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プロフール:
東京都出身。学習院大学文学部英米文学科卒業後、大手電機メーカーにて10年間秘書業務に従事。 |
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不安に打ち勝つ勇気を持てたときこそ、留学の好機 |
留学前はメーカーで10年間秘書として働いていました。秘書業務はとても好きでしたが、「業務で英語を使う」という希望を叶えることができず、次第に「英語が使える秘書職に就きたい」と転職を考えるようになっていきました。また「せっかく退社するのであれば、その機会にかねてからの夢であった米国生活を経験してみよう」とも思ったのです。
ですが、いざ「退社して留学」となると、決断を下すのは容易ではありませんでした。一番の迷いは正社員で長く勤めた、一般に大手といわれる会社を辞めることでした。何より「安定」を感じられる会社生活を捨てていいものか、1年以上迷いました。
最終的には「英語ができても就職に有利とはいえない世の中、それでも話せないよりは話せる方がいいはず」「転職するならぜったい今のお給料よりも多くもらえる」など、転職することのアドバンテージを考え、そのための目標を定めることで、「安定」を捨てても夢であった留学を実現させる勇気が持てました。
ただ、私の場合は30代に入ってからの留学でしたので、帰国後の再就職が不安の材料にもなりました。でも、それを不安に感じたまま乗り越えられないなら、留学はすべきではないと思います。不安があったとしても、「何とかしよう、しなくては」と思えるようになったら留学出発のチャンスなのだと思います。
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生活面・語学力に的を絞って進めた留学準備 |
留学先は「ただ暮らすだけでなく、英語で秘書業務をこなす目的に焦点を絞った勉強をし、英語力もアップさせる」ためにテクニカルカレッジ留学を選びました。4学期制で、うまく授業を組み合わせれば1年でCertificateコースを終えられることが最大の魅力でした。
元来英語が好きで、英会話学校にずっと通っていたので、留学にあたり英語面での不安はあまり感じていませんでした。それでも、留学決意から出発まで(同時他発テロなどもあり)1年以上ありましたので、英会話学校に通い続け、毎月CD付の教材を買って朝夕の通勤時に聴くようにして、自分なりに英語力向上には努めていました。
またシアトルのメル友を見つけ、シアトル情報ももらえるようにしました。アメリカに着いてすぐは友達もいませんから、事前にメル友がいただけでも気が楽でした。他にも小さなことですが、為替レートに気を付け、ドルのトラベラーズチェックをたくさん作っておきました。日本から送金してもらうと手数料がたいそう高いと聞いていたので、サインは面倒でしたがトラベラーズチェックでお金を持って行き、アメリカに着いてから銀行窓口で預金したおかげでその手数料はだいぶ省けたと思います。 |
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専門カレッジの授業内容や1日のスケジュール |
同じ時期に入学した留学生は私を含め2人しかいませんでした。留学生のためのオリエンテーションも、図書室の机を挟んで留学生アドバイザーと対話するようなこぢんまりとしたものでした。アドバイザーからは、毎学期最低12単位は取らなくてはいけないこと、授業の登録には誰のサインをもらわなくてはいけないとか、保険の入り方(母国で入ってきていない場合)などの説明を受けました。私は渡米前にアドバイザーが第1学期分の授業登録をしておいて下さったので、その時間割をもらい、授業初日の段取りなどを確認し、その後、施設を案内してくれました。
カレッジではAdministrative Assistant Certificate courseを専攻し、Microsoft社のExcel, Word,
PowerPoint, FrontPage, Access、数学、英語、ビジネス英語、簿記入門、タイピング、それから実務直結のOffice Skills,
Custom Service & Help DeskやJob Searchなどのクラスを受講しました。ソフトウェアのクラスは実技中心で、教材に沿ってその日の課題を作成し、提出するというのが主体でした。クラスの人数は15人から多くて30人くらい。授業時間は毎日1時間のクラスもあれば週に2日2.5時間の授業もあり、これはクラス、単位数によってまちまちです。英語や数学のクラスでは、ほとんど毎回宿題が出されました。以下は、学期中の一日のスケジュールです。 |
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起床時刻: |
最初の授業の1時間半前。 |
朝 食: |
シリアルとミルク。 |
通学方法: |
車で15分ほど。 |
授業内容: |
授業はできるだけ朝10時から午後4時までの間で組み立てています。 |
昼 食: |
カフェテリアの食事はとても高いので、サンドイッチ持参で友人と食べます。 |
放 課 後 : |
平日はPCラボで課題を仕上げたり、自宅近くの図書館で宿題したりします。
金曜日はたいてい友達と待ち合わせてお茶をしたり、ビデオを借りにいったりして、リフレッシュしています。 |
夕 食: |
一人暮らしなので、自炊しています。 |
勉強時間: |
2〜3時間。学期最後の1〜2週間はテストが続くため、4〜5時間に。 |
就寝時刻: |
毎日7〜8時間寝られるよう、起きる時間の8時間前には寝るようにしています。 |
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ワシントン湖畔にほど近い閑静な街、ベルビューに暮らして |
最初の3ヶ月間はホームステイをしていました。次に学校の掲示板で見つけたシェアハウスに移り7ヶ月すごしました。その後はアパートで一人暮らしをしています。生活費は一人暮らしをし始めてからひと月$1,000くらいかかります。(ガソリン代やユーティリティなどすべて含め)ホームステイのときは$700〜$800だったと思います。ただ、一人暮らしになってからは日々のお小遣いはホームステイのときの半分以下に抑えていますが…。シェアハウスは安かったので$600くらいで生活できていました。
私の学校からは車で10分ほどでワシントン湖畔に出られます。学校の周辺は閑静な住宅街です。学校はカークランドという街にありますが、カークランドのダウンタウン(ワシントン湖畔あたり)には絵画のギャラリーが多く見られます。小さくておしゃれなお店が立ち並ぶ素敵な街で、夏にはウォーターフロントを歩く人たちで賑わいます。私の住むベルビューという街はカークランドの隣街ですが、ここはショッピングモールもあり、シアトルまで車で15分もかからないところです。カークランドもベルビューもとても安全で住みやすい街です。治安上、夜遅く出歩くことは避けていますが、日中は運動のために家の周辺をよくウォーキングしています。
現地で親しくしているのは、最初のオリエンテーションの日に知り合ったタイ人の女性、コンピュータのソフトウェアのクラスで一緒だった60代のアメリカ人の女性、50代のベトナム人女性。タイピングのクラスで一緒だったロシア人の30代の男性。メールがきっかけで出会った30代のアメリカ人男性。クラスメートだった日本人の20代の女性、そのお友達の日本人女性(ふたりともICCでの留学)。日本人の友達のクラスメートで一緒にお昼を食べるうちに仲良くなったフィリピン人男性、レバノン人女性などです。
お小遣いの余裕がないので、普段の休日は友達とコーヒーを飲みながらおしゃべりしたり、たまに映画を観に行ったり、DVDを観たりして過ごしています。夏は近くの湖で泳いでいました。ドライブが好きなので、いつかカリフォルニアやカナダのバンクーバーまで遠出してみたいと思っています。車で1時間ほどいけばスキー場もあるので、今年の冬はスキーをしてみようとも思います。 |
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アメリカに留学して良かったと思うとき、不便を感じるとき |
留学して良かったと思うのはいろいろな国の友人ができたこと。そして、日本以外の国の方々が日本をどう思っているのか知ることができ、「素敵な、日本人らしい日本人でいること」をとても大切に思うようになったことです。
逆に辛かった出来事といえば、ホームステイ先でお食事を出してもらえず、それを請求することを躊躇したため、常にお腹が空いていました。最初の1ヶ月で5キロやせてしまい、とうとうそこを出ることに決めた3ヵ月後までに8キロやせてしまいました。これは「食事」という当然の権利を申し立てることを恥ずかしいと思って躊躇してしまった私にも原因があったと思います。今は一人暮らしをしているので、こういった不便さは解消されました。あと、私は自分の車を持っているのですが、車の知識が乏しく車のトラブルが恐怖の種です。幸い、アメリカ人の友人が車に詳しいので、何かあったらその人に助けてもらうことになると思います。
今のところ、トラブルと呼べる体験はしていません。私の感覚ではアメリカ人の方々は惜しみなくヘルプの手を差し伸べてくれるので、何かあったら現地人であるアメリカ人の方に手助けを求めようと思っています。
その他、不便といえば、車を持っていなかったときはバス通学をしていたのですが、学校へ行くためのバスの本数が少なく乗り継ぎもあまり良くなかったため、自分の車なら6分で行けるところを50分かけて通っていました。バス通学する方はそのことを考えて、夜のクラスや朝早いクラスの登録は避けたほうがいいと思います。 |
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LWTC(Lake
Washington Technical college)の特長とは |
LWTC(Lake Washington Technical college)は「英語」を学ぶことよりも実務密着型のクラスが多いカレッジです。できるだけ英語力は日本にいるうちに身に付けていった方が、正規のクラスにも馴染みやすいと思います。小規模なカレッジですが、実務に直結したクラスがとても多く、専門コースも多彩なので、卒業後の進路を考えたらとても最適な学習環境だと思います。先生も親切で質問しやすく、授業以外でもメールで質問したり、教員室に訪ねていってもとても一生懸命力になって下さいました。コンピュータラボも台数やソフトが充実していて、最新のコンピュータソフトを学ぶのにとても適していると思います。ただ、朝9時や10時のクラスは学生がとても多く、駐車場所を見つけるのに大変苦労します。あと先にも述べましたが、バスの便がちょっと不便なのがバス通学の折は気になりました。
私自身はLWTCにとても満足しています。これは個人的な感覚ですが、私は30代になってからの留学だったので、「クラスメートがもしも日本の大学のように10代〜20代前半の人が中心となると気後れしてしまう」と思っていたのですが、LWTCは平均的な年齢層が高く、私にとってはとても過ごしやすい環境です。 |
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これから留学を目指す方々へ… |
私は昨年(2003年)12月、いったんCertificateコースを修了しましたが、「プラクティカルトレーニングビザ(PT)を申請して、現地で実務を経験してみたい」という希望が出てきたため、一時帰国して学生ビザを取り直し、PTが1年申請できるDegreeコースへ次学期から進学することにしました。英語や数学は、より上級クラスを取らなければなりません。また、授業の一環としてインターンシップ(実務研修)があるようなのですが、単位取得もできるようなので、それもぜひ挑戦してみようと思っています。
「日本で就職」する進路を描いていた以前とはずいぶん軌道修正してきていますが、「英語を用いた秘書業務」というところは変わっていません。今後は新たな目標に向けて、何とかアメリカでお仕事を見つけたいと思っています。これから留学しようとされる皆さんも、留学前に大まかで構わないので進路や目的を考えておくと、留学効果がいっそう高いと思います。
ICCをご利用になって留学される方は20代半ばの女性が多いと伺いましたが、私のように30代に入ってからでも留学を有効に活かすことはできると思っています。どうか年齢を考えすぎて、決断のしどき、好機を逸してしまわないようにして頑張って下さい! |