前回はニュージーランドの教育システムについて説明をしました。

今回はニュージーランドの時間割や選択科目などについて詳しく見ていきましょう!

目次

① 一日のスケジュールはこれだ!

・登校時間は?何科目勉強する?

・曜日によって空き時間がある

② 日本の科目とどう違う?

・EL(English Language)以外は全て選択科目!?

・科目の選択肢は大学のように幅広い

③ 日本人留学生に人気の科目

・「アウトドア教育」と「ホスピタリティ」

・日本と同じ科目でも学び方は違う!

一日のスケジュールはこれだ!

ニュージーランドは学生一人ひとりの選択している科目が異なるため、同じ学年の生徒でも時間割は人によってバラバラです。ニュージーランドの高校の一日の流れや時間割について詳しく見ていきましょう!

登校時間は?何科目勉強する?

登下校の時間は学校によって多少異なりますが、ほとんどの高校は8:45〜15:30の間に授業が行われます。日本と違い、ニュージーランドでは教科の先生が各教室に移動をして授業をするのではなく、生徒が自分の選択をしている教科のクラスに移動をします。

各授業は50分〜60分。履修する科目数は学校によっても異なりますが、11年生(高1)・12年生(高2)は6科目、13年生(高3)は5科目+自由学習(自習)になることが一般的です。

授業は1時間目〜5時間目までの学校が多く、中には6時間目まで授業を行う学校もあります。4科目の授業のあとにランチタイムを設けており、ランチの後で受ける授業は1科目という時間割の高校が一般的です。2時間目と3時間目の間に20分〜30分の休憩時間がありますが、学校によって休憩時間やランチタイムの時間は異なります。

また、授業とは別にホームルーム(ニュージーランドではフォームクラスと呼びます)の時間を設け、出欠確認や連絡事項などを伝える学校も多くあります。

ここでは6時間授業の学校に通う、ある学生さんの時間割を例としてご紹介します。日本に比べて同時に履修する科目数が少ないため、毎日同じ科目の授業があるのは違いの一つですね!

曜日によって空き時間がある!

最終学年の13年生は、進学に向けて各々の生徒が自分に合った学習ができるように自由学習という自習時間を設けている高校が多くあります。授業で分からなかったことや宿題の他、時間のかかる課題やテスト勉強など、その時に最も勉強が必要なものを自分で判断して勉強します。「自習」と聞くとラッキー!という声が聞こえてきそうですが、自由だからこそ高い自己管理能力とタスク管理・時間管理能力が必要です。

また、水曜日などの特定の曜日は少し早めに授業が終わり、クラブ活動に参加したり早く帰宅できるような時間割になっている学校もあります。

日本の科目とどう違う?

日本の高校と海外の高校の大きな違いの一つに、学べる科目の多さとその内容があります。国によってカリキュラムは異なりますが、ニュージーランドの科目選択や科目の種類はユニークなため、この点に惹かれてニュージーランドを選ぶ留学生も多くいます。

EL(English Language)以外は全て選択科目!?

日本では国語、数学、理科、社会、などのアカデミックな科目の他、体育、音楽、家庭科などの必修科目がありますね。選択科目は理科の中で物理か化学か生物を選ぶ、社会の中で世界史か日本史かを選ぶ、などの分かれ方をすることが一般的かと思います。

ニュージーランドの必修科目はたったひとつ、「EL(English Language)」という英語が母国語ではない留学生のための英語の授業のみです。学校や学年によっては数学が必修になる場合もありますが、基本的にはEL以外の科目は自分が好きな科目を自由に選べる仕組みになっています。好きな科目や興味のある科目を選べるので、より主体的に勉強に取り組むことができることが魅力です。

*ELは以前まで「ESOL(English for Speakers of Others Languages)」という呼び方をしていました。

科目の選択肢は大学のように幅広い

将来進みたい道が決まっている学生のために、早くからその科目を学べるように選択科目が多くあります。その種類や数の多さは、まるで大学のよう!

数学、英語、生物、化学、物理、地理、歴史、音楽、美術、体育など日本の高校でも学べる科目はもちろんありますが、その他にもダンス、写真、演劇、言語(日本語・韓国語・中国語・マオリ語など)、経済、会計、ホスピタリティ、調理、観光学、幼児教育、テクノロジーなども多くの高校で学ぶことができます。

ニュージーランドでは、学生の多くは将来を見据えて勉強をしています。必ずしも皆が大学進学を希望しているわけではなく、専門学校への進学や就職を希望する学生もいます。各自が興味のある分野やその先に必要なことを学べるような仕組みは合理的かもしれませんね。

日本人留学生に人気の科目

幅広い選択科目の中でも、特に日本人留学生に人気の科目をご紹介します!また、日本と同じ科目でも教え方や学び方が大きく異なる科目もあるため、なぜそのような違いが発生するかもあわせてご紹介します。

「アウトドア教育」と「ホスピタリティ」

多くの高校に「アウトドア教育」という授業があります。カヤックに乗ったりハイキング、キャンプ、セーリング、ロッククライミング、グループゲームなどの体験から、チームワークやリーダーシップ、危機管理能力やコミュニティで生活をすることなどを学びます。経験から学ぶことは留学をする上でとても大事なことです。日本では経験できない楽しい授業ですが、常に危険と隣り合わせのため、先生の指示や注意をきちんと理解できる英語力も同時に必要となります。

また、「ホスピタリティ」という科目では、テーブルのセットの仕方を学んだり、お店で提供するような料理を作ります。レストランやカフェ、食品業界に興味がある現地の学生にも人気です。内容は日本の調理実習より本格的で、お店さながらの大きなキッチンが備わった設備で、様々な食材と調理方法を活用して料理をしたり、食品汚染や食べ物の管理方法を学んだりします。ある学校では学生達でメニュー作成から調理や提供までをする模擬レストランを実施し、先生方がお客様役となって実際に食べていただく実践的な授業もあるそうです。

これらの実技系の科目は、英語力に不安がある学生でも楽しく学べるためとても人気ですが、筆記テストやレポート作成などもあるのであわせて頑張りたいですね!

日本と同じ科目でも学び方は違う!

学校における先生の教え方や学生の授業の受け方も、日本と海外の学校の大きな違いの一つです。

ニュージーランドでは先生が一方的に説明をして生徒は受け身で聞きながら書き取るのではなく、先生から提供された課題に対して、生徒同士のディスカッションで答えを導く参加型の授業が日本よりも多くあります。それは、学校教育において静かに授業を聞いて暗記する力よりも「学生が自ら思考できる力」を養うことに重きを置いているからです。

たとえば、英語の授業では答えを先生に採点をしてもらうだけではなく、自分の作成した文章をクラスの皆の前で発表をして他の生徒からの意見を聞いたり、地理の授業などでも先生が課題を与え、「そうなったのはなぜか?」という問いに対して生徒がデスカッションしながら、先生がまとめて答えを導くようなこともよくあります。お互いに意見を述べ合うことで思考力が鍛えられ、様々な視点から深く物事を見られるようになります。


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