今回は、「海外の教育制度を知ろう!」シリーズとして、オーストラリアの教育制度について解説します。卒業留学を考えている学生さんには特に、国を選ぶにあたり非常に重要な要素となりますので、自分にはどんな学習スタイルが合っているか考えながら見ていきましょう!

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目次

①州ごとに異なる教育制度

・義務教育はおおよそ高校1年生まで

・日本と比較したオーストラリアの年齢と学年

②オーストラリアのカリキュラム VCE、QCE、SACE

・卒業に必要な単位はこれ!

・単位を取るために注意したいポイント

③オーストラリアの高校卒業後の進路

・オーストラリアの大学に進学するには?

・日本や海外の大学に進学する際の要件

州ごとに異なる教育制度

日本と異なり、オーストラリアの教育制度は州によって異なります。教育制度は留学生活にも直結する重要なポイントのため、州ごとの違いを理解して後悔しない留学先選びをしましょう!

義務教育はおおよそ高校1年生まで

義務教育に定めている年齢や学年は州により様々ですが、ICCが送り出しをしているビクトリア州、クイーンズランド州、南オーストラリア州はいずれも基本的にはYear10(高1)までが義務教育です。義務教育が終了すると、将来の夢に向かってより実践的なスキルや知識を得るために、州立の職業訓練校であるTAFE(Technical and Further Education)に進学する学生もいます。

日本と比較したオーストラリアの年齢と学年

オーストラリアはYear1(小1)からYear12(高3)までの学年制です。Year1の前にプレップイヤー(準備学年)を1年設ける州が多く、実際は高校3年生までは13年間となります。日本では小学校6年間、中学校3年間、高校3年間、大学4年間(短期大学は2年間)となっていますが、オーストラリアはプライマリースクール6〜7年間、セカンダリースクール(ハイスクール)5〜6年間、大学3年間です。

オーストラリアのカリキュラムVCE、QCE、SA

オーストラリアのカリキュラムは州ごとに異なっており、ビクトリア州はVCE(Victorian Certificate of Education)、クイーンズランド州はQCE(Queensland Certificate of Education)、南オーストラリア州はSACE(South Australia Certificate of Education)というカリキュラムに則って高校の勉強を進めていきます。

卒業に必要な単位はこれ!

ICCが送り出しをしている3州については、Year10(高1)の勉強内容とYear11・12(高2・高3年)の勉強内容が大きく異なります。Year10では、留学生向けの英語の他、数学、理科、社会などが必修になります。Year11からは各州のカリキュラムに従って、卒業に必要な単位を取得していきます。州によっても異なりますが、Year11、Year12の必修科目は留学生向けの英語の授業だけ、もしくは数学のみ英語に追加して必修です。その他の科目は自由に自分で選ぶことができます。更に詳しく各州で卒業に必要となる単位の要件を確認しみましょう。

ビクトリア州

卒業に必要な単位は最低16単位。Year11で8単位、Year12で8単位を取得します。

Year11の前半をUnit1、後半をUnit2、Year12の前半をUnit3、後半をUnit4と呼びます。1科目あたり1セメスター(Unit)で1単位です。最低4科目の履修が必須ですが、多くの学生が1セメスターあたり5科目履修します。ビクトリア州では英語(留学生はEAL)は必修となりますが、その他の科目は自由に選択可能です。ただし、履修期間等に関する細かな規則もあるため、必ず確認しましょう。

クイーンズランド州

卒業に必要な単位は最低20単位。Year11で10単位、Year12で10単位を取得します。

ビクトリア州同様に、1科目あたり1セメスター(Unit)で1単位です。クイーンズランド州では、各セメスターに最低5科目の履修が必須ですが、多くの学生は6科目履修します。また、科目が大きく3つの種類に分かれており、各種類の科目で履修しなければいけない単位数や、履修してよい単位の上限が決まっています。クイーンズランド州では、英語の他に数学が必修です。

南オーストラリア州

卒業に必要な単位は200単位。Year11で100単位、Year12で100単位を取得します。

南オーストラリア州では、1科目あたり1セメスター(Unit)で10単位です。各セメスターに最低5科目の履修が必須ですが、多くの学生が6科目履修します。また、クイーンズランド州同様に科目が大きく3種類に分かれており、各種類の科目で取得するべき単位数が細かく決まっています。更に、英語(留学生はEAL)の他に、Numeracy(計算力)、PLP(Personal Learning Plan:進路等を考えるもの)、Research Project(興味のある分野についてリサーチやプレゼンスキルを身につけるもの)などが必修の単位に含まれています。

単位を取るために注意したいポイント

履修する科目の自由度が高いオーストラリアでは、自分の得意な分野、興味のある分野を理解していることが重要です。理系科目、文系科目、アート系科目など、自分の好きなことや得意なことを中心に科目を選ぶと単位が取りやすいです。また、授業に出席したうえで積極的に「参加」することも重要です。日本では、他の生徒に迷惑をかけなければ寝ていても他のことをしていても良いと言う先生もいますが、オーストラリアではそうはいきません。しっかり話を聞いて授業に取り組み、発言や質問をする必要があります。静かに出席しているだけは良い成績はつかないので、授業にはしっかり参加しましょう!

オーストラリアの高校卒業後の進路

高校を卒業した後に選ぶ進路は学生によって様々です。オーストラリアには世界的にもトップレベルの大学が多くあることから、そのままオーストラリアの大学に進学する学生もいれば、高校留学中に感じた日本との違いを日本での学びに活かしたいと帰国進学する学生もいれば、更にに別の国でもっと勉強したい!という学生もいます。それぞれの進路で気をつけるべきポイントを考えていきましょう。

オーストラリアの大学に進学するには?

オーストラリアには、日本のような大学ごとの入学試験はありません。Year12(高3)の時に行われる各州の統一試験を受け、ATAR(Australian Tertiary Admission Rank)というオーストラリアの大学進学のための順位を決める偏差値のようなスコアを出します。各大学・各コースの出願者の中からATARスコアの高い人から順に合格となります。留学生も現地生と同じ条件でこの試験を受けるので「英語の壁もあり不利なのでは?」と感じるかもしれませんが、在学中にしっかりと勉強したICC生は、非常に高いATARスコアを出して希望の大学に進学しています。皆さんも是非頑張ってください!

日本や海外の大学に進学する際の要件

日本の大学やオーストラリア以外の海外の大学に進学する場合は、大学ごとに出願要件が異なってきます。ただし、いずれの大学へ進学する場合でも高校卒業証明書は必ず必要になるため、卒業要件をしっかり満たせるように努力しましょう。また、日本の帰国生入試や総合型選抜を活用する場合や、海外の大学へ進学する場合は、高校の成績表が重要になります。受験の時期になって後悔しないよう、在学中はテストや課題などに真剣に取り組み、ある程度の成績を維持できるようにすると良いでしょう。


ICCでは、進路相談室の専任スタッフが相談にのり、学生一人ひとりの希望する進路が実現できるようアドバイスをしています。また、現地アドバイザーや日本/海外オフィススタッフが科目選択の相談にも対応するので、気になることや不安なことがあればいつでもご相談ください。

オーストラリアの教育制度については何となくご理解いただけましたでしょうか?国によって教育制度は大きく異なり、人それぞれ合う・合わないがあります。特に長期での留学を検討している方にとっては必ず考慮すべきポイントなので、イメージだけで決めず、あらゆる方向から検討していきましょう。

ICCではプロのカウンセラーが皆さんにとって最適な留学プランをご案内します。お気軽に無料個別相談へお問い合わせください!