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学んだ理論と自分の経験や背景知識とを結び付けた英語力が求められる

参加コース:オーストラリア大学院留学
留学先:マッコーリー大学
専攻:Master of TESOL
留学期間:2012年7月〜2013年6月

1983年生まれ、福岡県出身。福岡の中学校教員を経て2012年7月よりNSW州にあるマッコーリー大学のMaster of TESOL(英語教授法)を学ぶ。マッコーリー大学より学費一部金に充当する奨学金を獲得。1年の修士課程修了後、6ヶ月間シドニーに残り同大学で修士論文を仕上げ12月に帰国。2014年4月より在籍していた職場で教員として復職。

入学する前の3週間通った語学学校のクラスメイト。

大学構内に10月〜11月頃に満開になるジャカランダの花。シドニーの街でもたくさん見られます。

3か月の長い夏休みの間に通った語学学校の児童英語教師養成講座の修了式。

2013年6月の留学生用Farewell Functionのときクラスメイトと一緒に大学の広場での集合写真。

2013年9月の正式な卒業式のとき、壇上で名前を呼ばれ、学長と握手をしている写真。

2013年9月。正式に卒業証書を授与されたあと。

2013年12月。帰国間際に参加したシドニーサンタマラソン。

Q:留学前の経歴及びTESOL留学を目指す経緯について教えてください。

A:大学を卒業してから6年間英語教員をしていました。 TESOL留学を目指したきっかけは、留学前の勤務校に大学院留学をしていた英語教員の先生方が数名いらっしゃり、私自身も英語力のみならず、何かしらの専門知識を持ちたいと思いました。また、高校の学習指導要領が変わる直前の時期でした。新しい学習指導要領は、「英語で授業をする」ことを前提とした内容でした。自分自身の英語力に自信がなかったので、勇気を出して留学に踏み切りました。

Q:複数の大学を検討していたとのことですが、最終的にマッコーリー大学に進学先を絞った理由をおしえてください。

A:マッコーリー大学に決めたのは、奨学金をいただけたということが一番の理由です。また、勤務校の英語科主任の先生がマッコーリー大学の卒業生だったので、情報やアドバイスをいただき、安心感があったためです。

Q:大学院の学習内容(カリキュラム)について、ユニークなプログラム、日本の教員養成内容と異なる点などを教えてください。

A:マッコーリー大学のTESOLコースは応用言語学部の中に入っているため、英語教育というよりも、言語教育、言語学中心の内容でした。前期は「Genre, Discourse, and Multimodality」「Language Testing and Evaluation」「Second Language Acquisition」「Teaching English for Academic Purposes」、後期は「Communicative Grammar」「Research Methods in Language Study」「Language, Learning and Community」「Classroom, curriculum and context」という内容でした。修士論文を書いている間は、「Pragmatics」の授業も聴講させていただきました。 私が卒業した大学では、教員免許は教育課程の中で受講しました。日本の大学と最も違うと感じた点は、教授から与えられた知識を吸収するのが中心ではなく、学んだ理論と自分の経験や背景知識とを結び付けてエッセイを書かないといけなかった点です。また宿題の量もかなり多かったです。

Q:学習時間、課題の内容、学習や課題のボリュームについて教えてください。

A:学習時間はアルバイトやボランティア活動等の関係で日によって違いましたが、1日3時間〜8時間、課題前は12時間以上机に向かっていました。 課題の内容は、「言葉とは何か?」というような抽象的なエッセイもあれば、テスト分析、教科書分析など、日本の英語教育と結び付けるエッセイもありました。 課題の量に関しては、1ターム中に、1教科につき3つアサイメントがあり、それが4教科なので、12個アサイメントがあることになります。また、語数も最初のアサイメントは1500-2000語から始まり、徐々に3000-3500語程度まで増えていくので、最後のアサイメントのときはとても大変でした。

Q:マッコーリー大学の印象、他のクラスメイトや教員はどんな方がいましたか?

A:マッコーリー大学の印象は、まず自然がたくさんあり、広大でまさに「外国の大学」という印象でした。また、思っていた以上に、留学生が多く、特にアジア人が多かったです。ただし、日本人の数はかなり少なかったです。私の場合、キャンパスを歩いていて日本語を偶然聞くということは2か月に1回くらいの率でした。 クラスメイトは様々で、東南アジア圏、中東、南米、ヨーロッパ圏など、いろんなところから来ていました。TESOLの特色としては、オーストラリア人はクラスに1,2人しかいないところです。ほとんどが留学生で構成されていました。TESOLの入学条件が「2年以上の教員経験」ということがあるため、ほとんどの人が母国で教員をしていた人でした。 教員は、オーストラリア人、イラン人、香港人、カナダ人など様々でしたが、それぞれ専門の分野を持っている人で、授業はどれも興味深かったです。 友人からは、それぞれの国の英語教育の現状を聞いたりできて、とても刺激を受けました。

Q:修士課程修了後、一年間残り修士論文を仕上げた理由とはなんですか?また、どんな研究内容だったのですか?

A:残ったのは半年ですが、理由としては時期的なものからと、専門性を深めたかったからです。 6月に卒業で、帰国して働き始めるにも中途半端な時期だったため、せっかく時間があるのだから、半年オーストラリアに残り集中して修論に取り組みたかったのです。また、指導教官のPragmaticsの授業も聴講させていただき、さらに勉強を積むことができました。 研究内容は、日本の新学習指導要領高校1年生の「コミュニケーション英語I」の教科書分析でした。時間になると生徒たちは広い芝生のグラウンドでのびのびと遊んでいます。

Q:留学経験を経て、今後どのような指導方法が理想的/効果的だと感じていますか?

A:オーストラリアの英語教育は社会言語学中心です。そうした講義を受けた後、言語というものは「使うものである」と改めて感じ、従来の日本の英語教育である文法訳読式から脱し、「英語を使う」ことを中心に置いた指導法を模索する必要を感じました。そして、4技能を伸ばす指導法が理想的だと感じるようになっていったのです。 ただ、再び日本の高校で教壇に立っていますが、生徒のレベルや入試など、様々な要素が指導方法に影響するので、理想とするものと現実の間で試行錯誤しているのが実情です。

Q:日本における英語指導者に対して、TESOL留学の特徴をお伝えください。

A:マッコーリー大学のTESOLは理論中心なので参考になるかわかりませんが、「言語とは何か」「言語習得とは何か」という根本に立ち返ることができ、それを踏まえた指導法を自分の日本での英語教育環境に当てはめることができるのではないかと思います。 また、勉強から得られる知識に加えて、様々な国から勉強しに来ている英語教師の人たちと勉学を共にすることが最大の醍醐味ではないかと感じました。