【休学留学インタビューvol.5】映画監督になる夢を 本気にさせてくれた留学


休学留学インタビューの5回目は木村仁さんへのインタビューです。
ホストファーザーが理想の大人像だと語ってくれた木村さん。留学を通して素敵な方々との出会いを経験されたそうです。

木村さんの留学先であるベルビューカレッジではどういった授業を受けましたか?


授業が選択できるのでこの大学を選びました。映画理論を学ぶ授業や、プロが現場で使用するようなビデオカメラを使って実際に撮影をする授業もとりました。


かなり本格的な授業なのですね。実際に履修してみてどうでしたか?


授業は実習重視型だったので、英語をひたすら聞いたり使う、というものではなかったのでやりやすかったです。ただ、同じグループのメンバーが強面な人ばかりで、最初は怖かったです(笑)。日本人と違い、意見が対立するとすぐに言い合いなるのもまた大変でした。でも、やろうと思えば英語でも言い合いができるんだと、自信につながりました!最後はクラスきっての仲良しグループになれたのも、本気で話合いができたからなのかな、と思っています。


創作活動の多い授業だったと思いますが、どんな方が履修していたのですか?


映画を実際に撮る授業では、脚本からアイディア段階まですべて自分たちで行いました。その中で気がついたのは、皆本気で撮影やカメラの世界に興味がある、ということでした。皆クリエイティブな発言ばかりで、会話のテンポもすごく早い。授業に対する意識も高く、僕との知識の差も明らかにありました。授業中に繰り広げられる議論の場になれていなかったので、最初は戸惑いました。


タフな環境そうですね。乗り越えるのは辛かったですか?


正直、授業は苦に感じることもありました。でもそれ以上に、将来プロを目指すならこういった人たちと接しなければならない、という危機感を覚えたことはとても良い経験だったと思っています。成功体験ではないけれど、実力差を目の当たりにして、本気でやりたいと思うに至りました。夜中の12時まで作業した日などは、さすがにしんどいと思うときもあったけれど、将来につながっている実感があったため、続けることができました。

 

プロの横で学ぶことができたインターン


映画監督になりたい、ということでしたがインターンではどのようなことをしていたのですか?


写真スタジオにてオーナーの助手として仕事の全般的に体験しました。光の調整として反射板を持ったり、画像の編集を手伝ったりと本格的な活動もしていました。


動画も撮っていたのですか?


実はそこのオーナー、お茶がとても好きで、そのカタログ制作の一環として、プロモーション用の動画を撮りました。インタビューの質問を考え、実際に撮影もし、機械も本格的なものでした。


技術スキルの他にインターンを通して学んだことはどんなことですか?


オーナーと近い距離感で働けた、ということはとても良かったと思っています。朝食をとりながらミーティングをするのですが、オーナーの経営の考え方や、カメラに対する愛情、また経営者としてのプライドなど、会話の中でビジネスの考え方に触れ深い話をすることができました。こだわりが強い人でしたが、自分を対等な目線で扱ってくれたのもまた良かったです。目上の人とたわいもない会話ができたのはアメリカならではだと思います。

 

築いたホストとの絆、理想の男性はホストファーザー


日常生活について聞かせてください。


僕の生活の基本はホストファミリーでした。若い夫婦で、我が子のように扱ってくれました。ホストファーザーとはとても仲良くなり、いろいろなところに連れて行ってくれたました。ジェットスキーをしに行ったり、ハイキングやジョギングも一緒にしていました。


お互い忙しく、一緒に過ごす時間をつくるのは大変ではなかったですか?


そうですね、三人で食事をすることは少なかったです。その分顔が合わせられるときは意識的に自分からも話しかけていました。自分の部屋にはこもらずに、コミュニケーションをとろうとしていました。


週末は出かけたりしていましたか?


外に遊びに行くことも多かったですが、特別にクラブなどの用事がない限り、家の中にいることの方が多かったです。そうすると、ホストファーザーが外に連れて行ってくれたりして、ありがたかったです。


やはり男性同士わかりあえる部分もあるのでしょうか?


彼は僕の中で理想の父親像でした。僕の思いを汲み取って話してくれるような人でした。夫婦は最初、喧嘩ばかりしていたのに、僕が住みしばらくすると、自然と家族の形になってきました。実は出産の場にも立ち会わせてもらえました。赤の他人である僕をライフイベントにも付き合わせてくれたのは、アメリカの文化だとは思いますが、いまでも驚き、感動したのを覚えています。


卒業式にも顔を出してくれたのですよね?


来てくれたのはうれしかったです。ホストマザーは出産間近だったので、これるか分からなかったですが、赤ちゃんが粋な計らいをしてくれたのか無事出席してもらえました(笑)。 また、ホストファーザーから教わった社交ダンスも卒業式で披露しました。少しだけ大人の世界を勉強できた気がします。

 

クラブの代表を経て、自分中心から周り中心に


木村さんはダンスクラブで代表をされていたとのことですが、どんな活動をしていたのですか?


Flash Mobというクラブで、主に学内のイベントでパフォーマンスし、盛り上げる役目を果たしていました。ただ、学校で踊り始めるまでは失敗の繰り返しでした。


失敗といいますと?


たとえば、最初に振り付けを担当したイベントが中止になってしまいました。せっかくだからどこかで踊ろうと思ってシアトルのシーホークスというチームの試合会場の入り口を選んだのですが、その時もスピーカーを貸してもらえることができなくなってしまい、結局踊ったけれど誰も見てくれない、という状況に。


そのなかでも代表を受け継いだのにはなにか理由があったのですか?


すごく悔しくて、惨めな経験をしたにもかかわらずメンバーのみんながとても感謝してくれたのが心に残っていました。アメリカの現地の人たちって、クラブという感覚があまりないので、自分の居場所のように感じてくれたのが嬉しくて。このクラブを残すしかない、という考えに至りました。


運営する上でどんな困難がありましたか?


メンバーをまとめるのが難しかったです。メンバーのなかには考え方が異なる人も多く、傷つけないように気をつけていました。日本とは対照的に、ストイックにしすぎるとメンバーは離れていってしまう…でもレベルは落としたくない。その調整もまた難しかったです。とにかくメンバーにはダンスを楽しんで欲しかったので。


自分のなかでの変化は?


自分視点からチーム視点になりました。つまり、自分中心の考え方から、周りの気持ちを優先してものごとを考えるようになりました。視点が少し変わるだけで、考え方も変わり、続けることもできました。

 

本気で取り組み、人種の壁を越える


木村さんは体を動かすのが好きなように思いますが、他に取り組んでいたことはありますか?


現地の公園でサッカーのプレイをしていました。混ぜてもらっていたチームは授業で取ったサッカーの授業で知り合った人の紹介です。大人のチームなのですが、高校生や大学生が混ざっていたりして最初はあまりうまく溶け込むことができませんでした。次第に助っ人外国人として頼りにしてくれるようになって元サッカー部としてのプライドは守られましたが(笑)。


そのサッカーのクラブで何か印象に残る出来事はありましたか?


ある日の試合で、30代くらいの大人のチームと対戦していたのですが、人種も違えば体格も違い、そのうえ本気で体をぶつかってきたり罵声を浴びせてくる相手でした。さすがに僕もカルチャーショック(文化が違うということに驚くこと)を感じました。と同時にこのような大人にはなりたくないと、いい意味で学ぶこともありました。「外国人なのか地元の人なのか」とか「大人なのか子供なのか」というレッテルではなく、人としてみる、という考えが芽生えました。


やはりスポーツをするうえで体格の違いは大きいですか?


そうですね、小さいので軽くみられることも多々ありました。でも自分もおじけついたりしなくなり、経験としてはとてもよかったです。

 

未来の留学生へ


木村さんは「1年間の留学」というものに対してどういう考えをお持ちですか?


そもそも留学に興味を持っている人は、外の世界を見たいと思っている人だと思います。僕もそうでした。ただ、一年間異国で留学するとはいえ、実際は日常の繰り返しだということは変わらないと思います。


なにか未来の学生にアドバイスをいただけますか?


留学をしたからといって、人生がバラ色になっていくわけではないです。日常の中で何かを学ぶ、という意識がない人は帰ってきたらもとの生活に戻ってしまうだけ。僕も帰国して1年半ほどだって、他の人を見ていてもそう思います。日常にいる、というのを意識してほしいです。


留学をする中でどういった人がいい経験をしていると感じますか?


旅行感覚ではなく、留学は日常の延長線上にあると捉えられている人が本当の意味で英語力も人としても成長します。具体的に何ができるだろうかと考えられるといいと思います。あとは、人脈をどんどんつくって国際人としてのキャリアの第一歩を歩んでください。変にかしこまったり、距離を置いたりするのは非日常になってしまうので、あくまでも自然体で日常としての留学を描いていけたらいいのかな、と思います。非日常はいつか日常になってしまうので。

ABOUTこの記事をかいた人

山本悠佳

アメリカにあるベルビューカレッジにIBPを通じて1年間留学。IBP留学第50期生。 体を動かすことが好きで、留学中にはスカイダイビングやカラーラン、フラッシュモブ、チアリーディングなどを経験しました。好奇心旺盛な大学生です。同じIBP留学を経験した尊敬する友人たちへのインタビューが、留学を考えている方に少しでも役に立てば嬉しいです。