G’day mate! 皆さんこんにちは、オーストラリアのブリスベンで大学留学していたジュンナです。大学生活の終盤、就職活動を通して永住権や将来のキャリアについて考える機会が増えました。その際、よく話題にのぼったのが、オーストラリア特有の「働き方」や「職業観」。
中でも印象的だったのは、「オーストラリアで保育士として働きたい」と考える日本からの留学生が増えているという話です。なぜ保育士が人気なのか、日本との違いはどんなところにあるのか──そんな疑問を私自身も抱くようになりました。
そこで今回は、オーストラリアで生活したからこそ感じた働き方の違いや、保育士という仕事についての気づきを、私なりの視点でシェアしていきたいと思います。
是非、これからオーストラリアで保育士就職を考えている方や、そもそもオーストラリア就職を目指されている方に届いたらいいなと思っています!
目次📌
1. オーストラリアで保育士が人気の理由とは?
保育士という職業が近年とても注目されており、実際私がブリスベンで大学生活を送っていた頃も「将来は保育士として働きたい」と話す日本人留学生に何度か出会いました。では、なぜ保育士という仕事がここまで人気なのでしょうか。いくつか理由を整理したいと思います!
まず、人手不足で需要が高いということです。オーストラリアでは共働きの家庭が多く、小さな子供をデイケア(保育園)に預けることはごく普通。私が高校留学してホストファミリーと一緒に暮らしていた時も、ホストシスターは近所のデイケアに通っていました。この点ついては日本と似た光景ですし、保育士さんはどこでも必要とされているので、「安定した仕事がある」という安心感は大きいと思います💡。
そして忘れてはいけないのが、永住権との関わりです。オーストラリアは移民の国なので、特定の職業は永住権を申請するときに有利になることがあります。そのひとつが保育士(参照:https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/working-in-australia/skill-occupation-list)。だから「ずっとオーストラリアに住みたい」という人にとっては大きなチャンスになります。
さらに、日本人にとって特に惹かれるのは、教育スタイルや子どもとの接し方の違いかもしれません。オーストラリアでは子ども一人ひとりの個性を大事にしていて、「今日は何してみたい?」と子どもに選ばせる場面がよく見られるとのこと。私もホストマザーが家で子どもにそんな風に問いかけている姿を見て、日本の「みんな一緒に行動する」スタイルとは違うんだなぁと実感したことがあります。こうした自由で個性を尊重する考え方に共感して、保育士を目指す人も多いのだと思います。
最後にもうひとつ、働き方の柔軟さもポイントです。オーストラリアは「働きすぎないこと」「プライベートも大事にすること」が当たり前に根付いている国。もちろん保育の現場は大変と聞きますが、日本に比べると休みの取り方や働き方に余裕があるケースが多いようです。そのため「自分の時間も大切にしながら子どもと関わりたい」と思う人にとっては、とても魅力的に感じられるはずです。
こうした背景が重なって、オーストラリアで保育士を目指す日本人留学生が増えていると感じます。私自身、実際に施設で働いたことはないけれど、生活の中で見えてきた文化や考え方の違いを振り返ると「人気があるのも納得だな」と思うことが多いです。
2. 日本とオーストラリアの保育スタイルの違い

オーストラリアで暮らしていて驚いた1つに、子どもに対する関わり方や教育スタイルが日本とはやはり違うということでした。もちろん国が違えば文化も違うので「どっちがいい悪い」ではないのですが、比べてみると面白い発見がたくさんあったので一例をご紹介します。
❖ 子どもの「選ぶ力」を大切にする
日本の保育園や幼稚園だと、スケジュールに沿って一斉に活動するイメージが強いですよね。みんなで同じ歌を歌ったり、同じ絵を描いたり…。一方オーストラリアでは、子ども自身が「今日はこれをやりたい!」と選ぶ時間が多く設けられています。
私が見たデイケアでは、工作したい子は絵の具で自由に描き、外で遊びたい子は砂場へ直行、という感じでとても自由。その代わり先生(Educatorと呼ばれることも多いです)は一人ひとりの行動をしっかり見守り、必要なときに声をかけてサポートしていました。
❖ 褒め方・注意の仕方
日本だと「みんなと同じようにできること」を評価する場面が多いですが、オーストラリアでは「あなたのやり方も素敵だね!」と個性を認める褒め方をしている印象がありました。
❖ 外遊び・自然とのつながり
オーストラリアの保育施設では自然と触れ合う時間をとても大事にしているのも印象的でした。天気のいい日には長い時間外遊びをしたり、虫や植物を観察したり。日本と比べて「のびのび」していて、多少汚れても気にしないスタイル。私のホストファミリーの子どもも、毎日のように裸足で庭を走り回っていました。
3. 保育士として働くために必要な資格・英語力
オーストラリアで保育士(Early Childhood Educator)として働きたいと考えられている際、まずは現地で認められている「保育士資格」の種類・レベルを理解することが重要です。私自身も、留学中や情報収集をする中で、この点が一番最初に壁になると感じました。
❖ 必要な資格
オーストラリアで保育士として働くには、州ごとに認められた資格(大きく3つ)があります。
Certificate III(コース期間:約6か月)
最も基礎的な資格です。6か月ほどで取得でき、保育現場のアシスタント的な立場で働けるそうです。施設によってはクラスの担任を持つよりも、先生のサポート役になることが多いケースも。
Diploma(コース期間:約1~2年間通学)
1〜2年かけて学ぶ資格です。子どもの成長記録やクラス運営にも携われるようになり、より責任のある仕事を任されるようになるそうです。サーティフィケート3に比べて給与も良く、永住権の申請にも有利になる場合があるようですが、詳しくは留学エージェントへ確認することをおススメします!
Bachelor Degree(大学):(コース期間:約3〜4年間)
大学で取得するもので、Early Childhood Teacher(幼児教育教員)と呼ばれる立場になれる資格だそうです。施設によっては必ず配置が求められるポジションで、専門性も高く、給与やキャリアの面でも最上位。
Master Degree(大学院):(コース期間:約2年間)
大学院でもEarly Childhood Teacher(幼児教育教員)になるための勉強ができるコースがあります。大学院の場合は、IELTS7.0〜7.5が求められるコースも多いので、高い英語力がある人向けのコースです。
日本の資格は使える?!
ちなみに、日本の保育士資格を持っている方はそのまま使えるのかな?と思い調べてみたのですが残念ながら、日本の保育士資格をそのままオーストラリアで使うことは出来ないようです。
❖ 必要な英語力
資格取得や就職には、英語力の証明も欠かせません。特にIELTS(アイエルツ)がよく使われ、スコアの目安は資格レベルによって異なります。
Certificate III / Diploma
IELTS アカデミック 各科目で5.5以上 が目安。学校によっては全体スコア5.5〜6.0を求めるところもあります。
Degree(大学進学)
IELTS アカデミック 6.5(各科目6.0)以上が一般的。大学の教育学部レベルなので、より高度な英語力が必要です。
就労ビザ・永住権申請
オーストラリア政府の基準で最低でもIELTS 6.0以上を求められます。英語は働く上での必須条件だけでなく、移住の選択肢にも直結します。
4. 留学経験から見えた、オーストラリアで働く魅力✨

オーストラリアに留学して感じたのは、「働くこと」に対する考え方の柔軟さです。私自身は保育施設での経験はありませんが、大学生活やホストファミリーとの暮らし、アルバイト先でのやり取りを通じて、オーストラリアならではの職場文化を垣間見ることができました。
まず大きな魅力は、ワークライフバランスが尊重されていることです。友人や先生も「仕事は仕事、プライベートはプライベート」とはっきり線を引き、家族や自分の時間をとても大切にしていました。保育士の仕事でも、長時間労働よりも効率や質が重視されており、働く人の健康や幸福が守られている点は、日本との違いとして強く印象に残っています。
次に感じたのは、多文化社会で働けることの面白さです。オーストラリアでは街を歩くだけでも多様なバックグラウンドを持つ人と出会えます。教育現場や保育施設でも、英語を母語としない子どもたちが一緒に育っているのは珍しくありません。そのため、保育士には「英語で伝える力」だけでなく「文化を理解し尊重する姿勢」が求められると感じました。これは、留学生だからこそ肌で実感できるポイントだと思います。
▶まとめ
いかがでしたでしょうか?今回の記事では、オーストラリアで保育士として働くための資格や英語力、日本との教育スタイルの違い、そして私自身が留学を通じて感じた働き方の魅力について紹介しました。実際に現場経験がなくても、留学生活を通して見えてきた「価値観の違い」や「文化の多様性」は、保育士を目指す方にとっても参考になれればと思います!
オーストラリアでのキャリアを考える上で大切なのは、資格やスコアだけでなく、柔軟に学び続ける姿勢と、自分らしい働き方を見つけるマインドだと思います。留学で得た気づきを通じて、少しでもこれから挑戦する方の後押しになれば嬉しいです。