ビジネス留学の経験は、キャリアにどう活きるのか

IBPとは海外の名門校などで学び、現地企業でインターンができる12ヶ月のビジネス留学プログラム。米国、イギリス、オーストラリア、マレーシアで展開しており、これまで6000名以上の修了生を輩出しています。
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これから留学を控える方々へ向けて、IBP留学の修了生2人をお招きしてのパネルディスカッションがオンラインにて開催されました。現在、株式会社flarii(フラリー)のCEOを務めるレクァン・フィジュンさんと、株式会社Thridverse(サードバース)でブロックチェーンゲームのマーケティングヘッドを務める平林滉也さんによる「先輩、留学して本当に良かったですか?」のイベント模様を一部お届けします。IBP留学がもたらした影響や成長について、それぞれの体験談をお話ししていただきました。

スピーカー

 

Lequang Huydung(レクァン・フィジュン)

大学卒業後、IBP40期生として2009年にワシントン大学コース(アメリカ・ワシントン州)へ参加。帰国後、商社(営業)、人材ベンチャー企業(営業)、IT企業(人事)で経験を積み、独立して複数社の人事顧問を務めたのち、2019年にリフリード株式会社を共同創業。現在、家電レンタルサービス「flarii」やマーケティング人材斡旋事業、コミュニティ運営に携わる

平林滉也(ひらばやし こうや)

大学在学中の2021年8月にIBPサンフランシスコ州立大学コース(アメリカ・カリフォルニア州)へ参加。2022年5月に株式会社Thirdverseへ入社し、現在同社にてブロックチェーンゲームのマーケティングヘッドを務める。

 

イベントをご一緒したスタッフ

司会:万出 恵 (まんで めぐみ)
株式会社ICCコンサルタント
ビジネス留学IBPディレクター

目次

1. IBP留学の決め手:ビジネスへの強い関心で結びつくIBP生コミュニティ

ICC万出(以下、万出):本日はIBP修了生のお二人に色々なお話を聞いていきたいと思います。ファシリテーターを務めさせていただきます、ICCの万出です。よろしくお願いします。そしてパネラーを務めていただくのはレックさんと平林さんです。

レクァン・フィジュンさん(以下、レック)

ベトナム生まれ、日本育ち、ベトナム人のレックと申します。2009年にワシントン大学へ留学しました。よろしくお願いいたします。

平林滉也さん(以下、平林)

僕は2021年8月、コロナ禍直後にサンフランシスコ州立大学へ留学しました。よろしくお願いします。

万出:よろしくお願いします。まず、色々な留学がある中でIBP留学を選んだ理由は何だったんですか?

レック

IBPの決め手は歴史ですね。今IBP修了生が6,000人くらいいますけれど、この層は何ものにも代えがたいと思っています。出発する前にも先輩とお話ししましたし、日本に戻ってきてから上場された株式会社プログリットの岡田さんに事業の相談をさせてもらったこともあります。IBPのネットワークがなければ会えなかったと思ってますので、すごく感謝しています。

万出:レックさんと岡田さんにも繋がりがあったんですね!素敵です。ありがとうございます。平林くんはどうしてIBPを選んだんですか?

平林

僕はずっとサッカーをやっていたんですけれども、この先の人生の中でもう1回競争の環境、エキサイティングで楽しい環境に身を置くならどこだろうと考えた時に、ビジネスだなと思って。当時、僕はスタートアップという言葉すらそんなに知らなかったんですけど、それでも「シリコンバレーってビジネスが凄いらしい」みたいな印象はざっくりとあって、留学について調べていきました。色々と選択肢は出てきたんですけど、やっぱりビジネスに焦点を当てた時に、IBP留学のアメリカでインターンができるとか、ビジネスに対する意識や感度の高いメンバーが揃っているという点が僕にとっては魅力的でした。

万出:ビジネスへの高い意識を持つ同期や先輩との出会いはIBP留学ならではですよね。平林くんは留学中にIBP修了生の渡辺創太くん(※)に出会って、そこでブロックチェーンを知って、そこからめきめきと勉強したり、ネットワーキングを広げていかれたんですよね。

平林

そうですね。IBPの先輩ともつながりがある中で、渡辺創太さんを囲む会に参加したんです。彼は、ブロックチェーン業界をリードしている起業家なんですけども、IBPという縁のおかげで囲む会に参加して話を聞くことができました。そこで僕はブロックチェーンやWeb3.0というものに出会って、一気にその領域に興味をもって、シリコンバレーの日本人の起業家コミュニティに飛び込みました。マーケティングチームに入れていただいたり、イベントのアシスタントを務めたりというところから始まって、色んな経験をさせてもらいましたね。

 

※渡邊創太さん
IBPサンフランシスコ州立大学コース修了生
Web3起業家、ステイクテクノロジーズCEO、Astar Networkファウンダー
Forbes記事はこちら

2. 留学経験が現在に与える影響:現在のキャリアに導いた留学先の環境

万出:レックさんも、留学経験が今のお仕事に影響してたりしますか?

レック

そうですね。僕は留学時代に人生の設計図を作ったんですね。その時に10年後に起業するという目標を立てて、今プロット通りに進んでいるという感じです。留学中に人生設計を練るための自分の時間を作ることができて、人生の指針を出せたっていう感じですね。

万出:留学に行く前から起業したいという思いはあったんですか?それとも起業家の多いシアトルに留学に行って、そこでの出会いに触発されたような形ですか?

レック

後者な気がしますね。やはり周りの留学生にはアクティブな人たちが多くて、いい意味でネジが飛んでいる人しかいないんですよ。そういう人たちって何かしら自分でやっていたり生み出したりしているというところがあって。そこに僕も触発されて、起業しようとなりました。

万出:留学に行く前は、何を目標にこの留学をしようと思っていましたか?

レック

私の場合は外国人ってところもあって、中学校時代からずっと留学には憧れがありましたね。でも、中高とダラダラと過ごして、大学四年生の時に「このまま社会に出てしまったら、もう留学に行くチャンスがなくなるな」と思って。当時既に内定を持っていたんですけど、「えいや」で行ったっていうのが理由ですね。

万出:今の話で、平林くんも共感ポイントがあったりしたんじゃないですか?

平林

そうですね。僕もレックさんと同じく、このまま就活して就職するっていうのは何か面白くないなって思っていて。自分の強烈にやりたいことや成し遂げたいことを見つけるためにも、それこそ僕も「えいや」で留学しました。そこから「何かしないと」という思いでやれることは全部やって、無我夢中で動く中で見つけたのがブロックチェーンゲームやスタートアップ界隈でした。サンフランシスコはスタートアップカルチャーがすごくて、日本人の起業家も沢山いたんですね。日本人でもグローバル市場の中で戦っている姿がかっこよくて、僕もスタートアップ界隈で勝負したいなと思うようになりました。

 

3. 留学中の最大の挑戦:積極的な行動で広がる世界と直感の重要性

万出:「留学中に最も頑張ったことや挑戦して良かったことがあれば教えてください」と質問が来ていますが、どうですか?

平林

いただいた誘いは全部断わらないということは意識していました。例えば「パーティー来ない?」と起業家の方とか大人の方に誘われても、まあ面倒くさいこともあるんですよ(笑)。留学先からちょっとパーティ会場まで遠いし、パーティとかも行ったことないし、ポーカーとかも分かんないし。それでも行かなかったら絶対後悔するなと思って、全部断わらないっていうルールを心の中にずっと置いていました。そうすると、行った先で出会いがあって。日本人向けにマーケティングしたいから会社に入って手伝ってくれないかとか、そういう出会いも沢山ありました。僕は、アクティブに動くことが留学で一番大事かなと思っています。

レック

めちゃくちゃ同感です。私も留学当時が最も稼働をしてた時期かなと思います。僕の場合は、いわゆる「友達100人できるかな」をやってみたくて。一か月でやろうと思って、一日3人新しい人と会えば99人は会えるだろうという計算で。それで本当に一日3人新しいアポイントを取って、新しく3人会ったらその人にまた3人紹介してもらう、みたいなことやっていったら一気に1ヶ月予定が埋まって、可能性がばっと広がったんですよ。なので、僕はそれがすごくおすすめです。
ただ、逆に選択肢が多すぎて路頭に迷うこともあると思います。それでも最終的には、平林さんがWeb3.0に行こうって決めたみたいに、あるいは僕が起業しようと思ったみたいに、その中から自分の直感で決められるものだと思います。なので、まずはがむしゃらにチャンスを広げるのがいいと思いますね。

平林

僕もWeb3.0ってなんやねんってずっと思ってましたけど、僕みたいな何もない人が戦える新しい業界らしいと聞いて飛び込んでみました。それが正解かどうかは長期的に見たら分かんないですけど、現時点では、例えば僕の在籍するThirdversっていう会社は新卒は取っていなくて、基本的には元経営者だったりとか皆さんが知ってるような企業の元役員が集まってるところなんですけど、その中に一人僕がいる状況も生まれているので、やっぱり直感で最後は決まるんですよね。そして、その選んだ直感を信じ続けて頑張り続けるとかが大事なのかなって思います。

 

4. 留学が人生に与えた影響:価値観の大きな変化

万出:続いての質問です。「自分は海外にまだ行ったことがないのですが、行く前と後で自分の中で何か変化が起きましたか」いい質問ありがとうございます。じゃあこれ平林くんから教えてもらおうかな。

平林

僕は実際アメリカ行ってみて、例えばカフェに行った時に人とフランクに話すとか、まだそんなに英語を話せない留学生をネイティブの現地の学生がドライブに連れていってくれるとか、起業家の方は起業家を紹介してくれたりとか、アメリカは日本よりもGiveの精神が非常に強いんだなって感じました。僕も自分のまだまだな経験ですけど、こうやって後輩の皆さんに伝えることができたり、Giveの精神に関する価値観は僕の中で大きく変わったかなと思っていますね。

万出:素晴らしい!ありがとうございます。最後にこの質問させていただいて終わりにしようかなと思います。「IBPの留学がレックさんと平林くんに与えた影響はどれくらいですか?」1から10でいうとどれくらいですか?

レック

これ僕は100です。もう早速10とかじゃなくて100ですよ。想像以上だったっていう回答になるんでしょうか。やっぱり現地で生活をすることによって、その文化やより根強い価値観に触れることができました。そうすることによって、自身の価値観の幅が広がったっていうのが僕はすごく大きかったです。少なくとも当時僕は全然まだグローバルの価値観じゃなかったんですよ。なので、現在地を知れたっていうのが一番大きかったですね。

万出:ありがとうございます。じゃあ1から10でいうと100みたいです(笑)。

平林

もう1から10で100なんてレックさんに言われたらなんて返せばいいかなと思いますけど、そうすると、僕は120とか超えると思っています(笑)。

さっきも言ったように、僕はスタートアップ知らない、Web3.0知らない、全然経験もバックグラウンドもない普通の大学生だったんですけど、アメリカから帰るころには就職を決めて、自分でお金を稼ぐようになっていて。帰ってきた時に親から全く変わっちゃったね、変化についていけないって言われたくらい、 IBP留学は僕の人生に影響を与えたのかなと思います。

万出:これから平林くんは、どんなこと考えているのですか?

平林

やっぱりUSマーケットとか海外の市場には、ずっとやっぱ憧れを持っていて、そういったところをずっと見続けていきたいです。Thirdverse自体もグローバルな視点がありますし、僕の中でも経験を生かして色々と何かやっていきたいなとは思っています。

万出:ありがとうございます。貴重なお時間と貴重なお話し楽しかったです。お二人ともありがとうございました!

 

この記事を書いたライター

緋花瑠(ひかる)総編集担当
学生ライター。大学では会計学を専攻。英語と会計分野のスキルアップを目指して資格勉強に励む。旅行が好きで、これまで訪れた中で一番のお気に入りの場所はマレーシアのランカウイ島。