このウィンドウを閉じる

人事職でのキャリアを積んだのちに留学。
大学院で人事管理を学び、キャリアアップに成功!

大学:モナッシュ大学
専攻:Human Resource(HR)
留学期間:2003年4月〜2006年8月

1972年生まれ、奈良県出身。7年間の社会人経験を経て、留学を決意。ウーロンゴン大学の英語コースで約1年間学んだ後、モナッシュ大学に留学。大学院での専攻は人事管理。1年半で卒業し、メルボルン大学の教育学部で半年学ぶ。

留学しなければ、今のポジションに就くチャンスはめぐってこなかったかも

ウーロンゴン大のキャンパス

ウーロンゴン大のキャンパス

モナシュのキャンパス

メルボルン市内の風景

Q:留学前の経歴を教えてください。

A:大学を卒業後、流通業の企業へ就職したのですが、配属されたのが人事総務系の部署でした。もともと希望していた訳でもなく興味もなかったのですが、仕事をしていくうちに徐々に面白さを感じるようになっていきました。その会社では、外国人社員や海外赴任社員のサポート業務、障害者の採用業務などを担当していたのですが、なんと入社して1年半後に会社が倒産!  転職を余儀なくされました。
その後、運良く大手電機メーカーのグループ会社へ今までと同じ人事職での転職が決まり、継続して人事職でのキャリアを積むことになりました。この会社には5年半在籍し、人事業務全般を経験しました。それほど経験を持って転職したわけではなかったうえに、人事経験を持った先輩社員がいなかったので、自分でいろいろと必要なことを勉強しながら仕事をこなしていくハードな毎日でした。

Q:仕事を辞めて大学院留学した理由を教えてください。

A:留学を決意したのは30歳になる直前、実際に留学を始める10か月前くらいだったと思います。高校生の時から留学に漠然と興味はあったのですが、なんとなく日本の大学に入り、卒業して就職し、気がつけば年令も30歳直前になっていました。働いていた会社でずっとキャリアを積んでいくイメージがどうしてもわかず、かといってキャリアアップでの転職をする勇気も自信もなく、将来に対する不安や焦りがありました。
そんな時に妹がカナダへ語学留学をし、眠っていた留学の興味がよみがえってきたのがそもそもの発端です。国際化が進み、今後、日本国内においても外国人労働者も増えていくことが予想されるので、企業人事の仕事をする者として、ダイバーシティや国際感覚を肌で体験しておくことは大切だと思ったし、年齢的にも大きなチャレンジをするには最後のタイミングかもしれないと思い、決意しました。

Q:オーストラリアを留学先に選んだのは?

A:準備期間の問題や費用の問題、安全面の問題、教育水準のReputationを総合的に考えてオーストラリアに決めました。留学を決意したのが遅かったこともあり、GMATなどの準備が必要なアメリカの大学院への進学は厳しいと考えました。7年間の職務実績がありましたので、語学力さえクリアすれば入学できるオーストラリアの大学院は、現実的な選択肢だったと思います。私が留学した当時は学費や為替レートを考えると、アメリカやイギリスよりもオーストラリアの方が現実的だったということ、オーストラリアの教育水準が高く世界的にオーストラリアの大学の評価が高かったということも魅力でした。

Q:ICCは何で知りましたか?

A:たまたまインターネットで留学説明会を開催しているという情報を見つけたのがきっかけでした。留学に関して全く情報を持ってなかったので「とりあえず聞いてみるか」というような気持ちで会場へ行きました。会場にはオーストラリアやニュージーランドのいろんな大学の担当者が来ていて、現地の学校とパイプをたくさん持っているエージェントなんだなという印象が強く、そのままICCにお世話になることを決めました。

Q:まずウーロンゴン大学の英語コースに1年間通われたそうですね。

A:留学前に受けたTOEFLのスコアは、130点くらいだったと思います。今考えると、この点数で留学しようと決意した私もチャレンジャーだったなぁと思いますが、約1年後には大学院入学の基準であるIELTS 6.5をクリアすることができました。
最初はとにかく英語を使う機会を増やすことを心がけました。英語コースのクラスには日本人が多いのですが、できるだけ日本以外の国から来た学生と時間を過ごすようにしました。これは簡単そうで結構難しいことです。友達になるクラスメイトは、彼らも英語を学んでいる最中なので、奇妙な英語でコミュニケーションをとることになります。お互い言いたいことを伝えきれず、ストレスがたまることも多くありましたが、それでもそういった友人とコミュニケーションをとり続けることが大事だったと感じています。
そうしているうちに、地元の方たちとのコミュニケーションも自然と増えていき、スポーツジムに通ったり、Bible Study Clubというクリスチャンの方たちのコミュニティに顔を出したりしながら、いろんな英語に触れるように意識しました。英語で日記をつけてみたり、学校への行き帰りの間はラジオを聞くといった積み重ねも大きかったかもしれません。

Q:最初の留学先であるウーロンゴンはどんな町でしたか?

A:とにかく美しい、の一言です。田舎町なので不便な部分(店が少ない、店が閉まるのが異常に早い、終バスの時間が早いなど…)もありますが、街全体が緑に囲まれ、きれいな空気ときれいな海がいつもすぐそばにある最高のロケーションでした。この地域のビーチはどこも鳴き砂で、時間があるとよく散歩をしていました。地元の人はよくサーフィンをしていて、留学生の中にもサーフィンを楽しんでいる人が結構いました。
特に気に入っていたのは、野生の動物が多くいたことです。ホームステイ先のテラスで朝ごはんを食べているとカラフルな野鳥がやってきますし、キャンパスに行けばウサギやらエキドナ(ハリモグラ)がいたり、海辺に行けば野生のペリカンやイルカが見られることも。運が良ければクジラを見かけることもあります。ウーロンゴンは静かな場所で、落ち着いて勉強するにはとてもいい場所です。都会が恋しくなったら電車でシドニーまで遊びに行くこともできます。テストが終わった週末にはシドニーに繰り出して大騒ぎ、なんてこともよくありました。

Q:その後、メルボルンに移ったんですね。

A:メルボルンウーロンゴンと違い、都会らしい都会でした。日本の都会に比べたらとてもコンパクトでかわいらしい街ですが、生活するにはちょうどいいサイズの街だったと思います。ウーロンゴンではほとんど見ることがなかったスーツ姿のビジネスマンや車の渋滞など、日本では当たり前の光景がとても新鮮に映った記憶があります。
街の雰囲気も違いましたが、キャンパスの雰囲気も全然違いました。ウーロンゴンの場合は、とにかく広い敷地でゆったりとした雰囲気の中で勉強できる、といった環境です。いい意味で「誘惑」も少なく、落ち着いて集中して勉強するにはいい場所だと思います。
モナシュメルボルンのキャンパスも広いのですが、学生数が多くて街なかにあるためか、ウーロンゴンほどの「ゆったり感」は感じられません。メルボルンにある大学院の学生は、働きながら学んでいる人や、ある程度のビジネス経験をした上で学んでいる人が多く、ビジネス系の専攻の場合は都会の学校の方が面白いかもしれません。留学前に「語学の勉強は田舎街のウーロンゴンで、大学は都会のメルボルンで」というアドバイスをいただいたのですが、私にとっては大正解でした。

Q:モナッシュ大学での専攻は?

A:Master of Human Resource Managementで、1年半のコースワークでした。中国系留学生が圧倒的に多く、その次にローカルの学生という感じでした。インド系の学生も多かったですね。私が大学院に在籍した1年半の間では、1度も同じ教室で日本人に会うことはありませんでした。
日本の大学と比べると、授業のスタイルと雰囲気が違いました。授業は、先生と生徒全員が一緒になって考えていくというようなスタイルで、先生が話す内容に異を唱える学生も結構いました。そういった中で、いろいろな意見を出しながら問題を解決していくというスタイルは、参加していてとても楽しいものでした。しかも、たいていの授業ではプレゼンテーションの課題があるので、人前に立って話をするという機会もたくさんあります。全体的に、クラスは全員で作り上げていくものという雰囲気が強く、この点において日本との違いを感じました。
また、オーストラリアの大学では、各セメスターの最後の授業で、生徒が先生を評価するシステムがあります。先生は、生徒が答えた内容を見ることができない仕組みになっているため本音で回答することができます。こういった制度は日本には少ないでしょうね。

Q:大学院の授業で苦労したことと、印象的だった授業について教えてください。

A:やはり、一番苦労した点は語学力でした。語学力の入学基準はクリアしているとはいえ、授業中に使われる英語のレベルは非常に高く、内容を理解できないことも多かったです。それをカバーするために同級生に教えてもらったり、テキストを読み返したり…。最後の最後まで語学の壁には泣かされました。
最も印象に残っている授業も語学力に関することです。ある授業でグループアサイメントがあり、5人でプロジェクトチームを組むことになったのですが、自分以外は全員ローカルの学生。チームでミーティングをしていても、議論が白熱してくると全く何を言っているのかわからない状態になってしまうこともありました。チームに何も貢献できない自分が情けないやら悔しいやらでひどく落ち込んでいたのですが、チームメイトがいろいろと助けてくれ、なんとか課題を終えた時には、感動のあまり泣けてきました。

Q: モナッシュ大学卒業後にメルボルン大学に入ったそうですね。

A:当初はモナシュ大学でマスターを無事修了したら日本へ帰るつもりだったのですが、留学前に興味を持っていた「評価」のプロセスや方法といったことについて、勉強する機会がありませんでした。人事職としてキャリアを伸ばしていくのであれば、この分野はとても重要だと考えていたので、とても残念に思っていた矢先、メルボルン大学でPostgraduate Certificate in Assessment and Evaluationという半年のコースがあることを知りました。日本に帰ってしまうともう二度と勉強だけに集中する時間が取れないような気がして、思い切って半年間留学期間を延ばすことを決断しました。

Q:留学中、勉強以外に熱中していたことは?

A:正直なところ、セメスターの期間中はほとんど勉強一色の生活でした。生活費の助けになればとアルバイトも少ししていましたが、大学院での勉強は想像以上に大変で、勉強のし過ぎで気分が悪くなるほどの毎日でした。
そんな生活の中でも楽しみにしていたのは、ホリデー期間中の国内旅行。オーストラリアは広大な国なので、行き先には困りません。もともと旅行好きだったこともあり、バックパックを背負っていろんな都市を旅行しました。アデレードからアリススプリングスまで、おんぼろバスで7日間かけて砂漠地帯を走破したことが一番印象に残っています。

Q:卒業後の就職活動について教えてください。

A:就職活動は帰国してから始めました。帰国が近づくにつれ、気になってインターネットで転職サイトを覗いたりもしましたが、帰国後に集中して活動したほうが効率もいいし、良い結果もついてくるだろう、と考えて情報集め程度しかしませんでした。帰国後は、すぐに複数のエージェントに登録して、外資系の企業を中心にできるだけたくさん面接を受けました。
現在は米系IT企業で人事の仕事をしています。以前にように人事全般を担当するのではなく、労務問題を専門に担当するスペシャリストというポジションです。会社の制度やルールの見直しを行ったり、新しいルールや仕組みを導入したりする人事企画・オペレーションの仕事がメインです。外資ということや初めて身を置く業界ということもあり、今でもわからないことだらけですが、グローバルで物事が動いていくのをを肌で感じることのできる今の仕事はとても刺激的です。留学する前の自分だったら、おそらく今いるようなポジションに就くチャンスはめぐってこなかっただろうと想像すると、あの時の自分の決断は正しかったのだと実感します。

Q:転職成功のポイントは何だったとお考えですか?

A:今までの職歴と、留学した理由、勉強した内容に一貫性があったことが良かったのではないかと思います。就職活動の際にも、大学卒業→就職→転職→留学→将来像をキャリアに紐づけた一連のストーリーとして語ることができたのは大きかったと思います。

Q:大学院留学で得たものは何ですか?

A:物事の考え方、思考プロセスの組み立て方、といった部分が一番役立っているような気がします。正直「あの授業で勉強したこの部分が役に立った」というように、ピンポイントで何かに役立っているというよりは、対処しなければいけない事象に対するアプローチの方法に成長があるような気がします。留学中は、アサイメントで数えきれないくらいのレポートを書いたわけですが、そういった中で身に付けた、自分の意見の表現の仕方、論理的な話の展開方法なども役立っています。あとは、あれほどの勉強地獄に耐え抜いた、という精神的な自信も活かされているでしょうか。留学前は何事に対しても自信が持てず、いつも誰かの後ろから黙ってついていくような性格だったのですが、いい意味で「自分」をきちんと主張できるようになり、自分が下す判断、自分の持っている意見に自信が持てるようになりました。

Q:今後の仕事の展望について教えてください。

A:これからも人事の仕事を続けていきたいと思っています。今は、特定の分野に特化した仕事をするスペシャリストというポジションにいますが、もう少し今のポジションで経験を積んだら、幅広く事業部門の人事全体をサポートしていく「ジェネラリスト」と呼ばれるポジションに挑戦したいですね。また、海外で「勉強」はもう経験しましたので、今度は海外で「仕事」(もちろん人事の分野で)も経験してみたいと思っています。

Q:最後に、大学院留学を目指す人にアドバイスを。

A:大学院留学を目指す方には、まず目標、目的を明確にすることをお勧めします。留学にはいろんなスタイルがありますが、少なくとも大学院への留学の場合は、卒業後の展望も含め、何を、なぜ学びたいかを考えてから準備をした方が良いように思います。実際に大学院へ入ってみると、ほとんどのクラスメイトがはっきりとした目標、目的意識をもって授業に参加してきます。こういったクラスメイトと同じ土俵でコミュニケーションをとるには、自分自身でも目標、目的意識がはっきりしていないと相手にしてもらえません。また、留学期間中は想像以上に勉強が大変です。それを乗り越えられるかどうかは、どれだけ強い目標を持っているかにかかっていると思います。