No.7「ガリバ−旅行記」(2001/10/25)


日本に行って来た。
既に祖国は、帰国するものではなく行く所になっていることに気付いて、日本入国の際にパスポートに「帰国」とスタンプを押されて妙に感動した。

日本の婦女子は昔からあんなに痩せていたのだろうか? 流行の服はLサイズしか入らない。オシャレな服を購入したい願望はあっさり打ち砕かれた。
すっかり「ガリバー」だ。

ガリバーは大阪見物に行き、噂に高いユニバーサルスタジオにも行って来た。やる気のあまりないアメリカ人が突然道ばたで歌い出すのでびっくりしてしまった。こういう所で働く欧米人の人々がいる。まだ祖国には欧米人を魅了する、お金の成る木が生えているのだろうか?
修学旅行生の女子高校生のスカートは更に短く、ガリバーの同行者は夜光虫がライトに吸い寄せられるがごとく、スカートの後ろの列に並んでニコニコしていた。ルーズソックスは毎日履き替えると、荷物になりそうだ。

それにしても、日本はまだまだ裕福なのだろう。土産物屋は閉場まぎわの人々でごったがえし、レジには長蛇の列が出来ており一万円札が飛んでいた。

大阪城にも行って来た。大阪城公園は水色のテントの家が沢山並んでいた。
そこに生活する人々は、ちゃんと洗濯などもしているようで、洗濯物も干してあった。これも今日の祖国。
電車の中刷りの広告が気に成り、路上生活者になった作家の本を読んでみた。住所がない人には、公的扶助金は出ないのだそうだ。知らなかった。

どこで生活してる人でも、夕方になると食事を提供してくれる団体がNZには存在する。キリスト教の母体の団体だ。日本で流行りのボランティアというのとは少しメンタリズムが異なる。
日本のボランティアは「きちんとした志しの前向きの人が、きちんとした相手に対して行う」感じがする。


大阪から東京に移動した。
新幹線は16車両で、ひと車両に100人近い人々が乗車している。20分間隔でこの新幹線が走っている。20分間隔の1000人以上の民族の大移動。
一体皆どこへいくのだ? 
10月から30分おきに「のぞみ」が東京―大阪間をつなぎます。という広告をぼーっと見ながら、「これってすごいことだ」と感心した。

富士山が良く見えて皆が喜んでいて、何だかガリバーもはしゃいでしまい同行者に「すごいね」と言うと「まあまあ」と言われた。
富士山は祖国の人々に特別な感情を抱かせる山らしい。

ガリバーは、パスポートに「出国」というスタンプをもらい祖国を後にした。
戻って来たNZでは、自分以外の人がガリバーだった。自宅のトイレの便座が高くてびっくりした。


フローレンス@NZ
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