
1. はじめに
なぜ「東京都独自の留学奨学金」が、一気に注目を浴びているのか
「海外で学びたいけど、お金が足りないから無理かも…」
そのような不安を抱えている学生も多いでしょう。従来、留学奨学金は国や民間団体が中心で、自治体による“都道府県レベルでの給付型支援”は限定的でした。そこに、東京都が新たに意欲ある学生を支える給付型制度を設けるという発表が、、
今、大きな波紋を呼んでいます。
東京都版の海外留学助成制度(東京都留学助成金、通称「都版海外留学制度」)は、保護者または主な生計維持者が都内在住である大学生や高専生を対象に、返済不要な支援を実施する構想です。
支援の規模、対象要件、併給可否などが公表されつつあり、制度発表後から多くの学生・保護者から関心を集めています。
たとえばこの制度では、短期留学(4週間~3か月程度)には最大90万円(渡航費・授業料等)を支援する枠が設けられ、中・長期留学(約半年~1年)では、現地での活動費を月最大15万円支援し、1年間留学する場合には最大315万円を見込む構成になっています。ただし、支援枠はそれぞれ「年間500人(短期)」「年間100人(中長期)」程度にとどめられる見込みで、応募倍率は高くなる可能性があります。
さらに、この制度の具体化版として、東京都は「東京グローバル・パスポート」という名称で、大学生等向けの海外留学支援制度を創設する方向で公表しています。この制度の概要を押さえておくことは、これから奨学金を探す学生にとって極めて重要です。
目次
- はじめに
- 東京都独自の留学奨学金の注目背景
- 制度概要と支援内容
- 東京グローバル・パスポート制度:最新制度のポイントと注意点
- 制度の概要
- 支援内容(短期・中長期)
- 対象要件・注意点
- 募集スケジュール
- 全国・民間の給付型奨学金も知っておこう
- JASSO 海外留学支援制度
- トビタテ!留学 JAPAN
- 大林財団・重田教育財団
- ICC「IBP グローバル留学奨学金」
- 奨学金比較一覧
- 奨学金獲得への現実的ステップ
- 情報収集
- 計画書・志望理由の作成
- 語学スコア対策
- 面接・プレゼン準備
- まとめ

2. 東京グローバル・パスポート:最新制度のポイントと注意点
支援の内容と構成
東京都が発表した「東京グローバル・パスポート」制度では、短期コース・中長期コースの2つが設けられ、各コースに応じた支援がなされる計画です。
- 短期コース(28日以上~4か月未満)
支援人数:250名/年(春留学枠も加えると合計で500名を想定)
支援内容:渡航準備金(定額支援)最大35万円、その他定額支援も含めて上限設定(例として最大90万円前後を想定) - 中長期コース(4か月以上~1年以内)
支援人数:100名/年
支援内容:渡航・授業料支援+現地活動費(月最大15万円)
1年間留学した場合の総支援上限は最大315万円を想定(渡航準備金・授業料支援・現地活動費を含む)
支援額は、留学する国や地域の物価水準によって補助上限が異なるように設計される予定です。
対象要件・注意点
対象要件・注意点(2025年10月時点)
- 応募時および留学期間中、主たる生計維持者(保護者等)が引き続き都内に1年以上住所を有していること
応募者本人の居住地ではなく、保護者等の住所が対象となります。 - 語学留学のみを目的としたプログラムは支援対象外
学問的探究性や学術的意義を有するプログラムが求められます。 - 他の海外留学支援制度との併給不可
国や他自治体の奨学金・支援制度とは併用できません。 - 一定の成績・語学力要件が設けられる見込み
GPA、語学試験スコア、応募計画の質などが審査対象となります。 - 年齢制限(例:2026年4月1日時点で30歳以下)を設ける方向も報じられている
詳細は今後の公表を待つ必要があります。
これらの要件は、東京都生活文化局の公式サイトで随時更新されます。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
募集スケジュール(予定)
- 集開始:2025年12月ごろ
- 中長期コースの採否通知:2026年6月ごろ予定
- 留学開始可能期間:2026年7月20日~2027年3月31日の期間を想定
- 応募マニュアル公開:2025年11月ごろ
- 応募は在籍大学等を通じて行う必要あり(個人申請不可)
*これらの情報は、正式決定時に若干変動する可能性がありますので、最新の募集要項を必ず確認するようにしてください。
留学期間 | 支援内容 | 最大支援額 |
---|---|---|
短期 (28日~4か月未満) | 現地活動費 渡航準備金 | 15万円/月 35万円 最大90万円 |
中長期 (4か月~1年以内) | 現地活動費 渡航準備金 | 15万円/月 35万円 最大315万円 |

3. 全国的・民間の給付型奨学金も知っておこ
東京都制度に加え、広く活用できる給付型奨学金も複数存在します。併用できる制度を調べ、応募戦略に組み込むことが重要です。
1. JASSO(日本学生支援機構) 海外留学支援制度(給付型)
日本を代表する学生支援の窓口であるJASSO(日本学生支援機構)は、協定派遣型、学部学位取得型、大学院学位取得型など複数の海外留学向け給付制度を運用しています。制度ごとに応募期間や推薦要件、募集方法(大学経由の推薦など)が異なるため、所属大学の国際担当窓口と連携して募集要項を逐次確認することが重要です。JASSOは年度ごとに募集要項・説明会を公開しており、要項のダウンロードと提出書類一覧の作成を早めに行うことが有効です。
2. トビタテ!留学JAPAN
「トビタテ!留学JAPAN」は官民協働で行われる代表的な給付型プログラムで、大学生等向けコースでは月額支給(例:15万円または20万円)などの区分が設けられることがあり、プロジェクトや成果の提示が選考で重視されます。応募要件(年齢制限、過去の採用経験の取扱いなど)や併給ルールは細かく定められているため、募集要項(PDF)を丁寧に確認してください。
3. 大林財団
学術研究を対象に、6か月以上の留学で1か月当たり20万円(上限480万円、最長24か月)を給付する制度などを実施しています。応募資格や採用予定人数、指定校経由の扱いなどが明記されているため、募集ページの要件を事前に確認して準備しましょう。
4. 重田教育財団
学位取得を目的とした正規留学(原則残り2年以上)を対象に、月額20万円・給付期間2年といった明確な支給要領が示され、採用人数は限定されています(例:5名)。応募書類(GPA、合格通知、語学証明、所得確認など)も細かく指定されています。
(参考・出典:東京都「東京グローバル・パスポート」説明ページ、JASSO 各種海外留学支援ページ、トビタテ!募集要項PDF、公益財団法人大林財団 奨学事業、公益財団法人重田教育財団 海外留学奨学金、ICC公式IBPページおよび説明会ページ等)
奨学金制度 | 特徴 | 支援額 |
---|---|---|
JASSO海外留学支援 | 短期・長期留学向け、成績基準あり | 月額6~10万円(地域により異なる)+渡航支援金16万円(希望者) |
トビタテ!留学JAPAN | 官民協働、自由度高い | 月額15万円または20万円+留学一時金15万円または25万円(地域により異なる) |
大林財団 | 都市関連分野の実務・学術研究向け | 月額20万円(上限480万円) |
重田教育財団 | 大学院生向け、学位取得型正規留学対象 | 月額20万円(年額240万円) |
ICCコンサルタンツの奨学金制度:IBPグローバル留学奨学金
ICCコンサルタンツは、独自の給付型奨学金制度「IBPグローバル留学奨学金」を運営しています。
IBPプログラムへの参加意欲を持つ学生を対象に、返済義務なしで支援を行い、留学そのものを後押しする役割を果たしています。
応募資格・期間・特徴
- 応募資格:18歳以上の学生
- 研修期間:半年〜1年9ヶ月
- IBP奨学金は特待生・準特待生・優待生の3段階あり、段階によって免除額が異なる。
募集・選考の流れ
説明会/個別相談 → 応募書類作成 → 書類審査 → 面接審査 → 奨学生決定
説明会や相談会への参加は、プログラム理解と準備指針を得る上で必須です。
応募書類には自己PR・海外経験・探究テーマ・将来ビジョンなどを200字前後のエッセイ形式で記載することが求められます。
また、語学スコアが未取得であっても、二次審査時に提出可能とする制度も設けています。
※応募時期は、毎年3月頃となっております。最新情報は、IBPビジネス留学公式サイト、またはIBP奨学金特設サイトにてご確認ください。
4. 奨学金獲得への現実的ステップ
以下は、奨学金を確実に得るために意識しておきたいプロセスです。
- 情報収集を最速
・東京都制度(東京グローバル・パスポート)やIBP留学奨学金の最新募集要項を早期に取得して内容を精査
・民間財団・企業系奨学金も併せて申請可能性を探る - プログラム構成と奨学金要件の整合性
奨学金選考では、「なぜその国で学ぶか」「どの探究テーマで挑むか」「帰国後どう活かすか」が重視されます。 - 志望理由・計画書の徹底ブラッシュアップ
・自己PR・将来ビジョンは具体性を持たせ、過去経験や成果とリンクさせる
・書式・字数・誤字脱字に十分注意 - 英語力・語学スコアの確保
多くの制度では、TOEFL・IELTS・TOEICなどの証明スコアを求められます。IBP奨学金では未取得でも二次試験で提出可のケースもありますが、スコア取得が選考上有利になるのは間違いありません。 - 面接・発信力・プレゼン準備
書類審査に合格した後、面接やプレゼン審査が課される制度も多くあります。
自分の言葉で意欲・計画を語れるよう、模擬面接やプレゼン練習を重ねるとよいでしょう。

5. まとめ
まずは情報を集め、行動を始めよう
留学を実現するためには、奨学金制度の情報を早めに把握することが重要です。上記したように東京都の東京グローバル・パスポートやJASSO、トビタテ!各財団の奨学金、そしてIBPグローバル留学奨学金など、選択肢は複数あります。
制度内容や申請のポイントを確認 し、自分に合った奨学金戦略を立てましょう。その上で、志望理由書や留学計画書の準備、語学スコアの取得など、具体的な行動を進めることが成功への近道です。
留学への一歩は、まず情報を集め、行動することから始まります。
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