高校留学、子どもが本当にやっていけるのか不安…。そんな保護者の声に、現地で生徒を日々サポートするアドバイザーはどう応えているのでしょうか。今回の対談では、ICCニュージーランド現地マネージャーである、ソフィー四方が語る「子どもが変わる瞬間」と、その変化を支える日常の関わりに迫ります。現場だからこそ見える、留学のリアルな姿とは…。
子どもの留学、ちゃんとやっていけるのか不安…
子どもの留学、ちゃんとやっていけるのか不安──。
そんな保護者の不安に、現地で生徒と向き合うアドバイザーはどう寄り添っているのでしょうか。ICCニュージーランド現地マネージャー・ソフィーと、高校留学部門ディレクター・須山明恵の対談から、「子どもが変わる瞬間」とその支え方に迫ります。
<登場人物プロフィール>

須山 明恵(すやま・あきえ)
ICCコンサルタンツ取締役/高校留学部門ディレクター
留学カウンセラー歴25年。これまで数百人の高校生とその家族を海外進学へと導いてきた。ニュージーランド、オーストラリア、カナダなど各国の教育機関や政府機関と連携し、信頼に裏打ちされたネットワークを築く。自身もひとりの「送り出す親」としての経験を持ち、冷静な判断と温かなまなざしで、保護者の不安と希望に応えている。

ソフィー 四方(そふぃー・しほう)
ICCコンサルタンツ ニュージーランド現地マネージャー
現地在住。ニュージーランドで高校留学生の学業・生活・心のケアまで幅広く担うアドバイザー。ホストファミリー、学校、保護者と密に連携しながら、日々変化する生徒たちの可能性を信じて寄り添い続ける。型にはめない柔軟な支援と、文化の違いを丁寧に橋渡しする対応力で、多くの保護者から厚い信頼を集めている。
海外で育つ力:現地アドバイザーが見た、高校生の“変わる瞬間”
海外での暮らしは、予想外のことの連続。言葉や文化の違いに戸惑いながらも、生徒たちはやがて、自分なりのペースで前に進みはじめます。そんな変化のきっかけを、現地で寄り添うアドバイザーたちは見逃しません。 その“気づき”の瞬間とは?
◆ 「決めつけない」から始まるサポート

今日は、現地でのサポートについて、リアルなお話を聞けるのを楽しみにしていました。
まずお伺いしたいのですが、ソフィーさんが生徒と接するうえで、特に大切にしていることは何ですか?

一番意識しているのは、「決めつけない」ことですね。どうしても「この子はこういうタイプだ」と思い込んでしまいがちなんですが、高校生って本当に日々変化しています。例えば、昨日まではサッカーにしか興味がなかった子が、ある日をきっかけに突然机に向かうようになる─そんなことが実際によくあるんです。そういう“変わる瞬間”に立ち会えるのが、この仕事の面白さでもあります。

本当にそうですよね。親御さんはその“スイッチ”がどこにあるのかを知りたがるけど、実は親ではない誰かの何気ないひと言がきっかけになったりすることも多いんですよね。
◆ 日常の積み重ねが、信頼につながる

現地でのサポートって、実際どれくらいの頻度で生徒と関わっているんですか?

LINEでのやりとりは2週間に1回は必ず行っていますし、対面では月に1〜2回ほど会うようにしています。ただ、何か問題が起きたときだけでなく、普段からの会話をとても大切にしているんです。たとえば、スイーツのレシピを送り合ったり、ちょっとした雑談をしたり。そういうやりとりの積み重ねが、信頼関係を築いていくんですよね。

たしかに、「困ったときに頼れる存在」って、日常の中からしか生まれませんよね。

そう思います。普段あまり関わりのない相手に、いきなり悩みを打ち明けるのって、生徒にとってもすごくハードルが高い。だからこそ、日常の中で少しずつ信頼を育てていくことが、とても大切なんです。

留学は「語学」だけではない。「自立と成長」の物語
子どもが自分の力で世界を切り開いていくために、失敗を許し、変化を信じ、支え続ける大人たちの存在があります。高校留学は、単なる語学学習ではなく、「自立」と「挑戦」のプロセスなのです。
◆ 「分からない」と言える文化に戸惑う生徒たち

ニュージーランドでは「分からない」と言えることが評価されます。逆に、黙っていると「問題」とされる。でも、日本ではその逆。だから生徒は最初、とても戸惑います。

それって、日本とは真逆ですね。日本では「手を挙げるのが恥ずかしい」と思う子が多いですし、「わからない=悪いこと」みたいな空気もまだありますよね。

そうなんです。だから最初は、みんな戸惑います。「わからないことを言うのは恥ずかしい」って、どうしても思ってしまう。でも、私たちは何度も伝えるようにしています。1回では伝わらなくても、言い方を変えながら、あきらめずに、何度でも伝えるんです。
◆ ホームステイのすれ違いも、成長のきっかけ

ホームステイ先とのすれ違いも、よくある心配ごとのひとつですよね。

はい、実際によくあります。たとえば、「ホストが冷たい」と感じていた生徒がいたんですが、よくよく話を聞いてみると、ホスト側は「疲れているかもしれないから、そっとしておこう」と気をつかっていたんです。どちらも相手のことを考えて行動していたのに、言葉にしなかったことで気持ちがすれ違ってしまった。でも、そういう時こそ私たちアドバイザーが間に入って、お互いの気持ちをつなぐことで誤解が解けるケースが多いですね。

文化の違いに戸惑うのは、誰にでもありますよね。だからこそ、「失敗しても大丈夫」って思える環境がすごく大切だと思います。

まさにその通りです。以前、ある保護者の方から「ICCのサポートって、失敗しても大丈夫って思えるんですよね」と言っていただいたことがあって…。それが本当にうれしかったんです。そう思ってもらえるように、これからも寄り添い続けたいと思っています。
◆ “答えを出しすぎない”親の勇気

私自身も、息子を留学に送り出した経験があるんですが、そのとき意識していたのは「何でも親が答えを与えすぎない」ということでした。本人が悩んだり考えたりする時間を、できるだけ奪わないようにしたかったんです。

結局、受験も進路も全部自分で決めて、自分で動いていました。親の出番は「お金払うだけ」って感じでしたけど(笑)、でもその方が本人の自信につながるんですよね。
◆ 子どもには、たくさんの“味方”がいる

保護者の皆さんにぜひ知っておいていただきたいのは、「海外にもお子さんの味方がたくさんいる」ということです。ホストファミリーや学校の先生、そして私たちアドバイザー。みんな、その子の成長を本気で支えたいと願っています。

目の届かない場所に行くからこそ、「誰に任せられるか」がとても大切ですよね。ICCでは、現地でもしっかり生徒を見守り、保護者の方にも丁寧に状況を報告していく体制を整えています。これからも、安心して送り出してもらえるように取り組んでいきたいと思います。

子どもが自分の力で世界に踏み出していく。その背景には、失敗を受け止め、変化を信じて見守る周りのサポートがあります。高校留学は、ただ英語を学ぶだけの経験ではなく、自立と成長への大きな一歩。「うちの子にできるかな?」「どんなサポートがあるの?」そんな疑問があれば、ぜひICCにご相談ください!経験豊富なスタッフが、ご希望にあった留学プランをご提案させていただきます。