何が違う?どちらを受ける?TOEFL iBTとIELTSを比較

どう違う? IELTS とTOEFL iBT

英語圏の学校への留学をする場合、特に専門学校・大学・大学院留学を希望する場合は、英語の能力が学校教育を受けるための基準に達していることを証明する必要があります。そのための能力試験として、どこの教育機関でも使えるのはIELTSとTOEFL iBTの2つ。どちらか一方の試験を選択し、その試験にあった対策をすることが重要になってくるので、初めて受ける方の多くはどちらを利用するか迷います。

一方で「アメリカならTOEFL iBT」「イギリスやオーストラリア・ニュージーランドならIELTS」と考えている方もいらっしゃいますが、実のところ大学が指定いる試験なら、どちらでもいいのです。

となると、「じゃあ、どちらを受けたらよいの?」という疑問が浮かんできますね。では、この2つの試験内容と試験対策の方法を比較・検討してみましょう。その上で、みなさんが個々でどちらが自分に合った試験なのか考えてみてはいかがでしょうか?

それぞれのテストの基本情報

TOEFL iBT(Test of English as a Foreign Language)

アメリカ・カナダを中心にイギリス・オーストラリア・ニュージーランド・アイルランドなど英語圏ほぼ全ての教育機関で採用されています。

iBTとはInternet Based Testingの略で2005年より新しい試験形態として導入されました。それまではComputer Baset Testing(CBT)と呼ばれるもので、さらにその前はPaper Based Testing(PBT)と呼ばれるものでした。 iBTになってから、このTOEFL試験は格段に難しくなりました。

ちなみに現在PBTはTOEFL ITPとして大学や企業内で団体受験用の試験として再利用されています。このTOEFL ITPの教材はiBT・IELTSの初期の段階の対策として非常に役に立ちます。

TOEFL iBTは現在9000以上の大学や機関、130以上の国で採用されています。

IELTS(International English Language Testing System)

注意点として、アメリカの一部の短大・大学・大学院では利用できない学校も少数ですがあります。ただ、アメリカを含め、TOEFL iBTと同様にほとんどの教育機関で採用されています。

IELTSにはジェネラルモジュールとアカデミックモジュールと呼ばれる、2種類の試験がありますが、留学のために受ける試験はアカデミックモジュールとなります。また、イギリスへの留学の場合UKVIと呼ばれる試験となり、内容は通常のIELTSと同じですが、試験回数が少なく、また、お申し込み窓口も異なりますので、注意が必要です。

IELTSは現在145ヵ国、合計9,000機関が認定しています。

申し込み方法・試験内容を比較

申し込みの段階での違い

お申し込み方法で、どちらの試験にするか決める人はいないかと思いますが・・・。下記は日本で受験する場合についてとなります。国によって受験料やお申し込みの締め切り日が異なります。

どちらの試験もインターネットからお申し込みをします。(TOEFL iBTは電話や郵送でも可能です)

TOEFL iBT のお申し込み IELTSのお申し込み

受験料はTOEFL iBTが$235(アメリカドル)、IELTS は25,380円とあまり違いません。ただ、締め切りがTOEFL iBTは1週間前(+$40で4日前まで可能)、IELTSは4週間前となっているため、IELTS受験の場合は計画的に試験日程を決める必要があります。

試験内容と所要時間

どちらも、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能をそれぞれ試験されます。

TOEFL iBTはすべてコンピューター上で試験されます。

試験の順序はリーディング→リスニング→休憩→スピーキング→ライティングとなります。

リーディング

60分から80分(スコアに加算されないダミー問題が含まれる場合80分。)画面に文章が映し出され画面上で読んでいくことになります。ただ、問題文中にどの段落を読めば良いのかが書かれているので、その箇所のみ映し出されます。内容は非常にアカデミックなもので、理系のものやアメリカの歴史についてなど専門的なものもそのまま出題されます。

リスニング

60分から90分(リーディングにダミー問題が含まれない場合、リスニングに含まれます。この場合90分になります)。内容は大学の講義や大学生活に関する会話です。初めに問題を見ることはできず、音声のみを聞きます。このときメモをとってもかまいません。その後、初めて問題文を見ることになります。音声は一回しか聞くことができないため、問題文を見たときに、その箇所についてメモをとっていなかったり覚えていない、ということもあります。

スピーキング

20分間で6題の課題に答えていきます。すべてマイクに向かってのスピーチとなります。TOEFL iBTの最大の特徴である複合問題と呼ばれる問題が4問出題されます。これは「リスニング」+「リーディング」→要約したものをスピーチする、「リスニング」→解答するというように、スピーキングの問題の中でリスニング力、リーディング力も問われるものです。

ライティング

50分で2つの問題に解答します。1つはスピーキング同様複合問題と呼ばれるもので、「リスニング」+「リーディング」→150字以上に要約という問題が出ます(20分)。その後、自分の意見を述べるエッセイ問題が30分で300字以上。どちらもタイピングでコンピューターに回答していきます。

IELTSはすべて筆記試験です。

試験の内容は、日常的なジェネラル英語と大学環境を想定されたアカデミック英語の両方となっています。

リスニング

約40分で4セクション(各10問)。セクション1と2は日常生活を想定したもので、3と4が大学生活を想定したものです。セクション4の題材は講義です。問題を見ながら音声を聞いていくことができます。

リーディング

60分で3パッセージ(全部で40問)。内容はアカデミックなものとなっていますが、専門的な文章を一般に紹介するようなもので、内容がわかりづらいということはありません。

ライティング

60分で2問。グラフや地図を描写する問題(20分で150字以上)と自分の意見を述べるエッセイ問題(40分で250字以上)を筆記によって解答していきます。

スピーキング

11分で3パートを試験官と面接方式で行います。まずは、自分の意見を求められる簡単な質問形式なもの。パート2は与えられた題材について1分以上スピーチをします。パート3では試験官とディスカッション形式で回答していくことになります。試験内容は録音されています。スピーキングの試験は、ほかの3セクションの試験日の次の日に設定されることもあります。

TOEFL とIELTSを比較して、結局どっち?

結論から言うと、IELTSの方が対策がしやすくスコアが伸びやすい、という意見が大半です。

理由1.スコアの付け方の違い

TOEFLは各セクション30点満点で、トータルスコア120点の1点刻みとなります。たとえば、ある大学が入学には90点以上のスコアが必要、と言う条件を出せば89点では入学ができません。

IELTSは各セクション9.0点満点0.5刻みの「バンドスコア」というものでスコアがつけられます。総合のスコアは「オーバーオール」と呼ばれ、4セクションの平均となります。

例えばリスニング6.0 リーディング6.5 ライティング6.0 スピーキング6.0の場合、平均が6.125となりますが、0.5刻みのスコアとなるため、6.0または6.5の数字の近い方をとるため、オーバーオールは6.0となります。ただ、どれか一つのスコアが0.5上がった場合、平均が6.25となります。この場合、丁度6.0と6.5の真ん中となりますが、オーバーオールのスコアは6.5がつきます。このため、比較的目標のスコアに達することがしやすくなります。

理由2.試験環境

TOEFLは試験会場に到着した順に、受付を行い、準備をし、個々で試験を開始、進めていきます。そのため、試験の進行度が人により異なり、リスニングを行っている横でスピーキングのテストをする人もいたり、試験会場によっては、隣の人の肘がぶつかることもあります。

IELTSは一斉に試験が開始され、進行も一緒です。TOEFLに比べて環境としては集中しやすい環境となっています。

また、スピーキングもマイクに向かって一方的に話すTOEFLに比べ、IELTSは試験官との面接で会話方式で進められるため、話しやすいのが特徴です。TOEFLのスピーキングの平均点は日本人は世界最下位となっていますが、IELTSでのスピーキングの平均点は世界的にみても、そこまで低くはありません。

理由3.全体的な単語の難易度

特にリーディングセクションで言われますが、TOEFLは専門的な「無脊椎動物」や化学で使われる「ゾル」などの単語まで知っておく必要があります。特に大学院レベルのスコアが必要な場合このあたりの単語は必須となります。IELTSは一般的にここまで専門的な単語を知らなくても、問題が解けるようになっています。

理由4.リスニング

TOEFLは音声を聞いてから、問題を初めて見るのに対して、IELTSは音声を聞きながら問題に解答していきます。さらに、IELTSは問題を一通り見るための時間も与えられています。そのため、TOEFLはリスニング力アップの他に、ノートテイキングの練習やある程度問題を予測する練習も必要となります。一方でIELTSは単純にリスニング力をあげることでスコアが伸びます。

理由5.複合問題の有無

TOEFLのスピーキング・ライティングの中で「リーディング」+「リスニング」→要約というような、スピーキング力、ライティング力だけでなく、あらためてリスニング力とリーディング力が問われる複合問題が出題されます。そのため、スピーキングとライティングのスコアアップの要として複合問題対策が必須となり、TOEFL iBTの対策をさらに難しくする要因となっています。

TOEFLは必要ない?

とはいえ、闇雲にIELTSを選ぶのは早計です。

ある程度英語力に自信がある場合、TOEFLの対策をすることは、現地の大学・大学院のどの場面でも困らない即戦力を身につけるのに役立ちます。

また、TOEFL対策をしている方が、対策なしでIELTSを受験した場合でも実力通りのスコアが出やすい傾向にありますが、IELTS対策をしている方がTOEFLを受験した場合は期待通りのスコアに到達するのは難しいようです。TOEFL対策からIELTS対策へは変更もしやすいため、どちらか迷うのであれば、TOEFLを選び、どうしても目標のスコアに達することが難しいようであれば、途中でIELTSに切り替えることをおすすめします。

何より、アメリカの大学・大学院の中には少数ですがIELTSを採用していないところもあります。このような大学・大学院を視野に入れている場合、TOEFLの受験が必須となります。

IELTSを受け入れていない大学・大学院の例(2017年1月現在)

あくまでも、2017年1月現在です。この用件に関しては刻々と変化していくため、出願の際には改めての確認が必要となります。

① MIT(マサチューセッツ大学)の学部入学

ただし、MITの大学院ではMaster of Architectureなど両方使える上、IELTSの方がいいです、と書かれている専攻や、Media Arts and Scienceでは逆にTOEFLは使えません。

② スタンフォード大学 (MBAは除く)

そのほか、気になる大学がある場合、各大学のウエブページを確認するか、下記からも確認ができます。

https://www.ielts.org/about-the-test/who-accepts-ielts-scores

ラジオ大阪国際交流委員会では留学のための英語学習アドバイスも行っています。

詳細はラジオ大阪国際交流委員会 にお問い合わせください。

2017-01-16 | Posted in 大学・大学院の留学No Comments » 

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