No.5 バラとシェークスピアの巻(2001/7/30)

 暑中お見舞い申し上げます。日本はすご〜くすご〜く暑い夏といううわさを耳にしますが、皆さんいかがお過ごしですか?ロンドンは6月下旬から7月の上旬にかけて2〜3週間、珍しく暑いうだるような夏の日々がありましたが、近頃はすっかり涼しくなってしまいました。もう、今年の夏は終わってしまったのでしょうかあ......そんなあ。
それにしても、先月末はほんとぐぐっと暑かったなあ。とは申しましても、30℃を超えたのは1日だけ。この程度の暑さなんて、日本の猛暑経験中の皆さんにとってはケッて感じでございましょうが、それがこの国に住んで2年、この冷涼な気候に慣れてしまうと、こんなちょろいの夏の暑さにもすっかり参ってしまう、やわな体質になっていしまうのです。はあ。はあ。はあ。クーラー欲しいよ〜(この国にはクーラーというものがありません)と暑さに屈して涙ぐむ日々。私の部屋はこれまた西日がよく入り、それはそれは温暖なの。で、家に帰りたくない私は、仕事帰りは職場の冷蔵庫でひんやり冷やした白ワインを片手に、ちょっと涼しくなるまで毎日にように公園のベンチに座ってもの想いに耽っていたのでございました。で、その公園が、ここ。じゃじゃ〜ん!!

「オスカル!」「アンドレ!」と思わず叫びたくなるこの美しい場所は、リ−ジェントパーク。ロンドンZooのある公園ね。ここは、バラ園でも超有名なんざんす。ほんとにオスカル様が出てきそうな素晴らしい勢いでバラが咲いてるでしょ。(なんて、ベルバラはフランスだっちゅうの。ここはイギリス。ま、でもそんなのどうでもいいか)バラの種類もものすごく豊富で、一輪一輪大きく美しいのがごちゃまんと咲き誇ってるの。

こ〜んなにすごいのに、入場料はただ。アルコール持ち込み大いに結構。う〜ん、完璧なロンドン初夏のロマンティック・チープシック・シチュエーション。いかしてるねえ。今年はなんとこのシチュエーションにはまりまくって、7回もここに来てしまいました。ちょっと、リッチな気分の時は「テスコ」(イギリスのチェーンスーパーマーケット。映画「ブリジット・ジョ−ンズの日記」のはじまりのシーンで主人公がスーパーのビニール袋持って雪の中歩いてるの。その青縞のビニール袋、このスーパー「テスコ」のです。映画、そろそろ日本で公開でしょ、面白いから是非見てね。)のオリジナルのシャンペン(これが安いんだ。たったの10ポンド。でも、結構いいお味よん)にイチゴ浮かしたりして........シャンペンとバラ、なんてハイセンスな夏の一時なんでしょう!
ところで、リ−ジェントパークには、野外劇場もあって、夏はシェークスピアなんぞやってるんです。雨さえ降らなきゃ、これまた最高!
私は、「真夏の夜の夢」、見に行きました。ここも、食べ物、飲み物持ち込み可。ワインやシャンペンのグラス片手にほろ酔い加減でシェークスピアなんて、とってもいいじゃあないですかあ!シェークスピアはね、英語が古くて難しいんだけど、ストーリーは結構単純で分かりやすいですよ。実は私、「真夏」見た時はやけに落ち込んじゃったのよね。これって喜劇なんだけど、なんか、この世は夢か幻か。愛とははかないもの。な〜んてじんじん感じちゃってね。ただの飲み過ぎと人は言いますが.........
ところでところで、今私がフラットで一緒に住んでる人はシェイクスピアの末裔なの。名前もアマンダ・シェイクスピア。でもって、実は彼女のお兄さんは作家で、ニコラス・シェークスピアっていいます。日本でも、新潮文庫から訳本出てるぐらいだから、結構有名な人みたい。(気が向いたら彼の作品読んでね。サスペンスタッチのもの書いてます)このお兄さん、今はタスマニアに住んでるんだけど、この前久しぶりにイギリスに戻ってきてて、私も会って話をしたら、これが話が弾んで、面白かったあ〜。今度日程が合えば、一緒に日本食食べに行こう!ってことになりました。「ベストセラー書いてね。そしたら、私が翻訳するから」って言っておいた。そのうちこれが縁でベストセラーの翻訳家。お金持ちになれるかなあ。私。うひょひょ。
それにしても、イギリスで、シェイクスピアの末裔と一緒に住んでるなんて、はまり過ぎじゃない?

まめ子@London
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