国・生活
2017/08/07

《ICC マレーシア アンバサダーレポート vol.6》ラマダンについて

イスラム教の一大宗教儀礼 “ラマダン” とは?

こんにちは!今回はラマダンについて、ごうとかれんがお送りします。 まずはごうがマレーシアで感じたラマダンの実態について紹介したいと思います。 ラマダンというのはイスラム教徒にとっての断食の事です。 イスラム教の人々は日の出前から日没までの間、断食をします。 それによって、世界で飢えに苦しんでいる人への共感を得ることを目的としています。 また、その間は飲食を断つだけではなくて喧嘩をしたり、悪口を言ったりしてもいけません。  

マレーシアの ラマダンの実態

しかし実際にマレーシアに来て私が感じるのは、ラマダン、そして 禁酒や豚肉を食べてはいけないなどのイスラム教の教えを遵守するかそうでないかは その人の出身、考え方によってかなり違いがあるということです。 私の周りでも、熱心にイスラム教を信仰する人たちは厳格にその教えを守りますが、 その一方で、人によってはラマダン期間中に『誰もいないところで水は飲んでいるよ』 などという友人もいます。 個人的な印象ですがサウジアラビアなどの中東出身の人たちは かなりイスラム教に対して熱心だなと感じます。 そして中東以外、東南アジアやパキスタン、バングラディッシュのイスラム教徒の中には イスラム教であってもそこまで厚い信仰心を持っていなかったり、 『お酒はいいだろう』という風に考える人もいるみたいです。 信仰度合いや考え方によって言動も異なり、なんとなくイスラム教に対しての 温度差のようなものを感じます。 マレーシアではそのような個人や国によってのイスラム教に対する考え方の違いを 知ることができるのがとても楽しいです。  

ラマダン中の学内の雰囲気について

ラマダン中のマレーシアの雰囲気に関して、異教徒の人もイスラム教徒に気を使って なるべく人前で飲み物を飲んだり、食べ物を口にしたりしないと聞いていたのですが、、、 実際はみんな普通にいつもと変わらず食べたり飲んだりしています!笑 というのも私が通っている大学は私立大学ということもあり 学生比率で言うとイスラム教徒であるマレー系の学生よりも 仏教やキリスト教を信仰している中華系マレーシア人が圧倒的に多いからです。 マレーシアというのはマレー人が国によって優遇されるためマレー人学生の多くは国立大学に行き、 それ以外の中華系やインド系のマレーシア人は私立大学に行く傾向があります。 そんな理由からか私が通うHELP大学ではラマダン中であっても いつもとそれほど雰囲気に違いはありませんでした。 しかし日中にお昼ご飯を食べに外に出ればそこには一切マレー人が食事をしている姿は ありません。 それでもそういった飲食店で働いている人のほとんどはマレー系である為、 彼らは断食中でお腹が減っているのにもかかわらず料理をしなければいけません。 それを知っていながら食べ物を注文する時にはどうしても辛く感じてしまいました。  

ラマダンにまつわるマレーシア情報

ここからはバトンタッチ!かれんがラマダンにまつわるあれこれを紹介します! 現地のマレーシア人の友人にラマダン期間中のみに開催されるラマダン・マーケットというものがあると聞き、 連れて行ってもらいました。 友人曰く、ラマダン期間中は毎日いたるところでマーケットが開催されているとのこと。 様々な屋台が出ている様子はまるで日本の夏祭りのようでした。 手作りのカラフルなケーキやがっつりとしたケバブサンドのようなもの、 新鮮なマンゴージュースなど おいしそうなものが勢ぞろいで私もついつい買いすぎてしまいました(笑) 中でも友人に特におすすめされたのがこのTepung Pelita 美味しいのにラマダン期間中にしか食べられないレアなものなんだとか。 濃厚なココナッツプリンのようで、それでいて優しい味のスイーツなので ぺろりと平らげてしまいました。 ココナッツ好きの方には是非とも一度は試してもらいたい一品です。  

ラマダンの印象

マレーシアに来るまでイスラムの文化に全くと言っていいほど疎かった私は、 ラマダン=断食=苦行のイメージが強く、そりゃあ全く食べなかったら死んじゃうから 少しは食べるだろうけど、食べるのもひっそり厳かに食べるのだろうな~と 勝手に思い込んでいました。 しかし、実際にイスラム国家でラマダン期間を過ごすことでそのイメージは覆されました。 むしろ彼らは日中に何も飲食できない分、日没後は普段よりも食事を楽しんでいるようでした。 自ら空腹を経験することで、貧しく飢餓な人々の気持ちを理解し、 食事の喜びを身をもって知る一つの手段という意味では、 たしかに大きな成功を収めていると思いました。 ラマダン・マーケットが開催されたり、ラマダン・セールと呼ばれる、 大々的なセールが様々なお店やモールで行われたり、 ラマダン・ビュッフェと呼ばれる、この時期限定の飲食店でのイベントがあったり・・・ ラマダンに関する催し物も数多く、マレーシアの人々はラマダンを単なる苦行ではなく、 一つのイベントとポジティブに捉え楽しんでいるようでした。  

ラマダン明けの”ハリラヤプアサ”

一か月に及ぶラマダンが終わると、「ハリラヤプアサ」が待っています。 これはムスリムの人々にとってはとても大切な日。断食、禁欲をしなければならない 苦しいラマダン期間が終わったことを盛大に祝うためのイベントです。 このハリラヤプアサの日のみ、普段立ち入ることのできない 王宮内に誰でも入ることができると聞き、 友人を誘って行ってきました。 実はこの王宮、HELP大学から目と鼻の距離に位置しているため、 スクールバスを利用する際毎回目にすることができます。 王宮はマレーシアの観光スポットでもあるので、普段も観光客が足を運び外から外観の写真撮影を している様子を目にすることができますが、 この日は普段とは比べ物にならないほど多くの人で賑わっていました。 簡単な手荷物検査を終えて中に入った後は、バスに乗ってメイン広場まで移動します。 バスを利用しないといけないほどに王宮内は広いのです。 そして、メイン広場では様々な料理が無料で振舞われていました。 ナシレマやサテー、ラクサにチェンドルと、ここの料理を全て食べればマレーシア料理を 全て網羅できるのではないかというほど豊富な品揃えでした。 さらに、ステージではシンガーの方々が会場を盛り上げていたり、 王様本人と写真を撮れるブースも。   今回のイベントを通じて、異教徒であろうと外国人であろうと、 誰に対しても寛容なマレーシアの人々の姿勢を肌で感じることができました。 平等に食事を振舞い共にイベントを楽しもうとするこの姿勢は、 多くの文化や宗教が共存しているマレーシアならではであると思います。 これから国際化が進んでいくことが予想される日本においても、 これらのマレーシアの姿勢から学べることは多いかもしれません。  

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