IBPグローバル留学奨学生インタビュー vol.4

将来グローバルな舞台で活躍したいと願う学生たちを支援する目的で創設された「IBPグローバル留学奨学金」。欧米からアジアまで、世界をリードするビジネス都市への留学と、現地企業でのビジネスインターンを通して、ビジネス分野での深い知識の習得と実践的スキルを身につけるための最高の機会を提供しています。

今回は、IBPグローバル留学奨学金に合格し、2022年にIBPベルビューカレッジコースに参加した藤井さんにインタビューをしました。IBPと奨学金の理解を深めるために、ぜひ参考にしてみてください。

IBP留学生/プロフィール

藤井由佳プロフィール

藤井由佳

参加コース: ベルビューカレッジ(67期)

大学3年次の2022年にIBP留学ベルビューカレッジコース(アメリカ合衆国・ワシントン州・シアトルエリア)へ参加。日本の大学では言語学を専攻し、日本語・中国語母語話者の英語習得について研究を行っている。現在は、卒業論文の執筆と大学院進学に向けて準備に励んでいる。

海外大学での9か月間の学びと現地企業での3か月間のインターンシップ経験を通して、グローバル人材としての価値向上を目指すことができるIBP留学。
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目次

1. 将来の進路を考えれば考えるほど、IBPシアトルに行きたいと思った

大学卒業後の進路を考えるにあたって、英語で学ぶこと・働くこと・生活することを経験したうえでこれからの生き方を決めたいと考えたからです。大学生活の前半はコロナ禍真っただ中で、思い描いていた学生生活や交換留学の実現は叶いませんでした。

そんな状況下でも研究や教職課程の履修などに熱意を持って取り組んだという自負がありながらも、進路を考える機会がある度に留学への未練や自分の英語に不安を感じ、将来のビジョンを描くことができませんでした。

「時間にもお金にも余裕がないけれど、次のステップに進むためのきっかけを掴む実り多い留学がしたい」と思ったときに目にしたのがIBPグローバル留学奨学金でした。

藤井さん

自分の意欲と熱意が留学実現と金銭的援助の2つのチャンスに繋がることに加えて、「せっかく留学するなら勉強だけでなくインターンもして、経験と明確なビジョンを手に入れたい」という欲張りな願望を叶えることができるプログラムであったことから、迷うことなく応募しました。

2. ベルビューカレッジでの留学テーマは、「取りあえずやってみる」

細かい目標はいくつもありましたが、テーマとしては「とりあえずやってみる!」を掲げていました。

IBP出発前講座でビジョンボードを作成時に、自分は「経験」と「進化」に重きを置いていることに気が付きました。せっかくアメリカに行くなら自分が苦手なものにも、やらずじまいのものにも、新しいものにも挑戦して、自分のことをよく知ろうと考えました。

3. 固定概念をすてて、自分探しをしたかった

日本での代わり映えしない毎日の中で、固定概念で物事を判断している自分に危機感を感じたからです。

自分が持っている可能性を自分で制限しているのはもったいないと気づけたことで、1年間の時間を最大限に楽しもうというマインドになれました。実際に肌に合わないものもあった一方で、スポーツ観戦をはじめとした新しい「好き」や「得意」を見つけることができたので、フッ重の私にとっては良い自分探しの機会だったと思います。

アメリカ留学でスポーツ観戦

4. ベルビューカレッジで印象に残っている3つの履修科目

Intro to Communication

専門である言語学とは異なる視点でコミュニケーションを学びたいと思い、履修を決めました。
心理学や人間行動学の知見やアメリカの文化的背景を含めてコミュニケーションを見つめることができ、ビジネス知識としても学問としても学びを深めることができました。

Introduction to Marketing

マーケティングの基礎についてケーススタディを通して学ぶクラスで、私のクラスではStarbucks Reserve® Roasteryに視察に行き、新店舗の展開案をプレゼンテーションするプロジェクトに取り組みました。
自分にとって新たな領域であるマーケティングを学ぶことに不安がありましたが、チームメンバーに支えられながら学びに向かうことができました。

Introduction to Media Writing

計3つのライティングクラスを履修しましたが、中でもこのクラスの読み手を意識しながらプラクティカルなライティングをするという経験がユニークで印象に残っています。教員から返ってくるフィードバックも丁寧で、ライティングスキルの幅が広がったことで自信がつきました。

5. アウトプットを常に求められるアメリカの大学授業

日本の大学では講義式・復習型が多いのに対して、BCでは対話式・予習型が多かったです。

どんな授業でもグループディスカッションへの参加、全体での発表、ライティングといったアウトプットをコンスタントに求められるため、授業中も次の授業までの期間も気が抜けませんでした。高校生から大人まで、現地生も留学生もいる環境下で英語がネイティブレベルでなかったとしても一定のレベルは求められるうえ、チームとして活動する場面も多かったことから、とにかく流れについていくだけで必死でした。先生やチームメンバーに自分の現状をしっかりアピールして理解を得ながらできることを着実にこなすことで、どうにかやり切ることができました

6. ボランティアにも積極的に挑戦し、新しい挑戦をしつづけたシアトルでの生活

長期の活動として、日本語で教育を行うPre Schoolで言語アシスタントと給食調理員としてボランティアを行いました。園長先生をはじめとする先生方との懇談を通してアメリカにおける日本語教育の在り方を学んだり、働くにあたり州の調理員資格を取得したりと充実した9か月間を過ごしました。

また、シアトルでは頻繁に日本フェアが開催されるため、積極的にボランティアに応募するように心掛けていました。来場者の案内をしたり、ステージの司会をしたり、普段ならなかなかできないポジションも任せてくれたため挑戦し甲斐がありました。

7. 大好きなホストファミリーとの出会いは一生の宝物

大好きなホストファミリー

何と言っても、ホストファミリーです。これまでのホームステイで経験したお客様や同居人としての扱いではなく、本当の家族の一員のように接してくれたことがとても嬉しかったです。何より、彼らとの生活は、クリスマスなどのセレブレーションカルチャーや月1ペースの小旅行といったイベントから毎日何かしら起こる日常生活まで、常にアメリカらしさを感じられて刺激的でした。「いつでも帰っておいで」という言葉を贈ってくれた彼らこそ、私の第二のホームです。今でも定期的に連絡を取り合っていますし、アメリカに行く際は可能な限り会う予定も立てる仲です!

8. ICCのネットワークを駆使して、目指していた教育現場でのインターンシップを獲得

インターンシップ探しは、3クオーター目に入ったタイミングで本格的に始めました。

履修した科目やコースをベースに自分の経歴や専門性を生かせる仕事を経験したいと思い、コミュニケーション専攻として言語教育と出版の2つを軸に探しました。

-初期段階

初期段階ではLinkedInで見つけたポジションに応募するだけでなく、過去のIBP生がインターンでお世話になっていた会社に直談判するなど、とにかくチャンスを広げることを意識していました。しかし、何社か担当者の方と連絡が取りあえるようになっても応募条件や雇用条件がマッチせず、なかなか面接までこぎつけることができませんでした。

-中期段階

そこで、中期段階では職務経験のある言語教育業界に絞り、ICCのスタッフや知人に自分の希望を話して紹介してもらうことをメインにポジションを探しました。

結果として、ICCのスタッフからのご紹介でインターン先を紹介していただき、1か月以上にわたって丁寧にresumeやカバーレターの添削をしていただきました。

-最終段階

最終段階では学校の授業のほか、ICCから提供していただいた場を利用して面接練習に励みました。教育業界にバックグランドを持つ教員やスタッフに指導を受けたことで、専門用語や教員としての在り方など就職活動以上のことを学ぶことができました。

教育現場でのインターンシップ

9. プロとしての働き方を求められる教育の現場で、語学力も更にアップ

英語を母語とする3-12歳の子どもたちに日本語と中国語で教育を行うPre Schoolで言語アシスタントとして2か月半働きました。

主な業務としては、それぞれの言語コースが擁する3-5歳クラスと6-12歳クラスにおいて言語・文化活動や生活指導を行う担当教員の補佐や校外活動における引率を行いました。

後半には、不在の担当教員に代わって日本語コースの授業を運営し、5度の文化体験の機会を提供することができました。実際にマルチリンガル・マルチカルチュラルな環境で働き、「クラス内では日本語または中国語、それ以外では英語」と自分が言語を使い分けることに加えて、先生としての威厳を保ちながら発言し行動することの難しさを体感しました。

また、語学レベルもバックグラウンドも発達段階も異なる子どもたちを相手に教育を行う経験は、教員というキャリアにおける大きな学びと楽しさを与えてくれました。

10. 思ったようにいかないことも多いが、ICCのサポートで乗り越えた

学校のこと、生活のこと、インターンのこと、何に対しても真摯に受け止め対応していただきました。

留学前半は何度もトラブルに見舞われましたが、その度に話し合う機会を設けて納得するまで取り合っていただきました。過程を知っているうえで成長を認めて褒めていただけたことも自信に繋がりました。

11. シアトル留学で付いた行動力。苦労した経験が自分を成長へ導いてくれた

最も成長したと思う点は、ズバリ行動力です。

良くも悪くもシステム化された日本社会で育ってきた身としては、声をあげているだけでは誰も助けてくれないという状況に陥った時の絶望感は計り知れないものがありました。何事も自分から働きかけて何か一つでも「私はこれだけやりました!」と言えるものを持つことでやっと相手と対峙できる、そんなシビアな社会でピンチを乗り越えた経験は想像以上に自分を成長させてくれました。自分がどうしたいか、どうするのかを常に意識する文化のおかげで自分の気持ちに素直になることを学ぶことができました。

12. これから奨学金に応募する、または留学をしたいという方へのメッセージ

今あるものを一旦横において新しいものに挑戦することは勇気のいることだと思います。

私自身、覚悟を決めるのに紆余曲折、長い時間とプロセスを要しました。しかし、今振り返るとあの時「留学に行きたい」という気持ちを諦めないで良かったと心底思います。学業や仕事、人間関係、英語に至るまであらゆる物事においてこれまで紡いできたものが花開くこともあれば、新たなつぼみができることもあります。それは時として自分が想像していたものではないかもしれないけれど、想像以上の自分に出逢えることにワクワクするこの感覚は留学に行ったからこそ得られているのだと私は思います。

藤井さん

貪欲に留学を夢見る方にとっても、現実問題として厳しさを抱える方にとっても、
熱意次第でチャンスを掴めるのがIBP留学だと思います。是非、自分と向き合う貴重な1年を手にしてください!