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「使える英語」を生徒に伝えるために、多国籍文化を誇る豪州へ留学

参加コース:オーストラリア大学院留学
留学先:ウーロンゴン大学
専攻:Master of Education (TESOL)
留学期間:2012年8月〜2013年12月

1974年生まれ、福岡県出身。高校の英語教員として勤務した後、2012年8月よりNSW州にあるウーロンゴン大学の附属語学学校で英語を学ぶ。その後2013年2月より同大学のMaster of Education (TESOL-英語教授法)を学習。2013年12月に卒業し、2014年4月より教員として学校現場に復帰予定。

多忙な講義と課題を経て、自信を持って教えられる英語教師に

多国籍な方々とのパーティーで異文化を学ぶ。

講義もプレゼンテーションももちろん英語で。

オーストラリアの大自然で学ぶ。

Q:TESOLをオーストラリアの大学院で学ぼうと思ったきっかけについて教えてください。

A:オーストラリアへの留学を選んだ理由は主に二つあります。 第一に、修士課程が一年で取得可能であるということです。北米の大学院のように二年ほどかけてじっくり学ぶのもいいのですが、その分留学費用がかかります。しっかり学び、かつ早く現場に復帰したい、また費用を最低限でおさえたいという思いがありオーストラリアを選びました。 第二に、オーストラリアの大学は世界中から留学生を受け入れており留学をすれば英語圏の文化だけでなく世界各国の文化に触れることができると考えたからです。思っていた通り、大学のキャンパスは留学生で溢れオーストラリアという国の懐の深さを感じることができました。

Q:留学以前に、海外滞在経験はありましたか?

A:大学3年次の夏休みに大学主催の語学研修に参加しました。1ヶ月の研修中は、ホームステイをしながら、大学の提携校であるサンノゼ州立大学付属の語学学校に通学しました。留学を決心してからは、留学生のために英語で開講される大学の講義に参加していました。

Q:ウーロンゴン大学を決めた理由は何でしょうか?

A:私は日本で学校現場に戻ろうと考えていたので、研究重視のリサーチワークと実践重視のコースワークのどちらが教師に役立つかを考えました。そして、迷わずコースワークを選びました。ウーロンゴン大学ではこのコースワークが充実しているということが選択の決め手になりました。コースワークではもちろん理論も必要に応じて講義で学ぶことができます。理論と実践のバランスのとれたコースだったと思っています。

Q:Masterコースのカリキュラム内容について、どんな内容でどうお感じになりましたか?

A:カリキュラム内容としては、春学期、秋学期と2学期制でともに13週間で、それぞれの学期で4科目24単位(1科目6単位)×2学期でトータル48単位を取得しなければなりません。日本の大学院で英語教育や英語学などを専攻してもこれほど内容の濃いカリキュラムを実現するのは難しいと思います。英語を母国語としない人々への英語教育という視点で教わるので、私の英語教育の視点や考え方は180度変わったような気がしています。科目は、第二言語習得理論、Speaking & Listening、English Learner’s Problems、教育分野におけるリサーチ法(この科目はTESOL科目でなく教育学部生の必須科目です)、Pronunciation & Prosody、Second Language Literacy(これは主に読む・書くことについて学ぶ講義です)、Assessment in TESOL(評価法)、Material & Technology(教材、教具の使用法)以上8科目です。どれも学校教育現場で活かせる指導法で「目からうろこ」の体験の連続でした。 例えば、「評価法では生徒のリスニング能力をどのように適正に図るか?」や「適切なライティング試験はどのようなものか?」を考え、実際に授業中にテスト作りについてグループ討論しました。また、Pronunciation & Prosody では英語の第二言語話者(外国人)にインタビューしその音声を録音しました。その後その音声を全て文字起こしし、録音を再度聞きその人の発音の特徴や発音の間違えのパターンを分析しました。時間がかなりかかった課題でしたが、やりがいがあり、終わったときの達成感はいまでも忘れることができません。

Q:オーストラリア型のTESOL教育とはどのようなアプローチなのでしょうか?

A:英語を母国語としない人々への英語教育法を学ぶのがTESOLです。さまざまなバックグラウンドの方々がオーストラリアにはいます。英語を自国で少し学んだ人、全く英語を学んだことがない人、モチベーションが高い人そうでない人、そういう方々に少しでも英語を上達してほしい、英語を楽しみながら学んでもらいたいなどの考えが根底にあったように思います。オーストラリアで英語を学ぶ人々は多様で、移民や難民の家族、留学生などがいます。彼らは英語圏で無理なく生活するために、一日もはやく英語を使えるようになりたいと思っています。日本には、すぐにでも英語を使わなければならないという状況の人はほんの一握りですし、必要に応じてその人の生活にあった英語力があれば事足りているというのが現状ではないでしょうか。英語学習者にとって英語が生活に即必要であるか否かという大きな違いがあるように思います。

Q:クラスメイトの国籍やバックグランド、どんな方達と一緒に学ぶ環境にいらっしゃいましたか?

A:クラスには中国、イラン、トルコ、ベトナム、カンボジア、インドネシアや、オーストラリアで現役英語教師として働いている方々がいました。各国の英語教育事情や英語のネイティブスピーカーとして英語を教える難しさや苦労など講義では学べない経験談が聞けたのは本当に貴重な体験でした。例えば、日本人に英語の発音を教えるのは、英語のネイティブスピーカーより日本人の発音の癖を知っている日本人のほうが向いているなどの意見が出ました。

Q:大学院の教師の様子、雰囲気、教え方、バックグランドなどを教えてください。

A:私は一年間で四人の先生方にお世話になりました。オーストラリアの先生が二名、カナダ人の先生が二名でした。大学院が講義始まった当初は先生の言っていることが聞き取れず苦労しました。録音して後で聞いたり、しっかり予習することでカバーしたりしました。 留学後半はリスニング力も向上し、楽になりました。どの先生方も授業準備にかなりの時間を割き、わかりやすく伝えようと努力しているのがよく伝わってきました。日本の大学も昔に比べたらだいぶ変わったと思いますが、一昔前の日本の大学教授のようにテキストを朗読し講義を終えるような先生はいませんでした。学期の終わりには授業アンケートがあり学生のニーズに応えてくださいました。

Q:課題の量と大変さについて教えてください。

A:一年間で8科目48単位を取得しました。1科目につき約三つの課題が出されました。つまり私は合計24本の課題を提出してきたことになります。課題はエッセイ(大きな論文ではないが、あるテーマに沿って書く小論文のようなものです)形式で提出します。このエッセイは平均約3,000字でまとめなければならず、書いた総文字数は7万字以上という計算です。13週間で12もの課題を提出するということは単純計算で毎週課題提出があるということです。それに加え講義の予習として関係する論文を2〜3本読み講義に臨まなければなりません。この講義用の論文に、課題に取り組むのに必要な知識やヒントが詰まっているため、さぼると課題を完成させることができません。ですから私の大学院生活は寮の友人たちとパーティーで楽しんだりする一方で、論文を読みエッセイを書くという連続で、課題に追われる日々でもありました。意外に地味な学生生活です。図書館に通いつめることもよくありました。これから留学する方には、大学院入学前に英語のエッセイの書き方を学んでおくことをお勧めします。日本の大学入試の英作文とは次元が全く異なります。

Q:今後学校現場でどのように留学経験を活かせるとお感じになっていますか?

A:これから生徒たちに自信を持って英語を教えることができることが一番の収穫でしょう。楽しみながら英語で授業ができると思っています。英語で書き、英語で読み、英語でプレゼンテーションするなど、自分自身の英語力に自信がついたことは今後生徒に還元していけると確信しています。母国語でない生活環境のなかで経験したこと、異文化との出会い、世界の中での日本の立場など生徒に実際体験を語れるのではないかと思います。

Q:TESOL留学が日本の教師に注目されている理由は何だと思いますか?

A:英語教育を見直したい、考え直したいと考えている教師が増えているからではないでしょうか? 本当に使える英語、将来も役に立つ英語を教育現場で提供できているのかという疑問や不安を持つ教師は多いと思います。小学校への英語教育の導入、中学校・高校での英語を使った授業のあり方など課題はたくさんあります。これからもニーズは増え続けると思います。

Q:今後TESOL留学を検討している方へのメッセージをお願いいたします。

A:私は高校教師を退職して留学をしました。戻ってきてから現場に復帰できるのか不安もありましたが、留学という夢を諦めず決意しました。幸いウーロンゴン大学にはオンラインの講義もあり、働きながら修士号がとれます。また、お勤めの学校に休職制度があり留学しやすいという人は是非挑戦してみてください。母国語ではない厳しい環境で学位をとることは大変な苦労が伴いますが、やりがいがあります。また英語教師ならチャレンジするのに十分価値があり、収穫も多いと思います。英語教師に対しても今後期待がますます大きくなるでしょう。自身の英語力、そして教育力をグレードアップさせる意味でもTESOLは十分な価値があります。是非TESOLを習得し、今後の英語教育に還元していきましょう!