国際バカロレア(International Baccalaureate:通称IB)は、世界中の大学で認められる国際的な教育プログラムです。単なる大学入学資格ではなく、「全人教育」を理念に掲げ、知識の習得に加え、思考力・探究心・国際的な視野や社会貢献意識を育むことを重視しています。
IBにはいくつかのプログラムがありますが、大学進学に必要な資格として世界中で評価されているのが「IBディプロマ・プログラム(DP)」です。6つの分野から選択した科目に加え、数千字におよぶ論文(Extended Essay)や課外活動(CAS)、思考スキルを深める授業(TOK)などが評価対象となります。
国際バカロレアを学ぶことで得られる主なメリットは以下のとおりです:
近年、日本国内でも**日本語DP(ディプロマ)**が導入され、IBを日本語と英語の併用で学べるようになりました。英語ともう1教科を英語で、それ以外の科目や論文は日本語で学習可能です。
一方で、海外の高校でIBを履修する場合はすべて英語。そのため、英語力が求められる水準が大きく異なります。また、海外大学に進学する際、日本語DP修了者は英語能力試験(IELTS・TOEFLなど)のスコア提出を求められることもあります。対して英語でIBを修了した学生は、IBの成績のみで出願が可能なケースが多いです。
Q. 英語が苦手でも海外のIB校で学べますか?
A. IBの授業は高度なアカデミック英語が求められるため、一定レベルの英語力が必要です。ただし、渡航前の準備や語学サポートのある学校もあります。
Q. すべての海外高校がIBを提供していますか?
A. いいえ、IBは限られた認定校でしか学べません。私立・公立どちらにもIB校はありますが、学校によっては希望者のみがIBを履修する形もあります。
Q. IBを取れば必ず海外大学に進学できますか?
A. IBは確かに国際的に評価される資格ですが、それだけで合格が保証されるわけではありません。IBの成績やその他の要素(英語資格、面接、課外活動など)も含めて評価されます。
IBは私立だけでなく公立高校でも提供されている国際的なプログラムです。国によって制度は異なりますが、留学生でも履修可能な学校があります。ただし、IBは学習負荷も高く、すべての学生に向いているわけではありません。進学先を選ぶ際は、IB以外のカリキュラムとの比較や将来の目標も踏まえたうえで、慎重に検討することが重要です。