今回はニュージーランドのアカデミック科目を詳しく見ていきます!ニュージーランドの教育制度時間割については過去の記事をご覧ください!

目次

①英語の科目や学び方は様々

・英語科目の種類とその内容

・留学生向けの英語の授業「EL(English Language)」もある!

②日本とは異なる数学の学習方法

・数学の科目選択は3年生から!

・日本人留学生は統計より微積分が得意!?

③理科と社会も細かく科目が分かれている

・理科の科目は生物、化学、物理だけじゃない!

・社会科には心理学や観光学も!

英語の科目や学び方は様々

日本にある「国語」のように、ニュージーランドにも「英語」の授業があります。日本の国語の授業は、現代文、古文、漢文に分かれていますが、ニュージーランドの英語の授業は、日本とは異なった授業の別れ方や学び方をしています。その詳細を見ていきましょう!

英語科目の種類とその内容

英語の授業では、読み(Reading)・書き(Writing)・話す(Speaking)・聞く(Listening)を、文法やレポートの書き方、発表の仕方などを主軸として学びます。科目も現代文や古文といった分かれ方ではありません。科目の種類は学校によっても異なりますが、一例をご紹介します。

English(英語)

最も一般的な英語の授業で、現地の学生が履修します。ある学校では、様々な文学や映画を題材にして、文学的エッセイの書き方や精読のスキルなどを身につけます。

Media Studies(メディア研究)

メディアの授業に興味がある学生もいますが、実はこの科目は「英語」の科目群に含まれます。単に言語を学ぶだけでなく、批判的思考や創造性を育むことも目的の一つです。メディアによる表現や倫理的問題、メディア製品を分析、テキストの精読、広告における検閲と規制など、「言語」をメディアの視点から考えていきます。学年が上がると学ぶ内容も深く発展的になり、短いドキュメンタリー映画を制作する学校もあります。また、扱うメディアのジャンルも様々で、授業というとニュースをイメージするかもしれませんが、ホラーやミュービデオ、SFなど様々なジャンルのメディア作品を扱います。

English for Academic Purposes(学術目的の英語)

この英語の授業は、英語を第二言語として学ぶ学生を対象としています。よりアカデミックな英語スキルを身につけるために、小説や映画などの題材を用いて、学術的な英語を理解し、それに対応できる能力、アイディアや情報を文章で表現できる力を磨きます。一般的に留学生はこの後紹介する「EL(English Language)」という留学生向けの英語授業を履修しますが、留学生の中でも英語の成績が特に良い最終学年の学生や、海外生活経験があるような英語力が非常に高い学生が履修します。

留学生向けの英語の授業「EL(English Language)」もある!

英語を母国語としない留学生のための英語学習のサポートをするクラスで、留学生は履修科目です。国によってESL、ESOLなど呼び方は様々です。留学生を受け入れている高校には基本的にELクラスがあり、学校によっては初級・中級・上級などレベル別になっており、配置されるレベルは学生によって異なります。また、授業は年間6科目を履修する学校が一般的ですが、特に渡航直後の英語力が不十分な学生は6科目のうち2〜3科目分がELの時間に充てられ、一般科目の選択数が少なくなります。ELは単位取得の対象になる課題が少ないので、一般科目の選択数が少なくなると取得単位の総数に影響が出ます。

日本とは異なる数学の学習方法

日本では学年毎に数学として学ぶ内容は決まっているため、学年に応じて皆が同じ内容を勉強します。ニュージーランドでは、数学の中でも何を学ぶかを学生が選択できたり、個人で問題を解くだけでなくグループワークを取り入れるなど、様々な方向から数学を学びます。

数学の科目選択は3年生から!

日本では高校1年生では数学I&A、2年生では数学II&B、3年生では数学III&Cを学びますが、ニュージーランドの高校では少し違った分かれ方をしています。学校によっても開講している科目の種類は多少異なりますが、NCEAの学年末統一試験の対象とされる数学の科目としては、以下のように高校2年生相当のLevel2までは数学と統計学を一緒に学び、高校3年生レベルのLevel3になると微分積分か統計学のどちらかの選択になります。

Level 1:  Mathematics&Statistics (数学&統計学)

Level 2: Mathematics&Statistics(数学&統計学)

Level 3:  Statistics(統計学) / Calculus(微積分)

学校によっては、これ以外の総合数学のクラスを設けている高校も多くあります。また、「数学」という科目ではありませんが、会計学や経済学、ビジネスなどの科目もあり、数学がどのような場面で使われているか実感することもあるでしょう。

日本人留学生は統計より微積分が得意!?

日本人の学生の多くは、ニュージーランドの数学より日本の数学の方が難しいと話します。特に日本人留学生は英語の壁はあるものの計算が得意な学生が多く、英語力がより必要とされる統計学より、計算が多い微積分を好む傾向があります。また、数学に特化した計算機の使用が認められているテストもあり、日本では数学に苦手意識を持っていた学生が、ニュージーランドでは良い成績が取れて数学が好きになったという学生もいます。

理科と社会も細かく科目が分かれている

理科や社会の科目の分かれ方も日本とは大きく異なります。それぞれの科目をご紹介します!

理科の科目は生物・化学・物理だけじゃない!

日本で一般的な生物、物理、化学の他に、ニュージーランドでは「地球&宇宙科学」「園芸学」「海洋学」「農学」「環境学」など様々な授業があります。いずれの授業もただ暗記するだけでなく、リサーチや発表、グループワークなどを通じて理解を深めていきます。たとえば園芸や農業の授業を展開する学校では、学校の敷地内に畑や大きな花壇などを造り、実際に作物を育てることも授業の一つです。環境学では、日本でも昨今よく耳にする「サステナビリティ」など、地球の天然資源や環境問題、気候変動などについて学びます。日本では理科に興味が無かった学生も、もしかしたら興味のある科目が見つかるかもしれません!

社会科には心理学や観光学も!

社会の科目も学校によって異なりますが、日本の高校で一般的な歴史学や地学の他、ビジネス学、経済学、心理学、観光学などの授業があります。これらの科目は日本人留学生にも特に人気の科目で、多くの学生が社会の中から日本にはない科目を選んでいます。ビジネス学や経済学は一般的ですが、心理学は開講している学校が限られるため、学んでみたい!という学生は無料個別相談や学校選択の際にご相談ください。