻が経営学科だったのですが、必須科目を履修していくうちにマーケティングに興味を持ち始めました。マーケティング分野の一部であるアドバタイジング(広告)もPSUでは専攻できると知り、マーケティングの知識をより深めるために、大学3年になる際に専攻をマーケティングとアドバタイジングマネージメントの2つに変更しました。 この2つの専攻の授業はどれも実践的なプロジェクトが多く、実際に地元の企業のためのマーケティング戦略や広告戦略を考え、企業の方々の前で発表をする機会がたくさんありました。グループミーティングは基本的に授業外に行い、長いミーティングだと1回につき8時間に及ぶこともあって大変でした。一学期間に複数のプロジェクトに同時に取り組んでいたので、タイムマネージメントが大切でしたね。

Q:特に苦労した科目や思い出に残っている授業はありますか?

A:学問的な難しさで苦労した科目といえば、コンピュータサイエンスの授業です。プログラミングを学ぶというビジネス学部生の必須科目で、避けては通れない授業でした。教授のオフィスに通いつめてわからないところを徹底的に克服し、クラスメイトと週末に勉強会を開いてお互いを鼓舞し合っていました。 思い出に残っているのは、マーケティング学科生が一番最後に履修するマーケティング戦略の授業です。グループプロジェクトとして、自分たちが好きな会社を選び、その会社のマーケティング戦略を考えました。私のチームは5人で、飲料メーカーを選びました。そのメーカーの商品を販売する際のマーケティング戦略を考えて60ページのレポートにまとめ、プレゼンしました。飲料メーカーと密にコンタクトを取って商品データを提供してもらい、グループメンバーとは毎日長時間に及ぶミーティングを重ねました。ディスカッションがヒートアップすることも何度もありましたが、ここまでお互いに言いたいことを言い合えたのも信頼し合っていたからだし、みんなの目的が実際に会社に使っていただけるような戦略を考え出すと一致していたからだと思います。

Q:勉強以外に取り組んでいたことはありますか?

A:大学3年次に600人規模の日本文化を紹介する学内イベントを開催しました。資金調達係を担当し、5人の仲間とともに企業協賛を集めることに注力。1ヶ月半という短い準備期間に加えて授業の課題が多かったためタイムマネージメントに苦労しましたが、渉外活動を通して様々な企業と関わることができるのは自分にとってプラスになることだと思い、時間をうまくやりくりしながら仲間と協力しながら取り組みました。その結果、目標金額であった$4,500の協賛金を集めることができ、イベントも大成功に終わりました。このイベントでの経験は、必ず将来の役に立つと思っています。

Q:就職活動はいつ頃から始めましたか?

A:大学3年次の9月から、10月下旬に行われるボストンキャリアフォーラムに向けて準備を始めました。9月中旬から学校の秋学期が始まり、学業と就活の両立が大変でした。準備を早めにすることが大切ですね!
ボストンキャリアフォーラムではメーカーや商社を中心に、時間の許す限りいろんな企業の説明会に参加し、自分の興味のある業界や職種を徐々に見出していきました。レジュメやエントリーシートの内容は、友人に何度も添削してもらいました。自分では具体的に書いたつもりでも、他人が客観的に読むと具体性に欠けることがあったり、逆に同じ事を繰り返し言っていることもよくあったので、第三者の意見はとても参考になりました。内容はできるだけ自分らしさが伝わるエピソードにしぼって、数値などを用いながら具体的に書くよう心がけました。

Q:日本でも就職活動をしましたか?

A:翌年の夏休みを利用して日本に一時帰国し、東京サマーキャリアフォーラムに参加したり、就職情報サイトを活用しながら就職活動を行いました。その後、アメリカに戻って方向性を見つめ直したことで、就職活動の軸がより明確になりました。大学卒業後の就活でステキなご縁に恵まれ、とんとん拍子で内定をいただくことができました。自分をよく知り、就職活動の軸を持つことが大切だということを身にしみて感じました。

Q:就活していて、海外大生であることがメリットだと感じた点、デメリットだと感じた点は?

A:海外進出に力を入れる企業が年々増加傾向にあり、グローバル人材の需要がより高まっていて、企業の説明会で「グローバル」という言葉を聞かないことがないくらいでした。そういった面では、留学経験のある海外大生はトクではないかと思います。 不利に感じたことは、会社説明会に参加できる機会が国内の学生に比べて少ないことです。インターネット上や資料だけでは、なかなかその会社の社風まではわかりません。海外にいると説明会に参加できる機会が減少してしまうというのが不便だなと感じました。

Q:勤務する企業について教えてください。その会社に入社を決めたポイントは?

A:電子機器系の中小企業です。決め手は風通しのよい職場環境でした。直接社長に声が届くところや、社員同士が助け合っている環境がとても魅力的だと思ったのです。以前から「働く環境が自分に合っていれば、どんな仕事でもがんばれる」と思っていたので、この会社に入社して、さらに成長していきたいです。今のところ担当予定の仕事は資材購買ですが、その枠にとらわれずに機械の取り扱い説明書を英語で作成する仕事も任せていただけるようです。様々な仕事をやらせていただけるのも、中小企業ならではですよね。どんな仕事にもどんどん挑戦してみたいと入社前からワクワクしています。

Q:高校、大学と海外で勉強して、自分が成長したと思うことはどんなことですか?

A:ポジティブになって、何事も自己責任と捉えられるようになったことですね。最初の頃はネガティブになってしまうこともあったのですが、「この環境を選んで留学しているのは私。どうせ同じ時間を過ごすならポジティブに過ごした方が絶対に楽しいはず」と思えるようになりました。まわりにポジティブな友達がたくさんいたことも影響しています。そのおかげで、物事は自分次第で変わることを学びました。ホストファミリーとぶつかった時も、私が対処方法を変えることで関係がよくなりました。このことに気づけてポジティブになれたのは、大きな成長だったと思います。

Q:これから留学を考えている学生にメッセージをお願いします。

A:留学は、語学の向上や異文化理解だけではなく、自分の可能性や視野を広げたいと思っている人にとって最適だと思います。海外での生活は容易なことではありません。私も不甲斐なさを感じることが多々ありましたが、できることが増えるに連れて達成感を味わえ、自信を持つことができました。それは留学だけではなく就職活動にも言えることです。初めは思うようにものごとが進まなくても、粘り強く自分を信じて続ければ、いつか必ず素敵な会社に巡り会えるはずです。私の座右の銘は「意志あるところに道は開ける」なのですが、自分の進みたい道を一生懸命進んでいけば、必ずどこか意味ある場所に辿り着けるはずだと信じています。自分を信じて、未来の可能性に向かって突き進んで行ってくださいね。

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